Steamリンクは家庭内ネットワークを利用して、Steamで購入したゲームをPCからリビングのテレビへストリーミングするための機器となります。高価格でリビングでの据え置き機的な使い方が想定されている「Steam Machines」と異なり、49.99ドルと安価なSteamリンクは、PC/Mac/Linux版Steamクライアントに備わっている「Steamホームストリーミング」機能のためだけの専用端末です。
■開封の儀
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パッケージはSteamコントローラと同じデザインになっています
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パッケージ裏
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箱を開けた状態。最上面にSteamリンク本体が
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本体の下に収納されている箱にはケーブル類が入っています
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ACアダプタと各国のコンセント規格用のアタッチメント、HDMIケーブル(長さ約1.8m)、イーサネットケーブル(長さ約1.6m)
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本体正面
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横側にUSB2.0ポートが1つ
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背面にはAC用ポート、USB2.0ポート×2、Ethernetポート、HDMIポート
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底面は滑り止めの素材が使用されています
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PS VIta TVとのサイズ比較
■ハードウェア仕様
解像度とフレームレートは上限1080p/60fps、有線100 Mbit/s ファーストイーサーネットと無線802.11ac 2x2 (MIMO) ネットワーク機能内蔵、Bluetooth 4.0(ヘッドセットなどペアリング可能)、SteamコントローラとXbox One あるいは360有線コントローラ、Windows 用 Xbox 360 無線コントローラ、Logitech 無線ゲームパッドF710あるいはキーボードとマウスに対応 。「内蔵無線 Steam コントローラペアリング機能」と記載があるものの、現段階ではコントローラ受信機をUSBポートに挿してのペアリングしかできないようです。
■セットアップ
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今回のSteamリンクを使用する環境は、母艦PCとしてBoot CampでWindows 8.1環境にしたiMac 27-inch Late 2012(CPU:3.2GHz Intel Core i5、メモリ:8GB 1600MHz DDR3、GPU:Nvidia GeForce GTX680MX 2GB GDDR5)、テレビはゲームモードを搭載しているToshiba 39L1350U(39インチFHD)。ホームネットワークは、米ケーブルインターネット大手Comcastの一般的なホームゲートウェイに有線にて接続。
Steamリンクは高速Wifi規格の802.11acに対応していますが、公式ストアの記載によると有線ネットワークを強く推奨するとのことなので、母艦PCとゲートウェイがある部屋から10mの長さのイーサネットケーブルを引っ張ってリビングへ。
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Steamリンクをテレビとネットワークに繋ぎ、ACアダプタをコンセントにさすと、自動で電源が入りゲームパッドかマウス&キーボードを接続するように指示が出ます。ここで気づいたのですが、Steamリンクには電源ボタンが見当たりません。ゲームパッドのホームボタンなどで電源をいれる仕様だと思うのですが、説明書にも何も記載はありませんでした。
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本体のUSBポートにSteamコントローラの受信機を挿入。前回の記事で説明し忘れていましたが、SteamコントローラはXbox 360/Oneコントローラと同様に電池を入れてない状態でも、USBケーブルで接続することによりPCやSteamリンクに有線コントローラーとして認識させることが可能です。
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ゲームパッドを接続すると、まず言語設定の画面に。日本語もちゃんと用意されています。
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言語設定が終わると、次は接続する母艦PCの選択画面に。これは自動でホームネットワークからSteamクライアントが起動してるPCを見つけてくれます。
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PCを選択すると、母艦PC側に4桁のPINを入力するように指示が出ます。登録時の一度きりの作業とはいえ、PCとリビングが離れている場合は部屋を行ったり来たりと大変です。
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入力が終わると母艦PCに接続され、自動的に「Big Picture」モード画面がテレビにストリーミングされます。「Big Picture」での操作は、ストリーミング画面ですのでPC版と全く一緒です。
■いざゲームをプレイ。気になる遅延は?
