グロテスクな表現や残酷表現が苦手な方は観覧をご遠慮ください。
今月よりSteamにて配信が開始された『Surgeon Simulator 2013』のプレイレポをお届けします。『Surgeon Simulator 2013』はプレイヤーが恐らく医者と思われるNigel Burkeなるキャラクターとなり移植手術を行うというゲームで、様々な医療器具を使いこなし患者(名前はボブ)の命を救うことが目的となります。
ロンドンのインディーズスタジオBossa Studiosが作り出した手術シミュレーター『Surgeon Simulator 2013』。元は今年1月にGlobal Game Jamイベントにて48時間で開発された試験的作品で、今回のゲームはその製品版となる。無料版の心臓移植に新たに腎臓移植、脳移植(!?)のステージ、救急車など特殊環境下でのプレイモードが追加。患者は時間経過で出血するようになり、新たに止血剤入りの注射器も登場している(プレイヤーの腕に刺さると幻覚作用がある)
ゲームは患者ボブを見下ろす一人称トップダウン視点で進み、なんの縛りか左腕1本だけで移植手術を完了させることになります。この左手の高度や姿勢をマウスで、5本の指をキーボードで操作するのですが、これがまた信じられないほど不安定かつ繊細で思う通りに動いてくれません。実際にゲームを始めたばかりのプレイヤーは、患部の切除などを行う前に、メスやドリルといった医療器具をまず上手く“掴む”ことに挑戦することになります。
プレイヤーはこのNigelの錆びついた左腕を通して移植手術を成功させなければならず、初見での難易度は例えるならマジックハンドで卵を掴む、コッテリ系ラーメンの麺をハシでは無くスプーンですくう、手では無くヒジを使って『スーパーマリオブラザーズ』をプレイするようなものです。



またこの繊細な操作性に加え、手術の手順もスプラッターホラー真っ青のカオスな内容です。例を挙げれば、最初のステージである心臓移植手術では人工心肺装置的なものが存在しません。実際の手術では、まず肋骨をトンカチなどで粉砕して放置、さらに肺や胃など内蔵を切り取って全て床下に投げ捨て、用意された新しい心臓をポイと患者の体内の所定位置に捨て置けば、手術は成功と判定されてしまいます。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、本作はまごうことなきバカゲー、それもかなり高純度のバカ手術ゲーです。ゲームのストーリーや背景など設定がお馬鹿というゲームは多く存在しますし、『Surgeon Simulator 2013』も実際にカオスな手術内容がそれに当たります。なおかつ本作はゲームプレイの面でもその繊細な操作性でいかに医者Nigelがド素人なアホドクターかということをプレイヤーに思い知らせており、「最高に馬鹿で不器用な奴が手術している」というゲーム体験を、設定と実際のプレイ両面から体感できる素晴らしいバカゲーとなっています。
また意外にも本作はプレイヤーがプレイを続けていくことでこの繊細な操作性に慣れて上達していくことが可能なバランスが保たれており、腕を上げれば名医さながらに患者の体をほぼ傷つけずスピーディーに移植手術を完遂することが可能。走り続けるだけの行為がとても難しいことで話題となった『QWOP』の系譜を感じさせ、純粋に遊べるゲームとしても楽しめます。



本作は基本ステージとなる3種類の手術ステージと救急車モード+αを備え、一通りプレイするだけならば1時間から2時間程度で終えることが出来る内容ですが、興味を持ったならばNigelの手術を体感してみてはいかがでしょうか。なお公式サイトでは今年1月に公開されたプロトタイプ版が無料でプレイできます。
【関連記事】
破茶目茶手術シミュレーター『Surgeon Simulator 2013』のSteam配信日が現地時間の4月19日に決定
『Surgeon Simulator 2013』脳外科手術パートのゲームプレイ映像
Steam Greenlightの新規採用10タイトルが発表。『Surgeon Simulator 2013』他
激ムズ心臓移植ゲーム『Surgeon Simulator 2013』が無料リリース
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください