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ニュージーランドのインディーデベロッパーDry Cactusが手掛けるPC向け橋建設シミュレーター『Poly Bridge』。本作は、木材や油圧システムなどのパーツを組み合わせて橋を作って、様々な車両を通行させていく物理系パズルゲームです。今回は、「このゲーム、面白そうだけど、物理系のパズルってなんだか難しそう……」と思っている人でもわかるように、物理学など一切知らない筆者が本作のプレイレポートをお届けします。
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ゲームの基本画面は、グリッド線が敷かれた図面のようになっています。ここで、プレイヤーは、限られた予算の中でパーツを組み合わせながら、走行車の重みに耐えられるような橋を作り上げる事になります。
まずは、「固定点」と呼ばれる赤色の四角から道路を設置して向こう岸まで繋げていきます。チュートリアルモードを体験していない筆者は、「よし、道路も繋げたし、これで橋は完成!」と勘違いをして、画面右上の「シミュレーション開始」ボタンを早速押してみました。
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すると、道路は跡形もなく川の藻屑に……。どうやら道路は、自分の重みに耐えられなかったみたいです。そこで、ステージ中央の固定点に支えを設置し、さらに道路を木材で補強してみました。
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これで立派な橋といえる外観になりましたが、結局、車両が橋の中央まで到達したところで崩壊してしまいました。しかし、前回よりは改善したみたいです。
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さらに、橋に加わる重みを分散させるために、木材のパーツを追加してみたところ、なんとかステージクリアを達成しました。どうやら、このゲームは、橋に加わる重みをどのようにして分散させるかが重要のようです。しかし、ここまでチュートリアルモードを体験していない筆者は、以下のような怪作を作り上げていきます。
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失敗作:タイトル「勇気の先にある期待感。そして、どうしようもない絶望感」
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意外と成功作:タイトル「反対側の人の事、考えてませんでした」
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失敗作:タイトル「だって、この川、船が通るんだもん……」
数時間以上、同じステージをクリアできずにいると、流石に苦痛に感じてしまうものですが、本作は、失敗を繰り返していく事も面白く感じるのです。考えに考え抜いて作り上げた橋が、シミュレーションで崩壊していく様子は、どこかシュールで笑ってしまいます。おそらく、「机上の空論」という言葉は、本作のために作られたものなのでしょう。
結局、筆者がチュートリアルモードを体験するのは、プレイ開始から6時間後になってしまいました……。(基本は本当に大事です!)
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ちなみに、正しい橋の作り方が学べるチュートリアルモードや、ゲームの知識が記載されたガイドは、しっかりと日本語化されています。特に、油圧システムの使い方は、若干複雑なので、これらを利用して仕組みを理解しておく方がいいでしょう。
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また、本作には、100以上のレベルが存在するキャンペーンモードのほかに、自分でステージを作成するクリエイトモードと、他のユーザーが手掛けた橋の意欲作や失敗作、芸術作品などが閲覧できるギャラリーモード(本作を購入しなくてもこちらで閲覧可能)が収録されており、さらに、Steamのワークショップ機能を利用して、他のユーザーが作成したステージをダウンロードする事も可能です。
公式トレイラーの意訳「ぶっちゃけ橋じゃなくても良いよ」
『Poly Bridge』は、試行錯誤を繰り返して、橋を作り上げていくのが楽しいゲームです。そのプレイ感覚は、頭を使ってパズルを解き明かすというより、サンドボックス型ゲームを遊んでいるようです。本作のステージクリアの条件は、車両をゴール地点まで行かせる事ですが、何もタイトル通りに橋を作る必要はありません。ステージクリアさえできれば、自分の思い描くままに、ぶっ飛んだモノを作ってもいいのです。
そんなアバウトな橋?作りが楽しめる『Poly Bridge』は、Windows/Macを対象に、Steamにて配信中。価格は、通常版が1,180円(税込)、本作のサウンドトラックを含んだ『Poly Bridge Deluxe Edition』が1,480円(税込)です。