
次世代機Xbox Oneのプレイアブルタイトルも多数並ぶgamescom 2013のMicrosoftブースで、前例のない自由度を備えた注目作『Project Spark』をプレイしてきました。本作はXbox OneだけでなくXbox 360やWindows 8でもリリースが予定されており、会場ではタッチコントロールにも対応したWindows 8バージョンを体験。
『Project Spark』をやや強引に既存のジャンルに当てはめるなら“ゲーム制作・共有ツール”とで言うべきでしょうか。プレイヤーは、膨大なオプションや設定項目を持つインゲームツールを使って、自分の好きなテーマのゲームワールドやシステムをデザイン。クエストクリア型の探索RPGだろうと、横スクロールのパズルプラットフォーマーだろうと、アイデアと時間さえあれば自由自在に作ることができます。

ツールを用いた大まかなゲームワールド作成の流れは以下の通り。
・まずは何もない平面の土地に起伏や谷間、トンネルを描いていく。大きさや形状は球体型のカーソルで調整する。
・ペイントツールを使って地表を「草原」「砂漠」「氷」などの様々なタイルで塗り固める。
・バイオームツールを使って植物を配置する。巨大な樹を生やしたり小さな花を咲かせたり、大きさや種類も自由に設定可能。
・リバーツールで川を配置する。
・キャラクターやオブジェクトを配置する。人間やモンスターのNPCはもちろん、動物、石像、炎、魔法、嵐などの天候まで、ありとあらゆる種類が存在。
・配置したオブジェクトは自由に大きさを変えられる。屈強なトロールを手のひらサイズにしたり、小動物を巨大化させることも。
・各NPCのブレーン(AI)をカスタマイズ。主人公に対して友好的か敵対的かだけでなく、特定のアイテムを所持していると踊りだすといった細かなフラグ管理も可能。このAIパターン構築の設計はMicrosoftの『Kodu』をベースしたもの。

『Project Spark』がKinectのボイスコマンドやSmartGlass上で操作できることはE3 2013で既に明らかになっていましたが、gamescom 2013では、プレイヤーがKinectでキャプチャーした体の動きや声、そして顔の表情までもゲーム中のNPCに取り込める新要素が発表。ブレーンの行動パターン設定と組み合わせることで、表現手法は無限大に広がります。
なお、あらかじめデザインされた地形パターンやブレーンが組み込まれたNPCから、好きなものをチョイスするだけでワールド作成が行える、“クロスロード”という簡易モードがあり、ツールの扱いが苦手だったり低年齢層のユーザーでもクラフトを楽しむことができます。
こうして出来上がったゲームは、オンライン上で他のプレイヤーとシェアすることができ、ダウンロードした他人のゲームを作り変えたり付け足すことも自由。展示デモの中でも、オンラインでシェアされている『LIMBO』にそっくりなモノクロトーンの横スクロールゲームをエディットし、色を付けたり視点を変えたりする様子が見られました。

気になるワールドの広さについて、開発元Team Dakotaの担当者に話を聞いたところ、1つのワールドは最大15キロ四方にまで広がり、横断するのにおよそ15分を要するとのこと。その上、複数のワールドをポータルで連結させられるため、際限なく自分の世界を構築することができるはずです。一方、E3メディアブリーフィングで披露されたマルチプレイやPvP要素についてはこれから情報公開していく考えのようです。
『Project Spark』はXbox One、Xbox 360、Windowsをプラットフォームに開発中で、ベータテストの実施も決定。どんなゲームワールドやストーリーをクラフトするのか、今のうちからアイデアを膨らませておくのも悪くありません。