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東京ゲームショウ 2015の開催期間中に行われた、インディーゲーム開発者向けイベント「INDIE STREAM FES 2015」。国内外で活躍するインディーゲーム開発者が集結し、センセーショナルなセッションを行ったり、クリエイター同士で刺激し合ったり、インディーゲーム・ゲームエンジン・ミドルウェアが出展されたりと、インディーゲーム業界の明日を展望できる空間となっていました。今回は同イベントの潜入レポートをお届けします。
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イベントのおみやげにSteam公式グッズを購入する業界人も。
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会場入り口では、期待のインディーゲームが多数出展されていた。
同イベント会場には250人にも及ぶ業界人が押し寄せ、アルコールを飲んだり、出展されたゲームで遊んだり、デジカの物販コーナーでSteam公式グッズを漁ったり、登壇者のセッションに耳を傾けたりと、参加者は和気藹々としながらパーティー感覚でイベントを楽しんでいるようでした。
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バイオレンスリズムゲーム『Thumper』が「INDIE STREAM FES 2015 AWARD」3部門を獲得!
まずは、インディーゲーム開発者が審査員を務め、今年の優秀作品を決める「INDIE STREAM FES 2015 AWARD」が発表。今年のBEST OF INDIE STREAMを受賞したのは、Drool開発のバイオレンスリズムゲーム『Thumper』です。同作は、BEST OF SOUND部門、BEST OF TECHNICAL ARTS部門でも受賞しており、クリエイター達の熱い視線を集める事になりました。なお、こちらのページでは、「INDIE STREAM FES 2015 AWARD」の受賞内容から審査員のコメントまでの詳細が見られます。
会場にいたSCEの吉田修平氏に今年のインディーゲーム業界について伺いましたが、「TGS 2015のインディーブースに訪れる機会があったのですが、昨年と比べて全体的にクオリティが上がっている印象を受けました。」と業界全体が年々成長・活性化しているという意見をいただきました。
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中国もインディーゲームの可能性に注目しているようだ。
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日本マイクロソフトはインディーゲーム開発者に向けて手厚いサポートを約束。
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エピック・ゲームズ・ジャパンのセッションでは、五十嵐孝司氏が『Bloodstained』でUnreal Engine 4を選んだ理由について語った。
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世界のギャルゲーマーに伝説級ビジュアルノベルをお届け!
「INDIE STREAM FES 2015」で一番盛り上がったのが、2分間の制限時間内でセッションを行わなければいけないイベント「ライトニングトーク」。インディーゲーム業界に身を置く登壇者が自分達の作品をスピーティーに説明したり、百聞は一見にしかずということでゲームの映像を見せたりと、冷や汗を掻きながら懸命にセッションに挑んでいました。また、デジカのゲームパブリッシングマネージャー今井晋氏によるセッションでは、恋愛アドベンチャーゲーム『マヴラヴ』のローカライズ出資を募るKickstarterキャンペーンを開始したとの電撃発表もあり、どれも目が離せませんでした。
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日本のインディーゲーム業界の今を描いたドキュメンタリー「Branching Paths」
最後に、AssemblageのAnne Ferrero(アン・フェレロ)氏が登壇し、日本のインディーゲーム業界の今を描いたドキュメンタリー作品「Branching Paths(ブランチング・パス)」を発表。同氏は、インディーデベロッパーを応援するために、2年間にわたって日本のインディーゲーム業界を取材し、ディレクターとしてドキュメンタリー作品を制作してきました。また、同氏は「インディーゲーム制作は楽しくもあり、自己表現の一種でもあります。この作品を観て、孤軍奮闘で頑張るインディーデベロッパーはもちろんのこと、インディーゲームを作りたいけど、まだ一歩足を踏み出せない人にも勇気を出してもらいたいです。」とコメントしており、インディーゲームを愛してやまない一人である事が覗えます。
「Branching Paths(ブランチング・パス)」は、2016年1月リリース予定。英語・フランス語・日本語に対応予定ですが、今後さらに対応言語を増やしていくとのことです。
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喧騒と熱気に包まれた「INDIE STREAM FES 2015」に参加して、インディーゲーム開発者と会話をしたり、登壇者のセッションを聞いたりしている内に、筆者も感化され「自分も何かを作り出したい」という気持ちに駆られてしまいました。今後も大いに注目されているインディーゲーム市場、既存のインディーデベロッパーの最新作にも目を向けつつも、今回のイベントでクリエイティビティを刺激された、まだ見ぬクリエイター達の作品にも期待したいところです。