PCGamesNは同社の運用するレビュー収集サイト「BetterCritics」のための調査を続けていたところ、5ドルから案件を発注できるクラウドソーシングサービス「Fiverr」で出回っている「Steamレビュー代行」案件を発見。実態を調べるため、自ら「Steam販売作品をレビューしてくれませんか?アクティベートキーはメールで送ります」と架空の案件を「Fiverr」で発注しました。

調査を担当したPhil Iwaniuk氏は、案件のやりとりが進行したユーザーに向けて「“おすすめ(Positive)”に入れてくれますか?」と質問。「もちろん。ゲームの良いところ/悪いところを引き合いに出してレビューするけど、基本的には“おすすめ”に入れることを保証します」「ええ、いつものように“おすすめ”のレビューを書きますし、ゲームについてポジティブに言及しますよ」「言葉にはできないが、まあその予定です」などといった返事が届いたとのことです。
Iwaniuk氏は続けて、おすすめ評価に前向きの返答をしたSteamユーザーが過去に投稿したレビューから、「レビュー代行の疑いがあるゲームタイトル」をリストアップしています。
- AdvertCity
- Apocalypse Hotel
- Areeb World
- Blood of Magic
- Cat Simulator
- Centauri Sector
- Counter-Strike: Global Offensive
- D3DGear
- Egyptian Senet
- Epic Character Generator
- Epic Showdown
- Garfield Kart
- Gods Vs Humans
- Home Design 3D
- Hospital Manager
- Moto Racer Collection
- Nostradamus: The Last Prophecy
- Prehistorik
- Shiplord
- Super Hexagon
『Shiplord』開発元Just1337 Studioは、「レビューにお金を支払ったことはありません。YouTuberやフォーラム利用者、FacebookユーザーにSteamキーを贈ったことがあります」と返答。『Centauri Sector』開発者は「Fiverr」利用経験があると認めたものの、あくまで「テキストやゲームに必要な翻訳作業」を目的としたものであると語ったとのことです。
Iwaniuk氏は、一部の「架空の代行を請け負おうとしたFiverrユーザー」に対して、「私が発注したSteamレビュー代行に違和感を覚えているか」との質問を投げかけます。とあるユーザーは「誤解もなければ、道義に反しているとも思っていない」と語りながら、代行レビューについて「“おすすめ”として投稿することによって、ゲームを買うユーザーだって満足感が得られるでしょう」ともコメント。別のユーザーからは「必要ならば.docファイル形式でレビューを送りましょう。あなたのゲームが収める成功を邪魔したくありませんから」といった返答も寄せられたのとのことです。
国内外で注目度が高まりつつある「Steamレビュー代行」の影。今回の調査報告が事実であるなら、Steamの利用規約にも違反する行為になります。レビュー機能はゲーム購入を検討するユーザーにとってひとつの指針となり得ますが、モラルある正しい作品の評価を維持するために、運営元のValve側で何らかの取り締まりの動きが求められるところです。