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シミュレーションゲーマーの皆さんは待ちに待ちかねたであろう『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI(Sid Meier's Civilization VI)』の拡張パック「文明の興亡(Rise and Fall)」を一足早くプレイしましたので、レポートさせていただこうと思います!なお、筆者がプレイしたものはプレビュー版であり、正式リリース版とは内容が異なる可能性もありますのでご留意ください。
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『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI 文明の興亡』は、『シヴィライゼーション VI』の第一弾拡張パックです。いわゆる「無印」が発売されたあと、しばらくして大型の拡張が作られるサイクルはシリーズファンにはおなじみでしょう。一部のファンには、拡張が出るまでは無印をプレイしないというような人もいるようですね!
「文明の興亡」には今までのシリーズの拡張パックと同じように、新たな「指導者」数名と「歴史的瞬間」「黄金時代と暗黒時代」「総督」「忠誠心」「同盟システムの細分化」「自由都市」「緊急事態」といった多様な追加要素が含まれています。
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まず言及しておきたいのが、ゲームを開始するとまず再生されるオープニングムービーです。無印版のムービー(素晴らしいムービーなので飛ばしてしまっているかたは一度は見ておくと良いと思います!)と対を成すような内容になっており、プレイ前の気持ちをほどよく盛り上げてくれます。
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今回追加される文明指導者は「韓国/ソンドク女王」「オランダ/ウィルヘルミナ女王」「モンゴル/チンギス・ハン」「インド/チャンドラグプタ」「クリー/パウンドメーカー」「グルジア/タマル」の6名。筆者はパウンドメーカー率いるネイティヴ・アメリカンの文明「クリー」を使ってプレイしていきたいと思います。説明を読む限り探索/交易型な感じの文明で、冒険好きにはうってつけです。
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クリーの固有ユニットは「オキチタウ」で、最初からレベルアップしている強力な斥候ユニットです。「文明の興亡」では何か新しいことをするたびに「歴史的瞬間」と呼ばれるものが訪れ「時代スコア」というものが蓄積していきます。次の時代に進むまでに一定以上に時代スコアを貯めることができれば「黄金時代」が訪れ様々なボーナスを受けることができるようです。逆に、時代スコアをあまり蓄積しなかった場合は「暗黒時代」が訪れてしまうとのこと、このあたり注意しながらプレイしてみたいですね。
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ゲームを開始してしばらくすると「総督」を任命できるようになりました。総督は都市ごとに任命することができ、それぞれ固有の能力を持っています。
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クリーは探索能力が高いので都市国家型の外交官「アマニ」を選択しようかとも思いましたが、周りに他文明が多くアマニの能力を活かしきれるか疑問だったことと、ギルドマスターの能力に惹かれたので今回は梁さんに総督になってもらうことにしました。
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2つめの都市を作るとこんな注意書きが表示されました。「文明の興亡」では忠誠度というシステムがあり、忠誠度が下がった都市は独立して「自由都市」になってしまいます。無印では都市を増やしまくるのが有利なバランスだったように感じましたので、こういう都市数を制限するような調整は面白いと思います。また都市の拡張も無印に比べて早く、より大きい領土を持つようになったような気がしましたが、まだまだ要検証に感じます。
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時代が進むと「公約」を選べます。公約を達成すると時代スコアにボーナスがあり次の時代で黄金時代が狙いやすいのだと思われます。おおよそその時代ごとの拡張方針も決まってきそうなので考える要素が増え非常に悩ましいところ。筆者はここでは「不朽」を選択しました。
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しばらくプレイしていると「緊急事態」が起こりました。緊急事態に参加し、ミッションを成功させることができればボーナスを受けることができますが、失敗すると敵国に利することにもなってしまうようです。この段階では参加は見合わせましたが、上手く使うことができれば勝利に近づくことができるのではないでしょうか。
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頑張って狙った甲斐があって古典時代には「黄金時代」の条件を達成することができました。『シヴィライゼーション V』の「黄金時代」とは仕様が若干違うので注意ですが、都市の忠誠心が下がりづらくなるなどのボーナスがあるようです。しかし、黄金時代を達成すると暗黒時代が訪れる可能性も上がるらしいので注意深くプレイしなければいけません。
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細分化された同盟システムはとても魅力的で、ついつい疎かになりがちな外交を継続していけるモチベーションになると思いました。あと、全体的にですが、わりと文化力が上がりやすくなっており、無印では困難だった文化勝利が狙いやすくなっているように感じました。
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今回のプレビュー版は150ターン目までしかプレイできなかったため、筆者の腕前ではとても勝敗をつけることができませんでしたが、いろいろな新要素がチラチラと垣間見えましたね!
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と、いうことで「文明の興亡」をしばらくプレイしてみましたが、無印より大幅に要素も増え、プレイ感覚としては非常に良好でした。忠誠度システムのお陰であまりポンポン都市出しをしないでじっくりプレイすることができ、ゲーム終盤で異様に展開が重くなることも避けられるのは良いと思います。無印では都市は多ければ多いほうが良いようなバランスで、個人的にはちょっと忙しすぎるように感じていたので、これは嬉しい変更点ですね。
また同盟の種類が増えたのも素直に嬉しく、総督システムや黄金時代と相まって「文明を一気に特化させた方向に進化させる」ようなプレイングがしやすくなっており、無印よりも取捨選択の戦略性が大幅に増しています。先のことはわからないですが、おそらく、プレイヤーによるゲームシステム研究が進み、すべてのボーナスがうまく噛み合うようにプレイできるようになれば、序盤から他プレイヤーに大きい差をつけられるようになるのではないでしょうか。
筆者はプレビュー版を3週ほどプレイしてみましたが、システム追加によって『シヴィライゼーション VI』の疑問点が解消され、考える要素がより多彩になり、プレイの方向性がくっきり別れるようになった良拡張だなと感じました。無印にあまり手を付けず拡張パック待ちだったシリーズファンは、この機会に『シヴィライゼーション VI』を初めてみてもよいかもしれませんね。
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『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI 文明の興亡』は3,500円で2月9日にSteamで発売予定。きっとまた『Civ』に熱中して眠れない日々が始まりますよ!
(先行配信提供先:2K)