
2016年4月7日にUbisoftより日本語版が発売された、PS4/Xbox One/AmazonPCダウンロード向けのオープンワールドFPSシリーズ最新作『Far Cry Primal(ファークライ プライマル)』。過去シリーズ作とは打って変わって斬新な舞台設定を用意した今作のプレイレポートをお送りします。
■今回のファークライは「石器時代」がテーマ!

『ファークライ』は、広大なオープンワールドで構築されているFPSアクション。世界を探索し、プレイヤー好みの戦術で敵と戦える、自由度の高いシリーズ作品です。過去シリーズ2作では、大自然に覆われた南国の孤島や、ヒマラヤ山脈に囲まれた架空の国など、“現代”を舞台としていましたが、今作『ファークライ プライマル』では、なんと「石器時代」がテーマ。紀元前1万年の世界で、プレイヤーは危険な動物や敵対部族、そして自然の脅威と戦うことになります。

- 【ストーリー】
紀元前1万年の中央ヨーロッパ、主人公タカールは同じウィンジャ族の生き残りを探し、オロスの地へとたどり着きます。オロスで様々な仲間と出会うと共に、動物を使役できる「ビーストマスター」の能力を手に入れたタカールはリーダーとなり、ウィンジャの村を守り発展させていく事を決意します。
■基本システムは前作から継承。自由にオロスの地を駆け回ろう

『ファークライ プライマル』の基本的なゲームプレイ要素は、『ファークライ3』や『ファークライ4』から受け継がれた作りになっています。広大なオープンワールドマップ上を探索し、動物を狩って皮を剥いだり素材を集めて道具を作るクラフト要素。キャンプ地やかがり火などの拠点を開放してファストトラベル。そして多彩なクエストの受注方法など、過去作と同じプレイフィールでゲームを進められました。

異なる点と言えば、主人公であるタカールの通常使用する武器が「弓」「棍棒」「槍」といった木と石で作られた原始的な武器であるということ。当然ながら銃火器や車両は一切登場しません。一見すると地味に感じられるかもしれませんが、石器時代という過酷な時代背景に合わせた「サバイバル感」は、シリーズ中でも特別引き立っていると感じられました。

タカールが初めから使えるハンターズビジョンは人物や素材をハイライト表示できます。その他、動物の匂いなども視覚化できるので便利。

フクロウを使って上空から偵察・敵をマーキングできます。スキルを上げるとフクロウ単体で敵に攻撃を仕掛けたり爆弾を落とせたりできるので、ステルス戦闘をしたい時に役立ちます。


マップに表示されている名前がついている生き残りのウィンジャ族を仲間にすると、様々な分野のスペシャリストとして村に貢献してくれます。タカールのスキルも、このスペシャリスト達の家を建造する事で使用可能になります。

敵対部族の拠点を制圧すると、ファストトラベル地点として利用できます。ウィンジャ族の領地になるので、仲間がその土地に住み人口も増えます。


人口が増えるといろいろボーナスも貰えます。最初は何もなかった土地に、家が建っていくのを見ると何だか嬉しいですね。

「テイクダウン」「デスフロムアバブ」などの見慣れた戦闘スキルもあれば、今回初めて見るスキルもあります。今回もレベルが上がれば、プレイヤーの好きなように振り分けられます。
■新要素「ビーストマスター」で動物を仲間にできる

『ファークライ プライマル』一番の目玉は、なんといっても「ビーストマスター」として野生の動物を仲間にできる事でしょう。調教した動物にもそれぞれ特徴があり、例えばホワイトウルフは「敵が近くにいるとうなり声でお知らせ」「マップ表示エリアが広がり、ミニマップの範囲が広がる」といった役立つ能力を持っています。他にも、戦闘に参加してくれたり、素材を集めてくれる動物、さらに大型の動物はビーストマスタースキルを上げていく事で騎乗も可能です。

肉をクラフトして作ったエサを地面に置き、あとは動物が食べている間に手なずけるコマンドを使えば簡単に仲間にする事ができます。イヌ科は狩り、ネコ科はステルス、クマなどの大形動物は戦闘に適しています。

撫でるコマンドで仲間にした動物をモフモフできます。愛着が沸いてしまい戦闘で倒れると悲しさ倍増になる諸刃の剣でもあります……。

美しい大自然の中、クマさんにまたがって旅するのも楽しいです。

タカールが仲間にできる動物は限られていますが、一度仲間にした動物はメニュー画面から自由に出し入れできます。戦闘中に倒れてしまってもロストする事はなく、一定時間経てば再度呼び出せます。
■今後のシリーズではぜひ規制なしバージョンもほしい

『ファークライ プライマル』国内版では、ゴア表現の高い残虐シーンや性的シーンが、CEROの基準により一部カットされています。主に内臓露出の表現、死体切断面、裸体描写など。とはいえ、プレイ中に表現規制が気になってプレイに支障をもたらすような事はなく、各シーンは違和感なくローカライズされていると感じました。『ファークライ』シリーズにおけるひとつの魅力でもある、「人間の持つ残虐性」を表現した最低限の演出だけはカットされないよう、今後も一人のプレイヤーとして望みたいところです。
■野生の本能にまかせたサバイバル感をオロスで味わってほしい

筆者は今まで『ファークライ』シリーズを多数プレイしてきたため、今作『ファークライ プライマル』も、プレイする前は正直「前作とあまりやる事は変わらなさそう」という勝手な既視感を持っていました。ところが実際にプレイしてみて、石器時代というコンセプトだけで、「こんなに新鮮にプレイできるんだ!」と感服しました。

斬新な時代設定を生かしたストーリーやゲームプレイ、オリジナルの言語を使用した会話表現など、ゲーム内の雰囲気は抜群。舞台であるオロスの美しく残酷な地に生きる人々の、素朴でありながら毎日を力強く生きている描写にしびれます。「馴染み深いけど新鮮」という不思議な魅力を持った『ファークライ プライマル』は、新規プレイヤーはもちろんの事、シリーズをプレイした事のある既存ファンも見逃さずにプレイしておくべき作品だと言えます。
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