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CD Projektが運営するゲーム配信サイトGOG.comは、反DRMキャンペーン「FCKDRM」を開始したことを発表しました。
これは、DRMが特定企業にゲームの“キルスイッチ“を委ねることであるとして、5つの項目に渡ってDRMの問題とDRMフリーの長所を訴えるもの。キャンペーンの公式サイトでは、ゲイブ・ニューウェルを始めとして、複数の業界人のDRMに関連した意見も表示されています。
キャンペーンではGOG.comだけでなく、 音楽ファイルのBandcampなど、他メディアのDRMフリー購入サイトも紹介。同キャンペーンが提唱する5つの項目は下記の通りです。
◆ DRMによりすべてのアクセスを失う可能性
サーバーのダウンタイム、技術的問題、運営会社の倒産などでゲームへのアクセスが一時的もしくは恒久的に停止する可能性。
◆ バックアップ、コピーを取り、どの場所でも使えることの許容
誰もあなたのゲーム保管法に文句をいうことはありません。
◆ オフラインでのアクセス
インターネットがなくともゲームへのアクセスが可能であり、安定して便利です。
◆ 消費者としての権利の維持
あなたを信頼していない企業にゲームの権利を渡すことは問題です。
◆ ゲームのデジタル保存に対応
(DRMフリーで)ゲームを購入することで、いつ、どのハード向けに購入したゲームでも購入したコンテンツを手元に残すことができます。
比較的馴染みのない方もいるDRMですが、PCの物理パッケージでは、主に2000年中盤に多用されたSafeDiscなど多くのプロテクトが近年のWindowsでは非対応に。結果としてデジタル上での再販の動きがない有名日本メーカーの作品などを中心とした様々な名作ゲームの保存に大きな問題を起こし、今もなおその爪痕が残り続けています。
また、10数年前のかつてのPCゲーム業界を思えば、競合他サイトと比べDRM下での利便性が高かったこともSteam普及の一因でした。昨今、各社の大型オンラインタイトルのSteam外展開や、ゲーム配信プラットフォームの月額サブスクリプションベースへの移行の動きなど、これからも変わっていく業界を前に、GOG.comはDRMフリーという最大の特徴を活かしていけるのでしょうか。
なお、GOG.comでは、ユーザーのDRMにまつわるエピソードを掲示板にて募集しているとのことです。