BBCがモリニュー氏の発言および海外での評価を通して問題として取り上げているのは、ゲーム内の通貨である「ジェム」がリアルマネーで購入出来るF2P要素。モバイル版『Dungeon Keeper』は、このジェムを使用してブーストしないとダンジョンを実際に作成するキャラクター「インプ」の動きが非常に遅く、例えば固い領域を掘るには4時間が必要になるなどのハンデが課されています。
このF2P要素を筆頭にモバイル版『Dugeon Keeper』はここ最近の人気作『Clash of Clans』と非常に良く似たスタイルを採用。スマートフォンゲーム愛好家なら慣れ親しんだものですが、悪魔的な声のナレーションが鳴り響く迷宮でインプをぶん殴ってキビキビと働かせていた1997年発売の元祖『Dungeon Keeper』とは大きくかけ離れています。
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モバイル版に関して「私は不意にこう言いたくなった、"こりゃ馬鹿げてる。私はダンジョンを作りたいんだ。掘削するブロックへ戻ってくるためにアラームを6日後にセットしたいわけじゃない"」とモリニュー氏。原作ファンからの批判を聞き及んでいるとも伝えた同氏は、「既存のファンが親しみやすいよう維持しつつ、多くのモバイル顧客に向けて十分に新鮮で理解しやすいバランスに仕上げきれているとは思えない」とBBCのインタビューにてコメントを残しています。
一方でBBCの取材を受けた販売元Electronic Artsの担当者は、「特に『Dungeon Keeper』は数分毎にチェックし1日を通してプレイするような典型的なモバイルゲームのプレイパターンに属するよう作りあげました。我々はこのプレイ方法にてファンが無料プレイヤーとして自然な進行を行えると理解しています」とコメント。「我々はプレイヤーがお金を支払たくなければ支払わずに済むようゲーム体験をデザインしたと確信していますよ」と伝えています。
現代のスマートフォンゲームとは切っても切れないFree-to-Play要素ですが、すでに多くの愛好家が居るような人気フランチャイズをF2P化する際には、そのタイトル名を冠する以上、既存の固定ファンも納得できるようなバランスや仕様が望まれるところです。