『DayZ』や『Kerbal Space Program』、『Prison Architect』など多数のタイトルで採用されている早期アクセス。Walker氏は、2013年の3月に開始された早期アクセス9タイトルの中、正式リリースに至ったのは3タイトルで、2013年を通して開始された早期アクセス103タイトルのうち、完成したのは43タイトルとの調査結果を報告しています。また、2014年までに開始された早期アクセスは358タイトルに上り、そのうち91タイトル、約25%がフルリリースへと到達しています。最新の正式リリース率のデータは早期アクセスを開始したばかりのタイトルも含まれていることに注意が必要です。
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早期アクセス中のタイトル『DayZ』
また、近年Steamにおける配信タイトルは増加傾向にあり、2013年に配信された583タイトルから大幅に増え、2014年は現在までに1303タイトル(127%増)が配信されています。その中で早期アクセスも2013年の103タイトルから2014年は255タイトル(147%増)と配信タイトル数に比例して増加しています。
Walker氏は、早期アクセスに多くのメリットがあり、机上の理論では開発者がフィードバックを得ることができるなど、Win-Winの関係を持っているとしながらも、いくつかのリスクを指摘しています。同氏は、早期アクセスが原理的には大手パブリッシャーによるシーズンパス販売、Kickstarterでのクラウドファンディングと似ていると分析し、最も大きな違いは、大半のタイトルが「リリース予定日」を持っていないことだと説明しています。
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早期アクセス中のタイトル『Rust』
同氏は「リリース予定日」の欠如によって、開発は無期限に続き、その結果完成まで至らないタイトルの増加を招いていると指摘。今まで早期アクセスが類似のビジネスモデルのように、負の注目を浴びていませんが、これからも開発に長い時間を費やす状況が続けば、消費者にとって問題となるかどうかがわかるだろうと語っています。