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素早い操作が必要となるゲームをチョイスしてレッツプレイ。PCに高いスペックを必要としない『Counter-Strike: Global Offensive』と高いスペックを必要とする『Call of Duty: Advanced Warfare』、フレーム単位の判断が必要となる格闘ゲームとして『The King of Fighters XIII』と『インジャスティス:神々の激突』、弾幕シューティング『Crimson Clover World Ignition』、それと個人的に長年プレイし続けている『バイオハザード5』をSteamリンクを通してリビングのテレビでプレイしてみました。ストリーミングは「バランス」設定にし、操作にはSteamコントローラを無線環境で使用。
ゲームプレイの遅延に関してですが、結論からいうと、どのタイトルをプレイしてもストリーミングでゲームをしていることを忘れるほどのレベルとなっていました。ゲーム画面だけでなくボタン入力のレスポンスに関しても遅延を全く感じることがなく本当に驚かされます。これは高スペックを要するゲームでも変わりはありませんでした。
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これまで、同じホームネットワーク環境でPS4からPS Vita TVでのリモートプレイや、Xbox Oneから有線LANでつながったノートPCでのストリーミングプレイは体験してきました。両方ともかなりの低遅延で普通にゲームはプレイできるのですが、FPSではコントローラの入力レスポンスがやや悪く感じ、格闘ゲームにおいてはそれが顕著でした。また、ノートPCをHDMIでテレビに接続し、Steamホームストリーミング機能でプレイしたこともありましたが、同様の感想でした。
Steamリンクは、Steamホームストリーミング専用端末だけあり別次元のレベルと言えるほどの低遅延を実現しています。普通にPCを前にプレイしているのと全く同じ感覚でプレイできるのには脱帽です。さらに、有線接続の場合であれば常時1080p/60fpsを実現できており、他のストリーミングに見られる解像度の低下は見られませんでした。母艦PCからHDMIケーブルで直接テレビにつないでゲームをやっているのと同じ感覚だといっても過言ではありません。
■現段階での唯一の欠点
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しかし、1つだけ気になる点がありました。現在のSteamリンクは映像の低遅延とボタン入力のレスポンスを最優先にししたストリーミングを行っているのか、サウンドだけが僅かながら遅延してしまっていることです。体感的には2、3フレームほどだと思いますが、映像に対して音が遅れているのが確認できます。これは普通のアクションやRPGをプレイしている分にはさほど気にならないレベルではありますが、格闘ゲームでは非常に耳に付いてしまいました。
検証として、SteamリンクをWiFiでホームゲートウェイに接続してプレイしてみたところ、解像度の低下はやや発生するものの映像の遅延は有線時とほぼ変わりませんでしたが、サウンドは遅延が増したほか、音が割れたりぶつ切りになったりと明らかに悪くなっていました。逆に言えば、Steamリンクを自分の環境にあったカスタムネットワーク設定にしたり、高速のホームネットワーク環境さえ構築できれば、サウンドの遅延は抑えられそうです。また、将来的なファームウェアアップデートにより改善する可能性もありそうです。
■Steamリンクに対応した周辺機器
Steamリンクは、同社製のSteamコントローラの他に、Xbox 360/Oneコントローラ、PCのようにマウス&キーボードも使用が可能です。ならばと、公式にアナウンスされていないアーケードスティックや、PCではゲームパッドとして使える「DUALSHOCK 4」などが使用できるか試してみました。
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まず、Xbox360用アーケードスティック「Real Arcade Pro. EX(ホリ製)」をUSB接続。Xbox 360コントローラが対応していることから無難に接続できるかと思いきや、ホームボタン以外が認識されませんでした。Real Arcade Pro. EXでできるのはSteamリンクの電源をオンにすることだけです。(オフにはできません)
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DUALSHOCK 4ですが、こちらはUSB接続してもコントローラとして認識されず、Bluetoothの設定画面にも現れてくれませんでした。ダメ元でEVO2015での採用も検討されたコントローラ変換アダプタ「Titan One」を使用して接続してみても、やはり認識されませんでした。
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公式にアナウンスがあるPC用の「Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプター」は問題なく接続でき、無線のXbox 360コントローラで操作できました。10月27日にはXbox OneコントローラをPCで無線で使うための「Microsoft Xbox Wireless Adapter for Windows」が北米で発売されるので、Steamリンクへの対応も期待できそうです。
■リビングにPCゲームがやってきた日
これまで、PCゲームは基本的にパソコンデスクの前でプレイするものでしたが(ゲーミングノートは違いますが)、Steam MachinesやSteamリンクの登場によりリビングに進出しました。今後、リビングで家族や友人と一緒にプレイできるようなPC向けタイトルが増える動きが新たに生まれてくるのかもしれません。このValveからの新たな提案が、PCゲーム業界にどのような動きをもたらすのか注目されます。
「Steamリンク」と「Steamコントローラ」は、米国で11月10日に各49.99ドルで一般発売予定となっています。