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『The Unfinished Swan』がはじめて世に姿を現したのは、2008年の東京ゲームショウで実施されたセンス・オブ・ワンダーナイトでした。何もない真っ白な空間にペンキを投げつけるその斬新なゲームプレイは、YouTubeにアップロードされると瞬くまでにゲームファンの注目を浴びることになります。
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GDC開催初日、SCEサンタモニカスタジオの一部であるGiant SparrowのクリエイティブディレクターIan Dallas氏がパネルに登場し、『The Unfinished Swan』がどのようにしてPlayStation Networkで製品化され、各界で称賛されるに至ったか、またその経過において何を学んだのか、開発裏話が披露されました。
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Ian Dallas氏は、あの『Journey(風ノ旅ビト)』を生み出したthatgamecompanyの創設者らと同じ、南カリフォルニア大学映画芸術学部インタラクティブメディアディヴィジョンに在籍。『The Unfinished Swan』のYouTubeプロトタイプ映像の反響を見たソニーは、当時まだ学生だったDallas氏にパブリッシング契約を持ちかけます。
『The Unfinished Swan』は当初計画していた予算を数百倍もオーバーし、リリースも予定より大幅に遅れる結果になったと同氏は告白。そのため、「私の話はあまりうのみしないほうがいいです」と茶化して、出席者の笑いを誘いました。
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まず最初に、大学で学んだこととして、Maya、Microsoft Visual Studio、Aiといったコア開発ツールの習得が挙げられました。初歩的なことに思えますが、日々練習を重ね、ツールの理解を深めることで、自分のアイデアをプロトタイプとして形にし、ゆくゆくは製品として仕上げることが可能になります。
次に、仕事で学んだこと。Giant Sparrowは7名という小規模なチームで運営され、日々のミーティング、週一回の一堂に会しての昼食会といった、家族のようなコミュニケーションを重視。また、プレイテストやデバッグを十分に行うこと、ゲームイベントには出席すること(同時に声は枯らさないこと)、プロデューサーは必要であること、Google Docsを使ったシンプルなスケジュール管理など、ごく当たり前に思えるようなことの重要性が丁寧に語られました。
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『The Unfinished Swan』は完成までに様々な混乱や苦労、挑戦があったものの、Dallas氏は最終的な作品の出来や評価には、とても満足していると付け加えています。