そのような中、今回はクラシックなSRPGの出展作品を紹介しようと思います。SRPGといえば、国内では『ファイアーエムブレム』シリーズ、『スーパーロボット大戦』シリーズという二大老舗フランチャイズが引っ張っています。一方、海外ではまだまだ知られていないジャンルです。『Civilization』シリーズのような世界や国家規模のターンベース戦略ゲームは多く存在しますが、日本のSRPGのように物語やキャラクターに焦点が当てられることはまれです。
しかしながら、近年のインディーゲームには日本のSRPGの影響を受けた作品が少なからず登場しつつあります。例えば、Biowareのメンバーが開発した『The Banner Saga』は美しいアニメーションによってバイキングの戦争を描いております。巨大化した日本のゲーム産業の中では、扱われること少なくなったSRPGですが、インディーゲームの中で再評価されるかもしれません。
境界之詩
『境界之詩』は台湾のSheena3Dが開発するスマートフォン向けのSRPGです。80人以上のキャラクターから4人のユニットを選び、キャンペーンモードでマップをクリアしていくのがメインとなります。対人戦も実装される予定です。
ルールは非常にオーソドックスなターン制。4人のユニットを移動した後、攻撃やスキルを使用。全員の行動が終わると敵側のターンが始まります。地形には高低差の概念があり、高い位置から攻撃すると150%のダメージを与えることができます。また範囲攻撃は味方のユニットにも当たるといった特徴もあります。
マップ自体は小規模ですが、ユニットの種類やそのバックストーリーは非常に充実しています。台湾のイラストレーターが描くキャラクターは日本人好みなデザインであり、日本語へのローカライズも検討しているそうです。F2Pでのリリースを予定しており、いわゆるガチャでユニットをゲットするシステムになるようです。
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Light Apprentice
AMAZUはデンマークのデベロッパーです。グラフィックアーティストで漫画家のIgor Noronha氏が設立し、自身の作品『Light Apprentice』をリリースしてきました。今回はその『Light Apprentice』とその続編を展示しました。
『Light Apprentice』はコミックブックとゲームが一体化したiOS向きアプリです。タッチやスワイプで漫画を読み進め、選択肢を選び、モンスターとバトルを行います。バトルはシンプルなターン制バトル。タイミング良く画面をタッチしたりスワイプしたりして戦います。ゲームとしては単純な内容ですが、漫画のコマの中でキャラクターが動くのはとても新鮮でした。
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またIgor氏が描くキャラクターは日本の漫画と海外のカトゥーンが合わさったようなテイストです。日本のRPGが大好きだと語っており、日本語版のリリースも検討しています。本作は海外のApp Storeではすでにリリースされています。
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今回出展されたもうひとつの作品は『Light Apprentice』の続編です。コミックブックのアプリとはうって変わって、こちらはターン制のSRPGとなっています。移動、攻撃、スキル、アイテムなどすべての行動にダイスが使用されるボードゲーム仕立てになっています。前作で登場したキャラクターがユニットとして操作でき、コミカルなモーションは漫画の世界観をうまく表現していました。
Romans In My Carpet!&RAVENMARK
最後に紹介したいのはインディーゲームコーナーではなく、アジアニュースターズコーナーで展示を行っていたシンガポールのWitching Hour Studiosです。デビュー作であるスマートフォン向け大作SRPG『RAVENMARK』シリーズの大ファンである筆者は、偶然このコーナーで彼らを見つけて大喜びしてしまいました。
展示作品は『Romans In My Carpet!』というスマートフォン向けのキュートなドット絵のターンベースストラテジーです。プレイヤーはユニットに移動、追撃、スキルといったコマンドを出し、敵軍を滅ぼします。最大の特徴は敵味方が同時に行動を開始する点。ユニットのコマンドを決定すると、イニシアティブというステータスの高いユニットから順に行動が始まります。そのため、攻撃しようと思った対象が先に移動していたり、自分のユニットで進路をふさいでしまったり、想定外のことが発生します。
実はこのゲームシステムは前作の『RAVENMARK』シリーズとほぼ同じものです。『RAVENMARK』はハイファンタジーな世界観とハードなストーリーを持つ骨太のSRPGだったのに対して、『Romans In My Carpet!』はそのカジュアルバージョンと言えます。『RAVENMARK』は非常に丁寧な作り込みであったのにもかかわらず、ビジネス的には成功したとは言いがたく、今回の『Romans In My Carpet!』では自ら「ガワ変え」で最挑戦を行っています。前作の大ファンであった筆者としては少々複雑な気持ちですが、『Romans In My Carpet!』が売れることで『RAVENMARK』シリーズの続編が作られることを期待しております。
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