
ビットサミットに出展されていたデベロッパーへインタビューを試みました。会場がプレスでごった返したいたため、すべてを回ることができずゲリラ的になってしまったことを最初にお詫び申し上げます。
まず第1弾、踊るモンスターシューティングアクションことiOS『KOTOMON』を制作したMonstarsさんです。代表取締役にしてプログラマーの小寺攻氏と、取締役/プロデューサーの山本佐和子氏からお話を伺いました。小寺氏は『Rez』のボス戦企画とプログラム、『ルミネス』のゲーム考案などの実績があるほか、『Child of Eden』ではテクニカルディレクターを務めています。山本氏も『Child of Eden』でチーフプロデューサーとして参画するなど多数の実績を持つ方です。主要メンバーは全員キューエンタテインメント出身。
――『KOTOMON』についてお聞かせください。
有料版と無料版を含めて、だいたい15万ダウンロードくらいされました。良い評価も悪い評価もいただきましたね。3D空間の中で遊ばせるというコンセプトだったので、少しiPhoneのゲームからすると慣れない方が多かったのかもしれません。じつはすごくスムーズに直感的に遊べるのですが……。慣れると気持ちいいという評価もいただいています。これが第1作オリジナルIPになりました。
――『KOTOMON』の売上は国別ではどれくらいの比率でしたか?
日本が一番高く、だいたい7割。北米はそんなに本数は出ませんでしたが、一方でアジアでは中国や韓国のパブリッシャーさんからはオファーが来ました。コンテンツとしてはアジアが受けました。また、スペインやブラジル、南米ではなぜかオーバーオールで1位を取ったりしていました。
――ゲームはダウナー感じに見えるのに意外な気がします。
切ない雰囲気がなぜかラテンの人達にウケたみたいです。理由はわからないですね。
――展示されている続編についてお聞かせください。
まだ作りかけです。これが今面白いデザイナーと組んで製作中です。ちょっと今まだその方の名前は公表できないのですが、エロとクレイジーさで言えば右に出るものはないような人です。
――そのヒントからだいぶ絞りこまれそうですね。
そうですね(笑) まあ、その方と組んで新作を準備しています。
――60fps動作が安定していますが、これはiPhone5を前提とした作りですか?
3GSで動くように製作しています。全部自社のエンジンで動かしています。小寺がプログラマーとして技術力に自信があるので、そこはサクサク動くように作ってあります。
――基調講演でEpic Gamesさんをはじめ複数のミドルウェアがプッシュされていましたが、社長自らエンジンを開発されている御社としてはいかがでしたか?
創れない場合はああいうものも必要になるかもしれませんが、創りたいものはエンジンが無くてもそのまま創れます。今は全部内製で事足りています。創れないものはないと思うくらいに「技術のMonstars」なので。
――Unreal Engine何するものぞ!と。
そこまではさすがに(笑) ただ、自分で創ったほうが使いやすいですね。他のミドルウェアと同じようなことはできるんじゃないかと思います。エフェクトツール、アニメーションツールからエンジン部分まで、すべて自前でやっています。
――開発は何人体勢ですか?
コアメンバーは3人。プロデューサー、プログラマー、企画です。あとは協業しているサウンド会社さんとデザイナーさんが何人かいます。いつも6,7人くらいのチームでやっています。新作もそれくらいのボリューム感です。
――新作のリリース時期は?
夏までを目標にしています。
――本日はありがとうございました。
インディーゲームを志すデベロッパーは多数ありますが、形はどうあれどちらかといえばアイデアで勝負しようとする傾向があります。そんな中、明確に技術力の高さを打ち出すMonstarsは非常に個性的に映りました。