――E3 2017からgamescom、そして今回のTGS 2017で多くのユーザーが触れられる機会となりましたが今のお気持ちを教えて下さい
河野氏: そうですね。発表から日本の皆様に遊んでいただける機会を作るのに時間がかかってしまって、とは言ってもTGSのブースでしか出せていませんけれど、やっと日本のユーザーさんにナンバリングの「『7』をお披露目できる」という気持ちです。
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――ついに到達したという感じですか?
河野氏: そうですね。海外では試遊を展開してきたのですが、日本ではTGS以外ではなかなかお披露目の機会がないじゃないですか。前回はタイミングが早すぎるという事もあり、今回初めて、やっと遊んでいただけるというところで興奮もしていますし、心配もしています。
――ちなみにどの部分が心配なところですか?
河野氏: 10年ぶりのナンバリングできちんとした、ずーっと支えてくれたユーザーさんに「これが『7』として、正当なエースコンバットです」として出させていただくところです。優しくも厳しいユーザーさんの目から見て、「これが本当にナンバリングに値するのかどうか」を試遊台の所で判断してらっしゃると思います。少し試遊台を覗いてきたのですが、顔はモニターを見ているため表情はわかりませんが、自分たちの「我が子」がどう思われているか心配で居ても立ってもいられないです。
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――ありがとうございます。また今回出展されたTGS 2017版は、E3 2017版やgamescom 2017版とどのような違いがありますか?
河野氏: 基本的には同じ物です。日本語の字幕を加えたぐらいでゲームの作りやミッションは同じです。やはり、開発途中の最新版をデモとして切り出すのは難しいです。一旦本編の開発作業を停めてデモ専用の作業をしなきゃいけなくて、E3は6月、gamescomは8月、そして9月にTGSがあるため、ここで毎回切り出したりするとその分開発は遅れてしまいます。今回は最新版よりも安定して試遊できることを優先して、『エースコンバット 7』を知ってもらえる、E3やgamescomで使ったデモを日本語表示してだしています。
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――やっぱりイベントが重なる時期は開発が細切れになってしまうところでもあるんですね
河野氏:本編開発をなるべく停めたくない時期なので、開発を優先したほうが最終的にお客様にとっても早く遊んでいただけるようになるので良いのかなと思っています。
――TGS 2017で出展された『エースコンバット7』をプレイしたのですが、ゲームシステムの完成度が高いと個人的に思いました。答えられる範囲で良いので、現在の開発状況を教えて頂けますか?
河野氏: 完成度は、日々違いますし、笑い話風に言うなら「見えていたゴールが突然遠のいた」ということがあります。一生懸命ゴールを手繰り寄せて「何とか行けるかな?」というところに起こりうる展開や必要な要素を整理してみると、ヒュッとまた遠のくとかそういうことの繰り返しですね。「今日は何パーセントですけれど、明日はわかりません!」という感じです。遊んで頂いたら分かる通り、『エースコンバット』のナンバリングとして相応しいように、『エースコンバット』の基礎の部分は変えずに作ってあります。
ただ今までの『エースコンバット』って空も地面も飾りというか、戦闘にはほぼ何も影響しないフィールドでした。しかし、今世代機になると厚みのある雲の表現が可能で、雲に入って隠れることや、レーダーへの影響があることへのリスクを自分でとれる“空中の障害物”としてできていて、初めての地形効果といいますか、『エースコンバット』の遊びの基礎を応用しながら、その新しいフィールドを使ってで遊んでもらえるようになったかなと思います。
また、新要素「ポストストールマニューバー」をTGS 2017で公開しました。パイロットが戦闘機を操縦するような、戦闘機が好きな人がやりたくなる要素はできるだけ増やして、戦闘機の操縦の楽しさを強化しようとか、『エースコンバット』のナンバリングとしての軸は絶対にぶらさないままで周辺要素をより良くしていくという作り方を進めています。
