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ジャレコのアーケード向け横スクロールシューティングゲーム『キメラビースト』が高田馬場「ミカド」にて現在プレイできます。本作は日本でロケテストし、1993年のAOUショーにも出展予定だったにもかかわらず急遽取り止めとなり、海外のみでのリリースとなった、いわゆる幻のタイトル。しかも、入荷したのはなぜか海外版ではなく国内版。
稼働に至った理由や経緯については、ゲームセンターの担当者にもディップスイッチ操作がわからない、インストカードが手書きといったくらいに闇の中。なお、ミカドは以前お伝えしたAC『北斗の拳』大会が開催されたゲーセンです。
興味深いのは、非公式ツイッターアカウントにて、おそらく当時の中の人と思わしき人物により情報が段階的に公開されている点。敵キャラクターの名称紹介から始まり、自機の由来、ゲームのコンセプト、没になった仕様、果ては企画書までが紹介されています。誰が得をするのかはさておき、「1面ボスの画像が海外のアダルトサイトのアイコンに使われていた」という事例などもあったようです。なお、投稿はミカドで『キメラビースト』が稼働している間のみとのことですので、突然"イーター"の活動が停止する可能性も充分考えられます。
本作は8方向レバーと2ボタンタイプのオーソドックスな横シューながらも、グロテスクなグラフィックスと世界観が特徴的。ゲームとしては敵を捕食しながらパワーアップしていくという一風変わったシステムのほか、弾幕シューティング以前らしく、巨大化する自機と当たり判定や、映像と裏腹になんだか昔懐かしくライトなBGMなどが印象に残ります。方向性としては『R-TYPE』と『ダライアス』と『アインハンダー』(後発)を三身合体させたような感じでしょうか。
ひっそりと埋葬されたはずのプロジェクトが発掘される事例をしばしば見かける昨今ではありますが、企画書まで掘り起こされたケースは稀と思われますのでご紹介しました。「何それ」な方は、とりあえず有志によりニコニコ動画へアップロードされているプレイ動画にて昔懐かしいレトロ・グロと、グッドエンディング条件をご確認ください。
(ソース: 高田馬場ミカド, @Chimerabeast, STGWiki)