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世界最長の歴史を誇る最大の格闘ゲームイベントEVOと、ニューヨーク大学に新設された学部Tisch School of the Artsが、格ゲーコミュニティメンバーのみをターゲットとしたスカラシップ制度を始めます。その名も「EVO Scholarship」。
本制度は毎年志願者のなかから、競技性の高いゲーム分野で革新的なゲームデザインへ注目した、あるいは格ゲーコミュニティにおいて最も活発に関与・貢献した人物を選出し授与するもの。適切な財源についても考慮されています。
ニューヨーク大学Tisch Game Center議長のFrank Lantz氏によると、
本学 Game Centerはただ勉学だけでなく、ゲーミング界への参画と発展の促進にも尽力します。現代ゲームデザイン文化において最も画期的で革新的な側面の1つは、ハイレベルな競技的ゲームの存在感です。EVOはこうしたコミュニティを拡大したパイオニアであり、そんな彼らがここニューヨーク大学の生徒に学ぶ支援をする決断をしてくれたのは、じつに光栄なことだと考えています。
格闘ゲームはチェスにおける戦略性の深さと物理的なスポーツの技術習熟が組み合わさっています。それらを理解するには、文化の一形態としてゲームの未来を認識することが何よりも大事です。そして、格闘ゲームコミュニティの民族的・経済的多様性を考慮すると、EVO Scholarship制度は、ゲームデザインの世界に求められる新たな視座をもたらしうる、今のところ過小評価された意見をゲーム産業に組み上げる道程を提供する機会となるでしょう。
格闘ゲームはチェスにおける戦略性の深さと物理的なスポーツの技術習熟が組み合わさっています。それらを理解するには、文化の一形態としてゲームの未来を認識することが何よりも大事です。そして、格闘ゲームコミュニティの民族的・経済的多様性を考慮すると、EVO Scholarship制度は、ゲームデザインの世界に求められる新たな視座をもたらしうる、今のところ過小評価された意見をゲーム産業に組み上げる道程を提供する機会となるでしょう。
1990年台はじめからのe-Sportsの勃興は世界中から注目を集めています。EVO創設者Tom Cannon氏は、競技的ゲームシーンの別の性質、とくにコミュニティの価値や集中力、規律、クリティカルシンキングといった分野を強調し奨学金を使うことに興味を示しています。いわく、「この奨学金の目的は、競技的ゲームを習熟するにあたりどのように傾注すれば成功のカギを獲得できるのか、あるいは調和のとれた生活を送れるのかを紹介することにある」とのこと。
EVO Scholarshipの額は、EVOのペイパービューやHDライブストリームなど、各種興行で得られた資金によって決定される予定。前年度の実績から、20,000ドルから30,000ドルほどと見積もられています。
とうとうゲームイベントと学術分野が連携し始めました。「ゲームは子供の遊び」なる意見はいずれ世界的に少数派になる、いやもうすでになっているのかもしれません。とくに格ゲーはやりこめば一種の学問になることはゲーマーなら誰でも知るところ。しかしながら、日本はそもそも大規模なイベントがさほどないうえ、闘劇の休止などもあり、本気でゲームをするには良し悪しがある土壌です。そろそろアカデミックにゲームを語るだけでなく、真剣にプレイヤーとゲームプレイにフォーカスした教養科目が考案されてもよさそうなものです。
(ソース: NEW YORK UNIVERSITY via Polygon)【関連記事】『風ノ旅ビト』陳星漢氏らの母校、南カリフォルニア大学のIMDがゲームを強調するよう改称
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