今回はオープニングに続くチュートリアルおよび、中盤の2つのミッションを触ることができました。早速、何人もの兵士を犠牲にしながらも戦ってきましたのでレポートします。おさらいとしてゲームの詳細はこちらから。
■XCOMの敗北から20年
未知の脅威に対抗するため世界各国が共同で創設した特務機関「XCOM」。しかし、強大なエイリアンの襲来により彼らは破れ、支配の下での平和を選択します。それから20年……。一見平和裏に運営されている世界で進む陰謀に対し、エイリアンの支配から逃れるため、レジスタンスとなったXCOMが再び立ち上がります。
『XCOM2』のオープニングで描かれるのは、エイリアンの統治によって平和で、清潔で、秩序がある世界。小説『1984年』の「ビッグ・ブラザー」を彷彿させるような、薄気味悪さを感じさせる世界です。プレイヤーはXCOMのコマンダー(司令官)となって、世界各地にレジスタンスとして点在する仲間と協力しながら、この支配の打破を目指します。
■指揮官の本分
オープニングからの流れで、チュートリアルのような形で戦術パートが展開されます。最初は手取り足取り、指示を受けながらプレイ。基本的なゲームプレイは前作を踏襲していますが、新しい要素の、敵に見つかっていない「潜伏状態」や、敵の動きに反応して攻撃を加える「監視状態」といったステータスもチュートリアルで体験できました。
戦術パートはターンベースのアクションストラテジーゲームです。フィールドにマス目が敷かれ、その中でキャラクターを動かしていきます。特定のポイントで敵が出現し、それを倒しながら目的の場所に向かいます。行動は各キャラクター、2回ずつ。移動+移動でも、移動+攻撃でも、装填+攻撃でもOK。ただし、攻撃してしまうとそのキャラクターのターンは終了です。味方が全員行動を終えると敵のターンに。「潜伏状態」でまだ見つかっていなければ敵のターンはありません。敵のターンが終了すると味方のターンに戻ります。
チェスの駒を進めていくように、どの場所に、どのキャラクターを置いていくかが非常に重要で頭を悩ませます。典型的なフィールドには色々な遮蔽物が用意されていますので、それを使いながら、敵から身を隠しながら接近、攻撃を加えます。キャラクターによって能力や武器が異なりますので、強い敵には強いキャラクターで、弱い敵には弱いキャラクターで効率的に攻撃するのが基本でしょうか。攻撃可能範囲にあっても、味方と敵の関係(高い遮蔽物がある、など)で命中率が左右されますので、敵のターンになって攻撃を受けるのも配慮しながら、攻撃を加えやすいポジション取りも考える必要があります。
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本作において人命は致命的に貴重ですので、死なないように戦うのが前提ですが、今いるキャラクターの能力、手持ちのターン数(味方の数×2)、敵の残り体力、といった様々な要素を頭で巡らしながら、最適な手を選択していく。この思考が何とも楽しい瞬間なゲームです。下手な筆者ですが、棋士にでもなった心境で遊んでいました。
■今回は移動式要塞「アベンジャー」
戦いに挑む前には準備が必要です。その拠点となるのが「アベンジャー」です。といってもXCOMはエイリアンから逃れているレジスタンス。拠点も移動式で、「アベンジャー」は空中要塞となっています。世界各地を移動しながら、各地のレジスタンスと協力し、様々な地域でミッションに挑み、エイリアンたちが進める謎の計画の正体を暴いていきます。
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「アベンジャー」には様々な機能があります。兵士をリクルーティングし育てる。武器を強化する。様々な作戦を会得する。これらにはミッションで得られる資源が必要です。また、ミッションで得られたエイリアンの手がかりを研究する部屋もあり、研究者をアサインすることでエイリアンのテクノロジーや、彼らの目的に迫っていくことができます。「アベンジャー」の中には未完成の部分もあり、ここにも工員をアサインして建設を進めることができます。
ミッションで得られた資源で兵士を強化(昇進)し、またミッションに挑んでいくのが基本のループとなります。その途中で、ミッションで得られるエイリアンの手がかりを研究し、エイリアンの計画に迫ります。ちなみにミッションで死んだ兵士は追悼所でメモリアルを見ることができます。死んだ兵士は永遠に失われ、蘇ることはありません。再び新兵をリクルーティングし、一から育てなくてはなりません。
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■高難易度に悪戦苦闘
兵士や武器の強化が終わったところでもう1つのミッションに挑戦してみました。
「アドヴェントの秘密基地」(ちなみにアドヴェントとはエイリアンが地球に樹立した政府の呼称)は、基地を探索し、最深部にある謎の小瓶を持ち帰るというミッション。「ゲリラ戦訓練施設」で一緒にミッションに行けるメンバーを増やして、5人で挑戦。チュートリアルから順調に進んできた筆者、調子に乗ってNormalの難易度で戦ってみました。
しかし敢え無く撃沈。このミッションではやっかいな敵が出現。巨大なヘビのような体を巻きつけ、兵士を拘束。さらに強力な攻撃にビビった味方兵士がパニック状態に。意味不明に走り回り銃を乱射。もちろん敵には当たりません。犠牲を払いながらそれでも何とか先に進みますが、何回目かの敵との遭遇で力尽きてしまいました。
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Firaxs担当者のアドバイスを受け、今度は強力なアーマーを装備して挑むことに(そんな凄いのがあるなら最初から言ってよ...)。敵の出現ポイントも学習し、慎重に進んでいきます。アーマーを装備したキャラクターに前に行かせて盾になってもらいます。巻き付かれるとやっかいな敵も優先的に攻撃し倒していきます。そして何とか最深部にある小瓶をゲット。「アベンジャー」に持ち帰って研究者に調査させなくては。後は外に設けられた脱出ポイントに行くだけ。……と思ったら最後にまた敵の一群が襲来。苦戦しながら、体力を相当削られ、しかも2人だけになっていた我らチームは再び敗北してしまうのです。
「ふーっ」コーヒーを飲みながら遊んでいた筆者。頭を巡らせます。さて、一連のプレイをどう改善したらミッションを達成できるのか。陣取りは適切だったのか、敵を倒す順番は間違えていないのか。コマンダー(指揮官)であるプレイヤーの本分はここにあります。本来であればもっとチームを鍛えて挑むのが筋なのでしょうが、試遊の時間は限られる……。「そうだ!」筆者はメニューを開き、難易度をEasyに変え、そして勝利を収めたのでした。
ゲームはいつでも保存したポイントから再開できるので、何度もチャレンジできるのでした(難度も豊富に用意されています)。
昨今ストラテジーというジャンルではスマートフォンを含めて様々な作品が登場していますが、『XCOM2』を遊び、AAA(トリプルエー)のストラテジーの魅力を再確認しました。
映像や美麗なグラフィックで描かれたキャラクターは、キャラクターを単なる盤面の駒以上の存在として感じさせ、細部まで練りこまれた物語や設定はゲームの世界に向かう気持ちを高めるのに十分です。そこに深い思考と戦略が求められるストラテジーのゲームプレイがあることで、思わず過ぎる時間を忘れさせる体験となりました。足りない頭をフル回転させて戦い方を練るコマンダー(指揮官)の仕事に没頭することができました。
前述の通り、かなり難易度の高いミッションもあり、プロシージャル(自動生成)による豊富なバリエーション、さらにMODのサポートもあり、いつまでも遊べそうな本作。来年2月は『XCOM2』のために開けておいた方が良さそうです。
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