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米サンフランシスコで開催されているGDC会場にて、PS VR開発トップを務めるSCE伊藤雅康氏への2社合同インタビューが行われました。今回、PS VRは今後どうなっていくのか、そしてPlayStationのプラットフォーム戦略はどのように変わっていくのか伺ってきました。
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――先日PS VRの価格や発売時期が発表されましたが、発売までに残されている課題はあるのでしょうか。
伊藤雅康氏(以下伊藤):そうですね。ほとんどないのですが、まだ酔いやすいお客様がいらっしゃるので、なるべく酔いがなくなるようなゲームの作り方をしなければならないというのが残ってますね。
――それは酔いづらくなるような新しい技術を考えているということでしょうか。
伊藤:いや、技術というよりもデベロッパーさんと密に話をさせていただいて、こういうゲームの作りにしないといけないので変えてほしいと伝えたりとかが多いですね。
――ハードとして一番こだわった部分というのは何でしょうか。
伊藤:画面ですね。一番最初に発表したときは液晶からスタートしたのですが、最終的にはOLEDになってます。そこの部分が酔いにも関係してきますし、解像度を上げたいというのもありますので、一番こだわった部分になります。
――単純に解像度という面では競合機種のパネルより下になりますよね。
伊藤:単純に解像度の数字ではそうなのですが、ピクセル数ではPS VRの方が多いというのがあります。ちょっと配列を変えたりしているので。
――リフレッシュレートについては。
伊藤:そこはこだわりましたね。高ければ高いほど速い動きをしたときの追従性が上がり、酔わないので、90Hzだったらなんとか酔わないものを作れるのですが、それ以下では、いろいろ試した限りでは酔ってしまう人がけっこういたので、90Hzもしくは120Hzまでいけば大丈夫だろうというのがありました。
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――PSストアでダウンロード購入できるようなVRに特化した映像コンテンツは用意されるのでしょうか。
伊藤:計画はないのですが、そういう形のものは今後広げていきたいなと考えているところです。具体的にいつからやります、というのは今のところ予定はないですね。
――PS VRはtorneには対応するのでしょうか。
伊藤:シネマティックモードはPS4の画面を映しているものなので、シネマティックモードで見ることは可能です。
――HTC Viveのようにルームスケールで広い範囲で遊べるようにはならないのでしょうか。
伊藤:逆の発想だったのですが、あそこまで広範囲になると、欧米の家なら大丈夫かもしれませんが、日本では厳しいかなと思って、逆に狭いところでも遊べるようにするほうがいいかなという発想でした。広げるという発想は全くないですね。
――先日発表されたベーシックパックにはPS VRに必須となるカメラは同梱されませんが、カメラが同梱されたバンドル版は日本では発売されるのでしょうか。
伊藤氏:今の日本のPS4にはカメラバンドル版が出ていますが、欧米では地域によってバンドルがあったりなかったりと違いがあったので、今回も各地域によって、カメラをバンドルして売るというのも出てくると思いますし、ベーシックパックのみというのも出てくると思います。実際に持っておられるお客さんにとっては、カメラバンドルだけのものが出てくると持て余してしまったりもするので、今回はベーシックパックで発表を行いました。今後、各地域でどのようなバンドルにするかというのを考えていきます。
――PS VRはコンシューマーVRの1.0となるわけですが、次に気になる技術というのは何かありますか。
伊藤氏:ワイヤレス化は実現したいですね。今の技術だとちょっと難しいので先になるかもしれませんが。あとは、ARとつなげていければというところですかね。
――シネマティックモードでのPS4のメニュー画面についてですが、PS VR専用のUIはあるのでしょうか。
伊藤氏:カメラの画角範囲から外れたときにはワーニング(警告)が出るようになっています。
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――PS VRに限らず、VRは実際に体験しないとその良さがわからない分野であると思うのですが、すでに興味を持っているコアユーザーでなく、現在VRに興味を持っていない一般層へのプロモーションというのはどのように行う予定なのでしょうか。
伊藤:こればっかりは体験してもらわないと伝えられないんですよね。言葉でもそうですし、写真でも伝わらないし、まだVRという言葉は知っていてもどういうものかをわかってない方も多いと思います。ですので、いかにそういう人に体験してもらえるかというところがカギだと思っています。
――4月からSIEとして米国が本社になりますが、ハードウェアの設計などは変わってくるのでしょうか。
伊藤氏:それは変わらないですね。ハードウェアの設計は日本のままなので、特に変わることはないです。
――PS Vitaについて、日本では小学生から大人までプレイされていて盛り上がりを見せていますが、米国ではちょっと元気がないなという印象があります。今後のVitaのグローバル戦略はどのようになっていくのでしょうか。
伊藤氏:正直、欧米は予想よりも少ないのは間違いないです。日本は小学生まで幅広く広がってますので、小さいお子さんに向けた施策をうって盛り上げたいなというのはあります。
――PSPは約2年置きに新型が出ていましたが、PS Vitaの3世代目というのは近々出す予定はあるのでしょうか。
伊藤氏:そこはまだ何とも言えないですね。去年、新しい2000番台を出したばかりですし。
――最後の質問です。PS VRの発売時期が発表されましたが、VRの次の新しいゲーム体験であるとか新しいデバイスにすでに取り掛かっていたりはするのでしょうか。
伊藤氏:いえ、それはまだですね。VRを次のスタンダードとしていかにして持って行こうかとしているところですので、その次のデバイスというのはまったく取り掛かってないです。
――本日はありがとうございました。