【追憶ゲーマー】『モンスターハンター』(2004年)―ワイルド系紳士との出会い | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

【追憶ゲーマー】『モンスターハンター』(2004年)―ワイルド系紳士との出会い

『モンスターハンター』で出会った特殊なロープレイヤーの思い出を語ります。

家庭用ゲーム PlayStation 2

本当に夢中になったゲームの体験は、若かりし頃でも、たとえ幼少時代のことであっても、記憶に深く刻まれています。祖母とゲーム屋に並んだ発売日、一緒にプレイしたクラスメートの笑顔、家族に隠れてこっそり遊び続けた日々……。そうした当時の出来事も、まるで昨日のことのように鮮明に思い出せるものです。

本企画「追憶ゲーマー」では、そんなゲーマーの記憶に秘められた過去の“思い出話”を、Game*Sparkとインサイドのライターが連載形式でお届けしていきます。

今回は、2004年3月11日に発売されたシリーズ第一作目『モンスターハンター』です。

タイトル:『モンスターハンター(MONSTER HUNTER)』
機種:PlayStation 2
発売日:2004年3月11日
販売元/開発元:カプコン
ジャンル:ハンティングアクション
公式サイトhttp://www.capcom.co.jp/monsterhunter/1/


―「おっ、女の子可愛くないけど面白そう!」
ファンタジー世界の頂点捕食者と思われる巨大なドラゴンを相手に、ゴツゴツした重厚な鎧を身に付けた男が、100キロ以上ありそうな大剣を持って戦っている……ゲーム雑誌に載っていた『モンスターハンター』のダイナミックなビジュアルは、当時10代だった筆者を魅了しました。

さらに、本作にはオンラインマルチプレイモードが搭載されているという事もあり、ちょうど『FFXI』を引退していた筆者は、「これだ!」と思えるオンラインゲームに出会ったと感じたのです。正直なところ「女キャラをもうちょっと可愛くしてもらえないかなー」という不満を少しだけ抱えていましたが……。それでも購入に迷いはありませんでした。


―彼は、隻眼のリオレウスを見つけられたのだろうか
『モンスターハンター』を購入した筆者は、本作にシングルプレイモードがある事を忘れ、オンラインマルチプレイモードに没頭していました。そこでマッチングしたプレイヤーの中には、「ロールプレイ」を行う人がいたのです。

ロールプレイとは、プレイヤーが自分で作り上げたキャラクターを演じながら他人とコミュニケーションを取っていく行為ですが、ロールプレイを成立させるには、他者がその行為を受け入れなければなりません。その条件として、最低限のネチケットのほか、一貫したキャラクター設定が必要です。そして相手のロールプレイに対する理解も欠かせません。ただ、おおよそのロールプレイヤーは、ロールプレイを行う事に相手に了解を得る事はせず、相手もまた暗黙のうちに受け入れているものです。

しかし、例外も存在します。その方のハンドルネーム(仮名)を、ヴァンガード・マクスウェルさん(以下:ヴァンガードさん)としましょう。彼は、私がオンラインルームに入室した際、以下の言葉をチャット画面に打ち込んだのです。

    ヴァンガードさん「よぉ!よく来たな!お前を待っていたぜ!(乱暴な挨拶からすみません^^;今、私は、自信過剰が玉にキズだけど仲間想いで熱血漢の中堅ハンターというキャラ設定でプレイしています。もしかしたら、このキャラ設定でプレイしていくうちに、気を悪くされるかもしれません。その際は、私の方から謝らせていただきます!)」

筆者は、これまで様々なロールプレイヤーと出会ってきましたが、ここまでロールプレイを行う相手に気遣いをするプレイヤーは初めてです。ヴァンガードさんが演じたいはずのキャラクターの台詞より、()内の言葉の方が筆者に強烈な印象を残しているため、条件反射的に「あっ、ロールプレイの件、了解しました」と答えそうになりましたが、ここはストイックな彼に敬意を表し、()内の言葉を読んでいないかのように簡単な挨拶のみを交わしました。同時に入室した他のプレイヤーも同様でした。

    筆者「よろしくお願いします!」
    Aさん「よろしくー」
    Bさん「よろ^^」
    ヴァンガードさん「俺はヴァンガード・マクスウェル!今リオレウスを追っているところだ。あんたらは信用できそうだ。一緒に行かないか?(ご協力ありがとうございます!とりあえず、私が最初にクエストしてもいいですか?^^;次は、筆者さん、Aさん、Bさんでローテーションする形で!)」


挨拶を済ませた我々は、お互いリオレウスを狩るのが目的だったので、ひたすら同じクエストを受けていた記憶があります。クエスト中の事は、もうあまり覚えていないのですが、リオレウス討伐時にヴァンガードさんが「クソッ!……コイツも違う……隻眼のリオレウス……お前は一体どこに……(おつかれさまでした!今回もありがとうございます!)」と毎回決め台詞を言うのは印象的でした。おそらく、隻眼のリオレウスとの間に何か因縁があるのでしょう。仲間の中には、他人の過去に土足で踏み込むような真似をする無粋な人はいなかったので、結局彼に何があったのかは聞けずじまいでした。