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そのため、触れてもらった時に「本当に『エースコンバット』だな」って安心してもらえて、その安心感を持ちながら新しい部分への挑戦をどう持ち込むかということですね。ので、先ほどの話の通り、新要素を持ち込んだら「あれ、これだったらこうやった方がよくない?」という形でゴールがヒュッと遠のく苦労が日常茶飯事で起こっています。
――そのようなことが起こっていたのですか。そういえば、『エースコンバット7』のデモをプレイしている最中に上昇気流によって攻撃目標であるアーセナルバードから徐々に引き離されてしまうことがありました。それらの部分からフィールドの面白さが出ていると共に、新しさもあると感じました。
河野氏: そうですよね、上昇気流とかの要素もやりすぎるとストレスになってしまいます。自分が目指したいプレイに対して読み切れない突然の要素になっている部分もあります。今までのエースコンバットではビジュアル表現上の雲も出していましたが、言ってみれば何の特性も地形効果もないものでした。
ゲームを分解してみると、当たれば死ぬ地面が最大の敵となり、それ以外はだだっ広い空間で何もありません。ただの空間なのでどう飛ぼうが、何をしようが何も影響しないフィールドだったんですけれど、『エースコンバット7』になったことで雲による気流などの要素が入ってくると「あまりにも危険な雲は回避した方が敵を狙いやすいのではないか、でもこの敵は逃したくないからリスクを承知で飛び込む」という新しい攻略法を生み出しています。
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今までの「地面と空間」だけだったものが、「地面と空間と、空間にあるフィールドの効果(気流など)」という物にできたことで遊びとして一段進化しているかなと思っています。また都合の良いことに「雲は当たっても死なない」という特性を持っているため、ゲームとしては難しくなり過ぎず昇華しやすいという状態です。
ただまあ、あまりにもアナログ値で難しいことをするつもりはなくて、見た目で「もうこれヤバそう」という雲は危ないですし、「行けそうだね」というものは行けるというデジタルな判断でお客様がプレイしやすいように気をつけています。これは見た目はアナログでリアルでも、ゲームシステムとしてはプレイヤーの判断を阻害しない、ルールを目で読み取れるという思想の表れです。
――『エースコンバット』で大気現象を表現するのは初めてですよね
河野氏: 出張とかで皆さんも旅客機に乗るじゃないですか。旅客機に乗っていても感じるとおり、たぶん、『エースコンバット』みたいに無の空間のように、まっすぐ飛んでいくことはありえないじゃないですか。気流でガシャガシャと煽られたりとか、ヒュっと落ちたりとか。『7』はあそこまでビジュアルが向上しているので、コントローラーを通じて空の手触りを感じてほしかったんですよね。
何もない空間ではなくて、大気現象が起こったり、危険な雲が現れて気流で機体が揺れたりとか、何もなかったフィールドに微妙な感触や手触り、そして臨場感を与えたかったんですよね。それがやっぱり、あそこまでの表現レベルとなると「あって然り」かなと思っています。
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――初めて『エースコンバット7』の大気現象を見た時は「フライトシムのようだ」と思いました
河野氏: さっきお話したとおり、あくまでも根幹はナンバリングで、見た目は本当に「空が気持ち良い、自由に飛びたい」という部分は担保しつつ、遊びとしては『エースコンバット』のとっつきやすさや今までの手触りを大事にしています。必要以上に難しくすることは考えてはないですし、難しくはしたくないけれどできることは増やしてあげたいなと思っています。
そのためチャフ/フレアや、ポストストール機動を追加しました。ポストストール機動はもともと機体制御の高さをデモンストレーションする動きですので、ゲーム中のドッグファイトにおいてはあまり意味が感じられません。そのため開発から「意味がないものを入れるなんて!」という反対もありましたが、「あれを敵の前で使って倒すのはカッコいい」と思うユーザーは必ずいると思います。そういうのが大事で、最近は無駄なロマンが軽視されていますよね。(笑)
TGS 2017で公開されたポストストール機動
――別の話題になるのですが、『エースコンバット7』は国内向けにもPC(Steam)版が販売されることになります。オリジナルスキンなどの制作/配信を可能にするSteam Workshopなどへの対応は考えているのでしょうか?
