◆物語
「はぁ」
ある地方都市の丘の上に建てられた高校。校門へと続く長い坂道を前に、その日、3年生になったばかりの主人公「岡崎朋也」はためいきをついた。
「はぁ…」
別のためいきに振り返ると、同じ3年生の、だけど見慣れない少女が立っていた。彼女の名は「古河渚」。
初対面の2人は、ほんの少し言葉を交わしただけで、お互いが少し救われた気持ちになり、一人では登れなかった坂道を上がり始める…。
そこから始まる物語は、その町で暮らす人々を温かく包み込みながら、未来へと続いていきます。◆登場人物
■岡崎 朋也(おかざき ともや)
主人公。舞台となる町の進学校に通う3年生。父親と二人暮らし。毎日のように学校に遅刻しているため、校内では不良として扱われている。スポーツ特待生だったが、父親との些細ないさかいで怪我をし、その傷がもとで未来を絶たれる。進学もすでに諦めていて、受験勉強に勤しむクラスメイトたちを斜に見ている。
■古河 渚(ふるかわ なぎさ) 声:中原麻衣
「もし、できるなら…演劇部をまた、作りたいです」
主人公と同じ学校の3年生。長期休学から復学を果たした日、校門へと続く長い坂の下で思い悩んでいるところ、主人公と出会う。学校ではたくさんの困難が待ち受けていたけれど、主人公と共に頑張っていく。若干人見知りの気があるが、いつも一生懸命。こうと決めたら折れない強さもあるが、いつも他人のことを思いかばっている。
■藤林 杏(ふじばやし きょう) 声:広橋涼
「もしさ、あんたのこと好きって娘がいたら付き合う?」
主人公の隣のクラスの女の子。委員長をしている。2年生の時は、主人公と同じクラスだった。口が悪くおおざっぱな性格をしているけど、面倒見が良い。内緒で校則違反となるバイク通学中。おとなしい妹の椋とは異なり、活発なキャラクター。
■一ノ瀬 ことみ(いちのせ ことみ) 声:能登麻美子
「今日もご本に囲まれて、しあわせ」
主人公の同級生で、学年トップの秀才。でも、授業に出ずに図書室で本を読んでいることが多い。ちょっと浮世離れしていて、会話が噛み合わないことが大半だが、人の言うことはちゃんと聞いている。
■坂上 智代(さかがみ ともよ) 声:桑島法子
「当然だ。付き合って、不幸になどなってたまるものか」
主人公の学校に、この春から編入してきた2年生の女の子。この学校では隠しおおせているが、実は、男が束になってもかなわないぐらい喧嘩が強い。主人公からすると年下だが、ぜんぜん年下らしくない。
■伊吹 風子(いぶき ふうこ) 声:野中藍
「自分で言うのもなんですが、可愛くできました」
主人公の通う学校の1年生。いつもひとりで、ナイフ片手に木片を彫っている大人しい印象の女の子。出来上がった彫刻を、できるだけたくさんの人にプレゼントしたいと思っている。
■宮沢 有紀寧(みやざわ ゆきね) 声:榎本温子
「それは、人の心が変わってしまったからではないでしょうか」
忘れられた資料室に籠もっている2年生。学校のこと、町のことをよく知っている。とても礼儀正しく、主人公のことを先輩と呼ぶ。
■藤林 椋(ふじばやし りょう) 声:神田朱未
「占いはあくまで占いですから」
主人公と同じクラスの女の子。隣のクラスで委員長をしている姉の杏とは双子の姉妹。姉と違い、消極的で大人しいが、やっぱりクラス委員長をしている。占いが好きだけど、絶対に当たらない。
■春原 陽平(すのはら ようへい) 声:阪口大助
「そん時は、僕の背中はおまえに任せるぜっ」
主人公の悪友。スポーツ推薦で入学してきたが、喧嘩をやらかして停学、そのまま退部に追い込まれる。それからは怠惰な学校生活を送ることに。主人公とは春原的には親友。主人公的にはパシリ(?)。
■相楽 美佐枝(さがら みさえ) 声:雪野五月
「ほら、あんたたちっ、自分の部屋掃除なさーーいっ!」
春原が暮らしている学生寮の寮母。元気な姉御肌で、寮生たちのよき相談相手。主人公達の通う学校のOGでもあり、本人曰く「学生時代は清楚な美少女」だったらしい。
■古河 秋生(ふるかわ あきお) 声:置鮎龍太郎
「この町と、住人に幸あれ」
渚の父。妻の早苗と共にパン屋を自営。不良少年が更生しそこねて、そのまま大人になったような性格で、口は悪くおまけに少し下品。でも、近所の人たちには好かれているらしく、暇を見つけては、近所の子供たちと野球をしている。
■古河 早苗(ふるかわ さなえ) 声:井上喜久子
「食べてみてください、自信作ですっ」
渚の母。娘の渚と同じくらい子供っぽい性格で、泣き虫。パン屋の仕事を手伝う傍らで、小学生を集めて勉強を教えたりしている。
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