
先日の一斉削除告知より始まり、最終的には新たな表現ガイドラインの告知に至ったSteamの美少女ゲームタイトル。そんな中、ある海外デベロッパーが自身のゲームに施した“ある変更”が海外メディアにて報じられています。
該当のタイトルは、敵と戦いながら登場する女の子の服を破壊していく、Neko Climax Studiosが手がけるお色気系シューティングゲーム『DEEP SPACE WAIFU』の続編、『Deep Space Waifu: FLAT JUSTICE』。海外メディアOne Angry Gamerによれば、一時、この“貧乳は正義”と言いたいようなタイトルのゲームから貧乳キャラが削除されたということです。


事の起こりは、Steamの新たな表現ガイドラインの告知前。Neko Climax Studiosは突如として『Deep Space Waifu: FLAT JUSTICE』を『Deep Space Waifu: JUSTICE』へと改題、一部キャラクターの差し替えや、差し替えが行われなかったキャラも(多少無理やり気味に)等身の変更などが実施されました。


Neko Climax Studiosの説明によれば、この変更は「Valveが新作のビルドレビューを通過させてくれない」ことに起因しているとのこと。不明瞭な理由により新作のリリースがスムーズに行えないため、問題となっている可能性がある過去作の“ロリキャラ”を差し替えることを決定したとしました。その後、多くのユーザーからの意見を受け、同社は変更を一旦差し戻すことを決心、記事執筆時点では以前の状態に戻っていますが、変更後のビルドも“ベータ”タブよりアクセス可能なほか、Valveの指示次第では再度修正を行うとしています。

事態の原因となった、Valveの特定属性のタイトルのレビュー速度。これは小さなデベロッパーに限った形ではなく、『ネコぱら』などで知られるパブリッシャーSekai Projectも、新作として予定しているアイドルものビジュアルノベル『Shining Song Starnova』が1ヶ月以上も“ビルドレビュー待ち”の状態になってしまっていると報告。
一連の騒動以前にも2018年前後より、美少女系タイトルを中心に1ヶ月以上音信不通のまま、というケースが他デベロッパーなどから報告されており、Valveは通常3~5営業日のみを製品ビルドのレビューに要するとしながらも、一部タイトルでは非常に大きなレビューの遅延が発生している状態です。
この遅延が何を原因として発生しているのかは不明ですが、新たな表現ガイドラインについてもValveは実施予定時期を告知しておらず、製品リリースの遅延が死活問題にもなりかねない中小デベロッパーからは不信感を招きかねない状況に陥ってしまっています。

一方、先日の新「フェイクゲーム」対策に引き続き、Steamのアクティビティにおいて、特定の要素が含まれる画像に対し、モザイク表示を行う機能などが新たに実装。新たな表現ガイドライン下でのストア更新の準備が急ピッチで行われていると見ることもできます。