河野氏: 現状は完全に未定ですね。MODに関して個人的にはコミュニティが盛り上がるので嬉しいのですが、どこまでポリシーをうちの会社が持っているのか、確認が必要な状況です。1ユーザーとしては「楽しそうだし、そうだよなあ」と思いつつ、きちんと商品をきちんとお届けする側として、MODの盛り上がりは理解しつつ、パブリッシャーとしての判断で、ユーザーさんと会社側でWin-Winで上手くなるようには考えなければと思っています。Steam Workshopについては、3機種+VR版を開発しているので「こういう新しいことを」を提案すると石投げられそうな状況ですね(笑)。
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PCユーザーさんからの要望であったり、現在PCハードへ出すためのガイドラインは会社としてもっています。また特にPCゲームが盛んな欧州からは、これこれこういう対応をやってほしいというリクエストを事細かにもらっています。
――PC向けフライトシムなどでマウス+キーボード操作は様々なタイトルで確立されていますが、『エースコンバット7』でPC版の操作体系はどのようになりますか?
河野氏: まだ明かせませんが、先程お話したとおりPC版においてお客様に喜ばれるための「ここまでの対応をして欲しい」というリストがあるんですが、その中に「キーボード+マウスのコントロールをして欲しい」というのが優先順位の高い位置にあるため、その部分を開発と「どういう方向で進めるか」の話もしています。どうなるかは分かりませんが。(笑)
――ありがとうございます。またVR版は別コンテンツとして開発していますが、それについてはどうでしょうか?
河野氏: 当初僕らの見積もりでは、『エースコンバット7』本編をアレンジすれば割りと楽にできるかなと思ったのですが、実際に作ってみたら相当厳しいことがわかりました。ただでもコンテンツの魅力的には、もうほかとも代えがたい価値があるので「これはユーザーさんの夢をそのまま実現しているよね」っていう割り切りかたがあります。
また「すごくバリューがあるが、どうやって作るか」という部分で一旦悩んだというのが正直なところでもあります。結果、今VRに関しては、どういう位置づけにするかなと悩みながらも開発チームを少し分けて作っているというのが実情なんですよ。やっぱりPS VRのみなので、PCやXbox Oneでやられる方と「コンテンツの差がついてしまう」ということは気にしています。
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今は「『エースコンバット』がVRになったらこういう夢が叶うよね」というある種お客様への未来のプレゼンテーションと位置付けて考えています。そこだけで完全に満足して、VRで全て『エースコンバット7』の10年ぶりのナンバリングが語られることはないです。
きちんと本編に注力を仕切って作ってかつ、『エースコンバット』がVRに対応したらこういうことになっていくかもねというプレゼンテーションとしてお客様に届けられればいいかなと思っています。なので、今回ちょっとお見せしたんですけれど、VRになるとハンガーの中に本物の大きさの戦闘機が存在するということが、すごいバリューになるんですよ。
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通常のゲームでの出撃画面って、戦闘機がポンと出てきてポンと選択すれば一瞬で進むじゃないですか。それがVRになると自分が実際にハンガーにいて、本物の戦闘機の大きさがリアルに感じられるんですよね。そうすると、「翼の下はどうなっているんだ?」って気になるので、見たりとかもできています。『エースコンバット』のVRのバリューは、もちろん「戦闘機のパイロットとなってドッグファイトをする」ということも大事なのですが、そういう周辺にも確実に存在するんですよね。
ハンガーのなかで自分が使っている機体を、じっくり舐め回すように見られることや、「特殊兵装ってこういう大きさで、こういうふうになっているのか」って見るとか、艦載機で発艦するシークエンスでは「エレベーターでこうやって上がって」というような、ただの演出だったものが体験に置き代わるのがVRのバリューだと思うんですよね。そこを含めてお客様にプレゼンテーションしたいなと思っているのが現状です。
なので、必ずしも「エースパイロットになってドッグファイトができますよ!」だけではなく、「自分がエースパイロットだったらどういう体験をしていけるのか?」というのを含めてVRならではのバリューをお見せしたいなあと思っているため、濃くギュッと作っています。
――それを聞きますと「F-2って大きいなあ」って感じることとか…
河野氏: そうですよ!本当に戦闘機の大きさがわかりますよ!「A-10めっちゃデッカ!!」とかそういうのがわかるので(笑)。これに俺が乗るんだな!とか、そんな感じで(笑)
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そういうところを大事にしている感じですね。それで先々みんなVRを付けている時代となっているのなら、その時の『エースコンバット』はこういう形なんだなっていうのを先取りして、ちょっと未来をお見せするプレゼンテーションな感じになっています。
――ありがとうございます。ということは、VRに関してストーリーや細かい部分については…。
河野氏: ストーリーは本当にイントロって感じですね。本編とVRの両方ともやっていただきたいのです。本編には相当力を入れているので「ナンバリングを作る」という事に関して言えば、片渕須直監督にシナリオをもう一度お願いしてたりとか、歴代のナンバリングスタッフが続々集まっていて、『04』を作った人『5』を作った人、『3』を作った人・・・、『2』からもいるか。
――凄いメンバーですね!
