
PCでAndroid用ゲームアプリをプレイできる無料のゲームプラットフォーム「BlueStacks」。その最新バージョンとなる「BlueStacks 4」のβ版が、8月13日に日本でリリースされました。編集部ではBlueStacks社のCEOであるローゼン・シャルマ氏に直接新バージョンのポイントを伺うことができたので、その模様をお届けします。
オンデマンドシステムの採用
「BlueStacks 4」は、必要のない機能は動作させず、そのとき必要とされる機能のみにその分のリソースを回す「オンデマンドシステム」を採用。これにより、既存のバージョンより軽く、そして速く動作するようになっているとのことです。
「BlueStacks」のユーザーは複数のゲームを同時に立ち上げながら遊ぶ人もいれば、ひとつのタイトルを集中して遊ぶ人もいるなどプレイスタイルがさまざまで、そのバランスを取るのに苦心していたとのことですが、新システムでより多くのプレイヤーを満足させられるとシャルマ氏は語りました。
AndoroidとWindowsという異なるスタックをマージさせ、Andoroidを仮想化させる「BlueStacks」ですが、最新バージョン「4」のリリースによって一層大きな仮想プラットフォームとなり、今後のロードマップを考えたうえでもこれが大きなターニングポイントになるでしょう、とシャルマ氏は自信をのぞかせています。
より幅広いアプリへの対応
日々進歩を続けるAndroid OSにおいて、とりわけ大きなポイントとなるのがグラフィックの進化。「BlueStacks 3N」では、メモリが4GB程度のデスクトップPCではOpenGL3によるグラフィックを満足に描画できませんでしたが、より進歩した「4」では、PCのスペックがそこそこでも快適に遊べる設計を目指しているとのこと。
こうしたグラフィック性能の追求により、これまでは動作しなかったアプリにも対応。一例として、リリース当初は環境設定で「上位グラフィックエンジンモード」に設定しないと起動できなかった『PUBG MOBILE』が、新バージョンからはそうした設定をすることなくプレイできるようになったことが明かされました。また、それとは別に、今までまったく対応できていなかったアプリにも遊べるようになったものがあるそうです。
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カスタマイズ性の高いUIの導入
「3N」までは、ホーム画面のトップページに設定されていたアプリセンター。オススメのアプリが常にずらりと表示されるのでさまざまなゲームを遊びたいユーザーには向いていますが、すでに遊びたいタイトルが決まっているユーザーには不向きなインターフェースでもありました。
これを「4」では、アプリセンターをタブ化して閉じられるように変更。ユーザーそれぞれが、自分にスタイルに見合ったカスタマイズを施せるようになりました。また、前述のオンデマンドシステムと相まって、アプリセンターを閉じることでその分のリソースをゲームに割くことができます。
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キーマッピングにも対応したキーボードライトアップ機能
その他の機能としては、キーボードがライトアップする仕組みも提供予定。その時遊んでいるゲームで使えるキーがライトアップされ、もちろんキーマッピングにも対応するとのことです。残念ながらβ版ではこの機能は搭載されませんが、ゲーミングPCメーカーのMSIと提携し、同社の製品にBlueStacksとMSIが共同開発したカスタマイズ版BlueStacksの「MSI APP Player」が標準搭載されることも併せて明かされました。
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「MSI APP Player」搭載モデルは9月20日から開催される「東京ゲームショウ 2018」のMSIブースおよびBlueStacksとも相性が良い「アビス・ホライズン」や「神無月」を提供するMorningTecブースでデモ機を出展し、製品出荷に向けて準備中とのこと。また、ライトアップはAPIによって連携しているので、今後、対応機器も増える見込みとのこと。詳細については、後日あらためてリストが発表される予定なのでお楽しみに。ちなみに、このライトアップはシャルマ氏イチオシの機能とのことで、ウキウキと楽しそうに語る姿が印象的でした。