『VOXQUARTER』はJRPGとインタラクティブサウンドが融合した意欲作です。開発ブログやYoutubeでのPV公開など、情報公開も積極的に進められています。
最大のポイントはモンスターとのコマンドバトルに特化していること。JRPGなのに街もNPCもアイテムも買い物もダンジョン探索もパーティプレイもありません。ゲームは次々に登場するモンスターとバトルして、レベルアップすることだけに特化しています。
一方で、独自のコマンド選択システム「コマンドグラフ」を核としたバトルシステムがユニーク。各コマンドは網の目のように連結されており、マウスでコマンドが記された「オクスボール」を転がすようにして、コマンドを選んでいきます。
毎ターンごとに隣り合ったコマンドにしか移動できないため、「強攻撃や大防御はそれぞれ離れた場所にあるため、通常攻撃に比べて選択するリスクが高い」「炎魔法は強力だが、防御や回復が周囲にない」など、バトルシステムだけでハイリスク・ハイリターンを表現しています。現バージョンではコマンドは9個のみですが、戦略性を出すために総コマンド数は30~70個程度をめざしています。
コマンド入力がBGMと連動しており、選択したコマンドによってBGMがさまざまに変化する点もポイント。1ターンは4小節で構成されており、あるターンで選択されたコマンドが、次のターンで実行される仕組みです。これにより、バトルを進めながら音楽を演奏する感覚を演出しています。
BitSummitではiPhone版としてデモされましたが、ハードの選択はゲームに適した操作体系で決める予定とのこと。ゲームエンジンにUnity、サウンドミドルウェアにADX2LEが使用されており、両者が動くハードであれば、どれでも可能性があるそうです。
本作は『VOXQUEST』『VOXCHRONICLE』に続く第3弾で、過去2作はすでにApp Storeでフリーソフトとして公開済み。本作の公開は未定ですが、「少なくとも2014年中ではない」そうです。コアメンバーはゲームデザイン・プログラム・作曲担当の@geekdrums氏以下3名。じっくり時間をかけて、おもしろさと夢を詰め込みたいと語っていました。
グラフィックデザインも「インディ」を意識すると共に、ゲームを愛する人に強く届くようなテイストを心がけているそうです。一方でモンスターは『ドラゴンクエスト』『女神転生』などに影響を受けているとのことで、その和洋折衷ぶりが独特の世界観を醸し出しています。
目標は毎年3月にGDCで発表されるIGF(Independent Game Award)で、オーディオ賞をとること。日本発のインディゲームがIGFで受賞するか、今から目が離せません。
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
無免許ライターが大苦戦したマニュアル車ドライビングシムに、本物のMT免許所持者が挑戦だ!仇は僕が取るぞ!!
-
錬金術師として工房の完全自動化・店舗経営を進める協力プレイ対応シム『Alchemy Factory』が人気集める。中世ファンタジー世界で錬金マスター目指す【今週のインディー3選】
-
孤独な少年が行く“終末ロシア紀行”。サイバーパンクADV『Hail to the Rainbow』は、退廃した世界が美しい【プレイレポ】
-
2Dサバイバル『Forager』小さな島から土地を買って冒険世界を拡大!遊べば遊ぶほど高まる“効率化”が心地よい【クラフトサバイバル名鑑】
-
異変探しとテトリス、異色の融合!?『Glitchfall ~異変のある落ちものパズル~』【プレイレポ】
-
両さん借金地獄の可能性も…ある!?プロデューサー「とんでもない結末になることが」―カイロソフトとの合作『こち亀』新作ゲーム、ジャンフェス会場でさらに細かくチェックしてきた
-
“圧倒的に好評”の車改造ライフシムが正式リリース!カナダでメープルを売りつつ、車をイジってレースに出場―採れたて!本日のSteam注目ゲーム8選【2025年12月19日】
-
ゲーマーよ、インターネット上の“姿”を持て。バーチャルアバター活用のススメ【特集】
-
「本作を通し、現実の世界に対しても少し好奇心を持ってもらえたら」ローポリ3DアクションADV『Angeline Era』【開発者インタビュー】
-
最大6人で魚を売って借金返済目指すホラーサバイバル釣りゲー正式リリース!未知の存在潜む海で生き残れ―採れたて!本日のSteam注目ゲーム6選【2025年12月17日】