河野氏: レジェンドクラスばっかり集まっていて、みんな一家言あるので大変ですけどね(笑)。「あの時もこれで大喧嘩したよね」みたいな(笑)。なので、本気で力を入れて作っているキャンペーンも、もちろん楽しんで欲しいです。
――そうなると本編にも期待が持てますね!
河野氏: 本編で「エースコンバットってこうだよなあ!」って十分満足して頂いて、プラス未来の可能性を感じて頂いく構成かなと思っています。
――以前、本作のテーマは「空の革新」と「対比」と言っていましたが、過去作と『エースコンバット7』に登場する無人機に違いはあるのでしょうか?
河野氏: 「対比」は便利な言葉なので、「対比かつ鏡」ということを片渕監督と話しているんですけれど、写し鏡みたいな形で「今の自分を写してどう見えているか?」というところでもう一度自分を知るみたいな、ストーリーの中心の描き方です。
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その中で、「有人機と無人機」みたいな合わせ鏡が幾つかあるんですよね。無人機に関しても今やっぱり最初は、「これから無人機の時代になっているだろう」と、先日たまたま違う方とお話していて、「今度はF-35が最後の有人機って呼ばれるかもね」っていう話もあったりして、無人機という存在は効率を考えるととても可能性は高いけど、「人を殺すトリガーは誰が引くのか?」というのが同時に、国際的に問題になっていたりしているんですよね。そこまでの政治や倫理観念まで踏み込むつもりはないのですが、ストーリーで有人と無人のことについて触れますし、やっぱりゲーム的にも苦労しているのは有人機と無人機の行動AIパターンをどう作るか、どう考えるかっていうのをやっています。そういうことで言うと…、無人機は賢くなっていきます。
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――賢くなっていく?
河野氏: ディープラーニングじゃないですけれど、戦いの記録を取れば無人機ってたぶん行動がどんどん成長していきますよね。有人機の場合、経験値って個々じゃないですか。でも、無人機の場合、経験が並列化されて共有されていくのでそこにどんどん記録が貯まっていく。
「有人機とは全然違う」という話を開発チームとしながら、無人機って「だんだんレベルアップしていく?」という話になったりとかです。有人機って人が乗っているので命優先だと思います。無人機って命がないので、データは並列処理されてどっかに格納されていっているんだったら自分の個体の命は拘らなくて良いので、実際今回のデモでもそうなのですけれど、無人機がアーセナルバードを守るために、プレイヤーが発射したミサイルが本体に当たりそうになったら割り込んできて盾になるんですよ。それって有人機は絶対にしないじゃないですか。
――ええ、よっぽどのことが無い限り。
河野氏: 男気で語ったらいけない世界じゃないですか。でも「無人機なら効率を最優先してそう考えるよね」とか、あとは無人機だったら最悪「プレイヤーに突っ込んでくる方が効率が良いって考える瞬間もあるんじゃないの?」とか、そういう有人パイロットだったら凄腕としてどう作るかだし、無人機だったら僕らとは倫理観念の違うものとしてどう作るかっていうのを開発とやっています。ただ会話は変ですね、「有人機のAIはこうだけど無人機のAIはこうです」とか、両方AIなのに「どっちのAIでしたっけ?」みたいな話がよく起こります。不思議な話です(笑)。有人機のAIが有人機っぽくないとか、無人機のAIがなんか有人機っぽいとか。開発からは、なんか「もう一回言ってもらってもいいですか!?」とか「どっちの話ですか!?」とかのを繰り返しています(笑)。
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まあ「対比」という点は、ストーリーだけじゃなくてゲームの中でもそうですし、ゲームの開発手法でも凝っているという感じですね。
――面白いお話を聞けてとても良かったです。ところで『エースコンバット7』では先の話で出てきたF-35Cが登場しますが、この機体の特徴であるEO DAS(分散開口システム)やHMD(ヘッドマウントディスプレイ)のHUDは再現しているのでしょうか?つまりはコックピット視点でも死角なく全天球見渡せるかという部分です。
