謎多き内容を示すコジマプロダクション開発の新作アクション『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』。今回は、国内外で様々な形で考察されている情報を集めるとともに筆者の視点から、このゲームがどのような内容であるかを考えてみます。
■そもそも『デススト』の何が開示されているのか?
『デス・ストランディング(以下、デススト)』は、2018年2月の時点でも詳しいゲーム内容は公開されていません。しかしながら、インタビューやE3、PSXのトークセッションで開発の経緯や状況、舞台設定がおぼろげながらにして語られています。内容を以下にまとめます。
- 2015年のアナウンストレイラーでは、サムのドッグタグにシュワルツシルト半径とディラック方程式が書かれている(ブラックホールに関係するシュワルツシルト半径と量子力学のディラック方程式)
- TGA 2018トレイラーではPorter(運び屋)の文字
- PSX 2018トレイラーの雨はタイムフォールという異世界からのもので、触れた物の時間が進む
- ノーマン・リーダスが演じるキャラクター名は“サム”
- “サム”はタイムフォールの影響を受けない
- オープンワールドのアクションゲーム
- ゲームエンジンはGuerrilla GamesのDecima Engine
以上のように、映像と監督の発言だけではオープンワールドとアクションゲームということ以外ほぼ見えてきません。一方で、映像で見られる演出からクトゥルフ神話との関係が見られ、ファンの間でも考察が繰り広げられています。
■『デススト』にはクトゥルフ神話と関係が?
クトゥルフ神話は、1920年代にハワード・フィリップス・ラヴクラフトらが生み出した創作神話で、外宇宙から地球へと飛来した旧支配者が存在したという共通設定を持っています。トレイラーやインタビューでの発言から、クトゥルフ神話との関係が指摘されているのは、TGA 2017トレイラーなどで映った“クァチル・ウタウス”が絡んだような現象です。
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この“クァチル・ウタウス”は、時間に影響を与えることができる旧神です。出現時にはある一定の空間にて時間が加速されてしまう現象が怒ります。これは、TGA 2017トレイラーの冒頭シーンの演出とも被ります。
またクァチル・ウタウスは「塵を踏むもの」という二つ名を持っています。これは“クァチル・ウタウス”に触れたものは大きな時間が経過することで塵となってしまい、塵に踏まれた足跡だけが残される現象から来ています。これも『デススト』TGA 2017トレイラーで映された足跡だけが踏まれる現象と一致するため関連があるのかもしれません。
さらに、“サム”はタイムフォールの影響を受けないため、何らかの形で“クァチル・ウタウス”と契約をした可能性もあります(契約すると、不老不死と共に時間旅行そして異次元に移動することもできるが、身体の変化や老化などデメリットもあり)。
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他にもサムが爆発と共に別の場所へワープするシーンに登場する巨大な物体は、過去/現在/未来に加え、全ての空間に繋がると共に何処にもつながっていない場所にいる旧神のヨグ=ソトースではないか?との関連も指摘されます。
「全ての空間」といえばパラレルワールドも想像できるため、サムは透明で巨大な米粒の中に存在する赤ん坊を絶対的な自我として、死ぬたびにワープしているのではないかとも考えられるのです。
■各トレイラーとの関連性や映像で示された組織や物
各トレイラーでは、ポーズや傷がキャラクターたちに重なり合うシーンが多数見受けられます。まず初めに、E3 2016トレイラーでの帝王切開をしたような腹に傷を持つサムと、PSX 2016トレイラーでの人形。さらにPSX 2016にはマッツ・ミケルセン演じるキャラクターが登場し、縄で繋がったガイコツ兵士に命令を出すシーンが存在していますが、これはTGA 2017トレイラーで空から降り立った人物の動きと一致します。また、デル・トロ監督の胸にはアメリカのワシントンD.C.より蜘蛛の巣に広がる模様が描かれた“BRIDGES”というバッヂがあるほか、 “サム”と同行している人物にも描かれています。
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今回の新情報はこれくらいです。 pic.twitter.com/cU751jlUzE
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2017年6月7日
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■果たしてゲーム内容は?大胆予想!
『デススト』は、「オープンワールド」の「アクションゲーム」という情報以外のゲーム内容は現時点でも公開されていませんが、アクションゲームという普遍的なものから図ればある程度想像が付くのかもしれません。
まず初めに肩に取り付けられた装置から推測すると、人間の視覚では感知出来ないものを評価して装着者へと伝える様子が映像から映し出されています。このことから少なくともカメラを360度動かせる三人称視点が考えられている可能性があります。
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1人称視点の存在も考えられますが、同時に存在しないことも予想できます。また小島監督の直近の過去作『MGS V: TPP』では限定的な1人称視点での操作が可能でした。そのため過去作の要素を踏襲するとすれば、1人称視点は用意されているのではないかと推測します。
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また『MGS V: TPP』では砂嵐や雨、時間の変化などゲームプレイ中に様々な変化がありました。『デススト』ではクトゥルフ神話が絡み、時や次元の変化などがリアルタイムにゲームプレイへ影響するとなれば、空間や大気現象に何かしらプレイヤーへと影響を与えるものになるのではないかとも考えられます。
また小島監督は、安部公房の「なわ」を例にとってコミュニケーションについてを語っていました。TwitterやLINE、FacebookなどのSNSを筆頭にフレンド同士が繋がることも考えられますが、このコミュニケーションについてのヒントは特に明示されていないので、ここはわからないと言うほかありません。
以上のことから、『デススト』は『MGS V: TPP』を発展させ、3人称視点を中心としたアクションゲームになるのではないかと予想します。しかしながら、現在までに開示されている情報はとても少ないため結論を付けることは非常に難しいです。ここまで考察した情報が全て違う場合もあるのため、この記事は新情報が出るまでの楽しみの1つとして捉えておくと良いかもしれません。
また、「こんな考察があるよ!」という読者の方がいましたら、ぜひコメント欄に意見をお寄せください。