先日IBMが、ニューヨークはEast Fishkillの自社工場で65nmバージョンとなる新しいCellプロセッサの生産を開始したと発表しました。また既にコストダウンが図られた欧州のPS3ですが、その互換性は1,200本以上を確保しているんだとか。ソニーの長崎工場でもしばらく前から65nmの生産に移行済みで、後は本体の価格が下がるのを待つばかり…!?
ソースによると、PS3発売時のCellプロセッサのコストは$89程度と見られており、この新しいプロセスに移行することでチップだけで$30近いコストダウンが見込めるとの事。製造技術の微細化により、今後はいよいよ発熱が小さく低価格なモデルの登場も可能となります。久夛良木氏が主導権を握っていた頃は、シュリンクを続けることでPCと見劣りしないペースでより高性能なPS3も可能になるという話もありましたが、IBMのサーバー用途では現在もそういった可能性はあります。
一方で先日、3年間で実に4,600億円を投じてきたソニーの半導体戦略は大きく軌道修正されたようで、次世代技術である45nmプロセスのCellは[url=http://www.eetimes.jp/contents/200702/14819_1_20070216204621.cfm]内製しないという発表[/url]も行われています。今回のIBMの発表では、既に向こう2年以内に45nmプロセスでの生産も予定しているとのことで、いずれはこちらが使われるということなのかもしれません。
また、同じくコストダウンのために来週ヨーロッパで発売になるモデルからは、後方互換用のPS2統合チップセットが取り除かれるという話もありましたが、全てをソフトウェアでエミュレーションするのではなくGS相当のプロセッサを別に用意することで、気になる互換性は発売前の現在でも[url=http://www.playthree.net/2007/03/european-ps3-has-over-1200-compatible.html]1,200本以上を確保している[/url]とのことでソフトウェア互換としては上出来でしょう。
もっともこういったコストダウンの恩恵は(陰に日向に)ユーザーへと還元されてはじめてメリットとなるわけで、コストダウンモデルを一番高い値段で予約しているヨーロッパの人たちは少々複雑な気分かもしれませんが、今のゲームユーザーが待ち望む小さくてより低価格な普及モデルの登場は、いずれ順当に期待できそうです。
[size=x-small](ソース&イメージ: [url=http://www.ps3fanboy.com/2007/03/13/cell-processor-shrinks-to-65nm-today/]PS3 FANBOY: "Cell processor shrinks to 65nm today"[/url])[/size]
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