今回ハッキングにて電子ネットワーク上で窃盗されたとされている知的財産は、Xbox OneとXbox LIVE関連のソフトウェアおよびデータ、『Call of Duty: Modern Warfare 3』や『Gears of War 3』といった有名ゲームタイトル、また軍用のヘリコプターパイロット訓練ソフトウェアなど。同国の司法省は4人を2014年3月28日に逮捕し、うち2人が今回の発表の当日に犯行を認めたと伝えています。
裁判所における資料によれば、4人のメンバーはそれぞれ20歳、28歳、22歳、18歳の米国およびカナダに住む人物です。2011年1月から2014年3月にかけてMicrosoft、Epic Games、Valve、Zombie Studios、米陸軍のコンピューターネットワークへ侵入し、リリースされていないソフトウェアやソースコード、取引上の機密、著作権法で保護されたリリース前の作品、企業秘密を不正に入手しました。セキュリティ上の不備を突くSQLインジェクションや、従業員およびパートナー企業のユーザーネームやパスワードを入手し、ネットワークへの侵入を成功させてきたようです。
なおメンバーたちは企業や一部従業員に関連する財政やセンシティブな情報を持ちだしたものの、顧客に関する情報は含まれていなかったことが米国の司法省によって明言されています。
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司法省刑事課のLeslie R. Caldwell司令次官補は、メンバーらが米軍のアパッチヘリコプター訓練ソフトウェアから世界中で数百万人を楽しませているXboxゲームまでを標的にし、取り引きの極秘データを盗みだしてきたとコメント。「米国の経済は革新によって推し進められている。だが米国の革新に価値があるのは、それが保護できるものである時だけだ。国内からのハッキングであろうと海外からであろうと、本日の有罪答弁により我々が米国の知的財産をハッカーから保護できることが証明された」と伝えています。
またデルウェア地区のCharles M. Oberly III連邦検事は、「エレクトロニクスにおける破壊行為やコンピューターネットワークへの侵入、デジタル上でのアイデンティティと知的財産権の略奪があまりにも一般化している。これらは無害の犯罪ではなく、罪を犯しても我々の手がおよばないと考えるべきではない」とコメントしました。
すでに犯行を認めた2人のメンバーには2015年1月13日に判決が下される予定とのこと。司法省はこの内の1人であるカナダ在住のメンバーを挙げ、外国に住む個人が米国企業へのハッキング行為で有罪判決を受ける初の例になるだろうと自信を見せています。
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2011年には『Modern Warfare 3』と『Gears of War 3』が発売前に流出したのではないかと大きな注目を集め、後者においてはMicrosoftが法的措置を取ることを明らかにしていました。発売前のゲームがインターネット上でやりとりされてしまう事件が定期的に起きていた中、イタチごっこの可能性を考慮しつつも、今回その経路の1つが無事潰されたようです。