ヴァンガード・マクスウェルさんと旅を共にしたのは、およそ2~3時間程度。本当に一期一会の出会いでしたが、今でもたまに思い出しては、乱暴なキャラクターの台詞と()内で綴られる紳士的な対応とのギャップに「フフッ」と笑ってしまうのです。
《真ゲマ》

『ドラゴンフォース』が一番好き 真ゲマ

吉田輝和の絵日記やトイレオブザイヤー、ギャグ漫画「ヴァンパイアハンター・トド丸」、洋ゲー漫画「メガロポリス・ノックダウン・リローデッド」など、これまでゲームメディア業界に影響を与える様々な企画を立ち上げてきました。他社メディアでも活動中なので、気軽にお仕事の依頼をお願いします。 ちなみに、ユウキレイ先生が手掛ける4コマ漫画「まほろば小町ハルヒノさん」(まんがタイムで連載中)で教師役として出演中です。

【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2017-07-31 14:53:20
    始めたての頃は何でもない採取クエストにリオレウスが出てきてホラーゲームかってぐらい怖かったんだが慣れてくると背中越しにでもなにしてるか分かっるようになって反復練習って凄いなって思った
    3 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-31 5:26:31
    この頃ならまだ回線ISDNとかだったから時間制限は必要だっただろうよ
    だが今は全く必要ないだろ とっとと完全撤廃しろ
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-31 5:16:43
    >>1
    ヤンクックまでしか倒せない俺でもPSPで人気になったって知ってるぞ
    1 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-31 4:41:39
    ロールプレイヤーに即興で合わせて乗っていくの好きだけど
    最近そのロールプレイしてる人を見なくなってちょっと寂しい
    8 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-31 0:30:29
    ゲームは楽しむものだよ!というのを再認識させてくれる良記事だと感じました
    ファ○通の初代モンハン発表の記事のページを何度も何度も読み返してそこだけしわくちゃになった懐かし思い出が蘇りました
    10 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-30 13:38:36
    モンハンじゃないけど最近ロールプレイする機会があって
    めっちゃ面白かったという事を伝えたい
    皆もやってみて
    9 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-30 12:42:46
    >>1は二学期までことあるごとにこのスレで叩かれたこと思い出してうああああってなってそう
    10 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-30 11:54:25
    「草」みたいな表現が身内の規則大好きな若年層にも広まったせいでプレイヤーがみんな斜に構えるようになっちゃったよね。あとはこういうおふざけを楽しむ余裕も無くなっちゃったし、分かってて騙されるってこと誰もやらなくなった。
    10 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2017-07-30 11:42:16
    荒削りだが未来を感じさせる初代
    前作をベースにゲーム性を強化させたG
    からのドス
    コンテンツを殺すいつものカプコン感すごかった
    Pがジワ売れしてくれて本当によかったと今でも思ってるよ
    8 Good
    返信
  • 2017-07-30 11:40:04
    >>24
    当時 ps2版は オンラインモードは KDDの担当だったから登録がわかりずらかったり ブローバンドユニットが機種によって付いてる付いてないから買わないといけなかったりで ちと敷居が高かったから仕方ないと思う。
    有料だったしね。
    8 Good
    返信
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

編集部おすすめの記事

特集

家庭用ゲーム アクセスランキング

  1. 『Ghost of Yōtei』主人公は女武芸者「篤」。鎖鎌など新武器やPS5ならではのポイントが公式サイト更新で明らかに

    『Ghost of Yōtei』主人公は女武芸者「篤」。鎖鎌など新武器やPS5ならではのポイントが公式サイト更新で明らかに

  2. ニンテンドースイッチ版『エルミナージュORIGINAL 闇の巫女と神々の指輪』は2025年夏発売予定。追加DLCなどによる「フェイスロード」機能も検討中

    ニンテンドースイッチ版『エルミナージュORIGINAL 闇の巫女と神々の指輪』は2025年夏発売予定。追加DLCなどによる「フェイスロード」機能も検討中

  3. 「スイッチ2」に立ちはだかる“転売対策”の困難さと、任天堂の“リスクをとって進める”対応

    「スイッチ2」に立ちはだかる“転売対策”の困難さと、任天堂の“リスクをとって進める”対応

  4. 「ニンテンドースイッチ2」“Joy-Conマウス説”に拍車がかかる!?Nintendo Today!アプリで気になる画像が浮上

  5. 新作控える『デジモンストーリー』や映画愛あふれる「ロボコップ」「悪魔のいけにえ」も!「PS Plus」フリープレイ4月度タイトル配信

  6. 「ニンテンドースイッチ2」のニンダイがいよいよ明日4月2日22時実施!放送時間は約60分の大ボリューム

  7. 『スト6』で『ジャス学』番長になりきれる!コラボファイティングパス「ジャスティス学園祭」が4月1日16時より配信

  8. 生地制圧!あん制圧!『真・三國無双 ORIGINS』肉まん作ってみた映像公開―Steam同接5万超えの“圧倒的に好評”ACTは1月20日にアプデも予定

  9. PS5システムソフトウェアのアプデ配信―アクティビティーの内容やペアレンタルコントロールの設定に変更

  10. 高評価ピクセルアートホラー『FAITH: The Unholy Trinity』完全日本語版がニンテンドースイッチで2025年8月7日発売

アクセスランキングをもっと見る

page top
シネマカフェ
ユーザー登録
ログイン
こんにちは、ゲストさん
Avatar
メディアメンバーシステム