KOEIはPS3版のFatal Inertiaにおいて正常に動作させることに大きな困難を感じていたそうで、それがUnreal Engine 3の採用によるものだということに触れています。KOEIのJarik R. Sikat氏は他のUnreal Engine 3を採用したタイトルが軒並み発売を遅らせていることに言及。また先日のEpicとSilicon Knightsの訴訟問題にも触れています。
この、Unreal Engine 3が抱える開発の難しさに関して、PSX Xteramでは、そのゲームエンジンを開発したEpic GamesのMark Rein氏にコンタクトをとったそうです。Rein氏には以下のように返答しました。
「肝心なのは、大きなゲームを開発することはそれだけハードワークだということです。複雑なコンピューティングシステム上で、ワールドクラスのゲームをつくる際の困難を完全に克服できるような魔法の薬なんてありません。次世代プラットフォーム上でのゲームエンジンは大きな進化を遂げています。一朝一夕でゲームが完成することを期待することはできません。
我々のエンジン(Unreal Engine 3)はローンチタイトル向けの技術ではありません。もしローンチタイトルをつくりたいのなら、旧世代エンジンを使うか、それをアップグレードさせるのがいいでしょう。もしGears of WarやUnreal Tournament 3のような真の次世代ゲームをつくりたいのなら、そのエンジンの複雑さを理解するためには時間がかかるということを、認めなければなりません。」
上記のコメントを自ら裏付けるような形で、Epic Gamesは、自ら開発したエンジンを使った代表作、Unreal Tournament 3のPS3でのパフォーマンスに自信をみせています。
また、このUnreal Engine 3をめぐる問題にStrangleholdをリリースするMidwayのSteven Allison氏もコメントを寄せています。
我々が内部スタジオで次世代タイトルとして初めてとりかかったタイトル、Strangleholdは技術的に困難がありませんでした。我々のUnreal Engine 3採用の初めてのタイトルながら、PS3とXbox 360でクオリティの差は全くありません。
KOEIがUnreal Engine 3での開発に際し困難にぶつかったのは事実ですが、それがUnreal Engine 3のマイナスというわけではなく、次世代ゲーム全体が抱える開発の困難だというのがEpicの考えのようです。同様にUnreal Engine 3を使ったナムコのフレームシティも同じような流れで困難にぶつかった可能性は高いでしょうか。
先に触れたMidwayの他にも、UbiSoftも多くのタイトルにUnreal Engine 3を採用しています。日本でも、コーエーの他スクウェア・エニックスやカプコンなど多くのメーカーがUnreal Engine 3のライセンスを取得しています。Silicon Knightsの件と同じような事態がコーエーにもあったのかはわかりませんが、次世代機向けにエンジンを自社開発するのもおそらく同等、もしくはそれ以上の困難があり、相当の時間も必要となるという事実は確か。そしてその結果として、これからもUnreal Engine 3を採用したタイトルは続々とリリースされると思います。
[size=x-small](ソース: [url=http://www.psxextreme.com/ps3-news/1576.html]PSX Xtereme: Koei Questions UE3 Engine, Epic Responds[/url],[url=http://www.n4g.com/industrynews/News-54199.aspx]N4G[/url] )[/size]
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