
ソニーはヴァーチャルリアリティ・ヘッドセット「Project Morpheus」の試遊台を東京ゲームショウ2014のSCEブースに出展します。披露されたのは今年3月のGDC 2014から公開されてきたいくつかのデモにくわえ、「多次元スペシャルライブ」と名付けられたアニメーション映像も。今回は体験することができた「Project Morpheus」の世界や使用感をあらためてここでお伝えします。
会場では個室型の試遊ブースが8つも用意されており、それぞれの部屋では「Project Morpheus」とスタッフが1名ずつ待ち受けています。まず体感したのが、今回TGS 2014向けに製作されたという「多次元スペシャルライブ」と銘打たれた新作3Dアニメーション映像。アイドルグループ「AKB 48」を題材にしたSFアニメ「AKB0048」と、2005年に放送されたロボットアニメ「創聖のアクエリオン」のコラボ作品です。監修は河森正治氏、プロデューサーは橋本トモサブロウ氏、ディレクターは佐々木達朗氏。制作はサテライトにヒストリアが協力。試遊者は「AKB0048」の新メンバーという設定で、彼女たちが踊る様子や巨大ロボット同士の戦闘シーンを上下左右から視聴します。
Oculus RiftのDK1は何度も装着してきたもののProject Morpheusには触れる機会がなかった筆者ですが、まず最初に驚いたのが非常に美麗なグラフィックです。「Project Morpheus」の特徴の1つとなるのがフルHDを実現する5インチの液晶ディスプレイで、映像は非常に鮮明に映ります。過去にDK1を試遊したというユーザーは、美麗なグラフィックに思わず驚くはず(注: 現在リリース中の最新版Oculus Rift「DK2」はフルHDかつ有機ELのパネルを採用)。TGSへ初出展となったコラボアニメ映像は3Dアニメを見ているかのようなクオリティですが、頭を左に向けたり下に向けたりすると見渡すことが可能で、まさにアニメーションの世界に迷い込んだかのような没入感を味わうことが可能です。

このほか8つのブースではこのアニメ作品をくわえて「The Deep」、「The Castle」、「Street Luge」、さらにCCP Gamesの『EVE Valkely』と5種類の試遊デモが公開されています。筆者が触れたのは「The Deep」と『EVE Valkely』。前者は深海で探索中に巨大座目に襲われるインタラクティブムービーで、ほぼ360度を見渡せるほか、倒すことはできないもののPS4コントローラーを使用してサメに向かってフレア銃を撃つことができます。美しい深海の世界を臨場感たっぷりに味わう事が可能です。
また『EVE Valkely』はCCP Gamesの『EVE』と同じ世界観を採用したスペースコンバットシムで、PCにくわえPS4向けにリリース予定のマルチプレイヤー対応タイトルとなっています。出会い頭のあとの空中戦はかなり難易度が高いので、腕に自身のあるパイロットや難易度の高いデモをプレイしたいユーザーは挑戦してみるとよいでしょう。このほか残念ながらプレイはできなかったものの、『The Castle』も中世西洋を舞台にしたような戦闘シミュレーションとなっており、Moveを振り回してモーニングスターなどで戦闘訓練を行うことができます。よりプレイアビリティのある作品を求めるなら、後者の『EVE Valkely』と『The Castle』がオススメです。

特に海外では良い意味でも悪い意味でも話題となったバンダイナムコゲームズの「SUMMER LESSON」は出展の中止が先日発表されたばかりですが、それでも「Project Morpheus」を通して体験する次世代のVR世界は一見の価値あり。TGS 2014へと同じく出展されている「Oculus Rift」とともに、来場者はぜひチェックしてみてください。