河野氏:再現はしないです。そこは、シリーズを通して遊びやすい用に洗練されてきた部分なので、守りますし、F-35だけそれをしてしまうと急にバランスブレイカーになってしまうんですよね。それありきで、プレイヤーは360度の情報を得て、計器をいつも見ている状態で、例えば無限遠位置に計器が表示されてロックオンとなると、F-35一強になってしまうので。そこは本物よりもゲームバランスをとっているという事ですね。
F-35に搭載されているEO DASは、まるで『エスコン』のHUD視点のような死角なしの360度をHMDに映し出す
ちなみに、発射されたロケットも探知したこともある
ちなみに、発射されたロケットも探知したこともある
F-35のHMDイメージ。また計器が表示されるMFDのディスプレイは、タッチパネルなので直感的に指で操作できる。
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F-35の再現のため全部を崩してしまうということは無いようにしています。ただまあVRの方がちょっとそんな感じですよね。
――確かにそうですよね。VRではHUDの無限遠を再現していて興奮しました。
河野氏: 再現と言えばヘッドマウントディスプレイは、F-15イーグルとかにも積んだ実験機(2012年にボーイングがサイレントイーグルを用いて次世代ヘッドマウントディスプレイとなるJHMCS II/hの試験を行った)とかもありますよね。効率も考えると「そうなって行くだろうなあ」というのをどうやってゲームに落とすかというのが開発チーム我々の仕事なので、全部リアルに作ると喜ばれる方もいらっしゃいますけれど、ゲームとして「『エースコンバット』のゲーム性としてはどうなの?」という視点はいつもあります。
――ありがとうございます。F-35のEO-DASなどについては一部界隈で話題になっていたので気になっていました。ところでオンラインマルチプレイヤーについてはどうでしょうか?
河野氏: 「やりますよね」っていう前提で動いています、開発中ですし詳細はお話できないですけれど。
――最後に、フライトゲームがほぼ潰えてしまった現代で、『エスコン7』はシリーズを知らないユーザーや過去にプレイしたユーザーなど、どのように世間へアプローチをするのでしょうか?
河野氏: 一つはナンバリングを冠したところがメッセージとなっています。良い思い出を持っている方には、あのスタッフで、ナンバリングで、今出ている情報を見てもらえば、その人たちにはこれが「THE ACE COMBAT」なんだと届いているのかなと思っています。
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これから未来と考えるとやっぱり「認知度」をまだまだ上げなきゃ行けないし、『エースコンバット』をワールドワイドで皆さん知って下さっているんですけれど、やっぱりもっと広げていかなきゃ行けないし、戦闘機に興味を持っていただける機会を作っていかなきゃいけないなあと。プロデューサーの下元と一緒に戦略を組んでいる最中です。
本当のことを言うと、もう一個ぐらいどこかからフライトシューティングが出て、ジャンル自体が盛り上がるっていうのが一番市場的には真っ当なんですよ。そこが盛り上がっているとお客さんが「なんだ?なんだ?盛り上がっているな」と気にしてくれるという効果が生まれます。ナンバーワンでオンリーワンは嬉しいのですけれど、ジャンル自体は『エースコンバット』が単独で牽引しなきゃいけないという難しい位置であると思っています。
――確かに難しいですよね。国内からもフライトシューティングがほぼほぼ無くなってしまって寂しさを覚えています。
河野氏:下元が『エースコンバット』のライバルを作るんじゃないかと思うんですけどね。
――ライバル!?
河野氏: その点についてのコミュニケーションはよくしていて。「今後どういう派生をしていくべきか?」と。ナンバリングはちゃんとやっていかなければいけないのですけれどね。
――ありがとうございました。
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※文中の誤字を修正しました。