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中国のソーシャルメディアとゲームを手掛ける最大手企業Tencent Holdings Ltd(テンセント)は、年齢認証システムを自社のゲームラインナップ全体に拡大予定であることを公表しました。
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これは、自社のメッセンジャーアプリ「WeChat」の自社公式アカウントにおいて明らかにしたものです。同社の人気モバイルMOBA『Honor of Kings(王者栄耀)』において、若年層のプレイ中毒を招く国内からの批判への対策として導入済みのプレイ時間制限システムを自社の全てのゲームへ波及させる予定。これに先んじる形で、その他の人気の9タイトルを対象に適用。これら10タイトルへ制限システムを導入したのち、2019年には他のモバイルゲームやPCゲームに適用範囲を拡大するとしています。
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この制限システムを導入したタイトルを利用する場合、身元情報の確認の為、アカウントの実名登録が必須。未成年者で12歳以下の場合は、午前8時から午後9時までの間で、1日1時間までのプレイに制限、12歳以上の場合は1日2時間までに制限。これらの制限を超えた場合、ログイン禁止の措置が実行されるとしています。
テンセントは、未成年者を保護することは社会全体の関心事であると同時に自社の責務でもあり、ゲームタイトル全体に健康を保つシステムを導入し、改善を絶えず行っていき、業界全体の技術を促進しつつ、社会と一体となって未成年者の健全な成長に貢献していくとしています。
海外メディアBloombergは、中国における7億人以上のインターネットとソーシャルメディアユーザーは政府による制限措置に慣れているものの、今回のテンセントの取り組みは前例がないものであり、勢いあるタイトルを市場に送り出す、自社の確立されたプロセスに、冷や水を浴びせるような規制当局による新作タイトルの承認手続きの停止にも、同社は困惑していると伝えています。