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飢えや寒さ、襲い来る敵と戦いながら生き延びる良作2Dサバイバル『Don't Starve』。その新DLC「Don't Starve: Hamlet」のプレイレポートをお送りします。今回はSteam(PC)版をプレイしています。
『ドンスタ』の愛称でも知られる本作は、インディーデベロッパーKlei Entertainmentによる2Dのローグライクサバイバルゲーム。主人公は食料もなしに見知らぬ世界へ放り出され、チュートリアルもなしに「さあ生き延びろ」という死んで覚える系のゲームです。今でこそ攻略サイトなどが充実して長期間の生存も困らなくなってきましたが、配信当初は「このアイテムなんに使うの?」的な手探り状態で、難易度の高いゲームでした。
本作ではこれまでに、季節の要素が強化された第1弾DLC「Reign of Giants」、海を舞台にした第2弾DLC「Shipwrecked」が配信され、ただでさえ難しい本作をさらに挑戦的に仕上げて多くのプレイヤーを苦しめてきました。
今回取り上げる第3弾DLC「Hamlet」は、ゲームのマスコットキャラともいうべきピッグマンたちの世界が舞台となります。「Hamlet」にはシェイクスピア作品「ハムレット」、集落、そしてピッグマンだけに「ハム」の3つの意味があるようです。ちなみに現在早期アクセス中です。
今回はあえて詳細な事前情報や攻略サイトなどを見ず、本編が発売された当時のように手探り状態で楽しんでいこうと思います。主人公は初期で選べるウィルソンで。使いやすい平均的なパラメータのキャラで、能力は「ヒゲが生えること」です。
新たな世界への旅立ち
いつものように知らない世界に、唐突に放り出されるウィルソン。壊れた気球があることからして、墜落したのでしょう。すぐそばに洞窟の入り口のようなものがあります。
ゲームの基本戦略は、「落ちているものはとりあえず拾え」。役に立たないものでも、実はクラフトに使う素材だったりします(ウィルソンの生やすヒゲでさえも)。ゲーム前半で使わないアイテムもありますので、本当に全部拾ってしまうとインベントリが圧迫されかねません。取捨選択が必要です。それをどのように判断していくか、というと、それこそプレイヤーの経験だったり攻略サイトを見たりという話になってきますが……。今回は過去の記憶に頼りつつ、手探りでいきます。
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それでは周辺探索開始。ゲームには朝昼夜と時間の流れがあります。夜になるとあたりは真っ暗になり、敵に襲われてゲームオーバー。そうならないよう、明るいうちに松明(Torch)や焚き火(Campfire)などを作っておかなければなりません。
松明は「草(Cut Grass)2、枝(Twigs)2」で作れます。これを最優先で用意。常に一本は持っておきたいアイテムです。壊れた気球からはなにも得られないようですね。
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初プレイ時は死なないことよりも、とにかくなんでも試すことが重要です。とりあえずそばにある洞窟に入ってみました。洞窟でのトレジャーハントは本DLCの新要素。しかし松明がないため暗くて奥へ進めません。いったん引き返しましょう。
文化的なピッグマンとの遭遇。しかし……
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周辺を探索していると、ピッグマンの集落発見。しかも食料になるベリー(Berries)が山ほどあります。ベリーは採取しても一定時間でまた出現するので、ゲーム序盤では重要な食料源。火を使って焼きベリー(Roasted Berries)にすれば、生で食べるよりも空腹度の回復が大きくなります。
『Don't Starve』のタイトル通り、ウィルソンを飢え死させないことが重要です。しかしこれだけのベリーが一箇所にあれば、しばらく食事に困りませんね。ちょっといただいておきましょう。
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採った瞬間、衛兵がダッシュしてきました。慌てて逃げ出すウィルソン。このベリー、ピッグマンの所有物だったようです。しかし衛兵に追い回されるこの感覚、オープンワールドRPGを彷彿とさせます。
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遠くまで逃げたのに、まだ追ってきます。思ったよりしつこい。ちなみにこのゲーム、表示はされませんが、ウサギなど罪のない動物を殺しすぎると内部パラメータの邪悪度が上がります。一定値に達するとクランパスという敵が出現。プレイヤーのチェストを破壊し、持ち物を盗んでいきます。今回の盗みで邪悪度が増えるかはわかりません。悪いことをしなければ、邪悪度は自然減少します。
ピッグマンの街に侵入
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遠くまで逃げて、やっと衛兵が諦めてくれました。衛兵の足はそれほど速くないため、逃げること自体は難しくありません。指名手配になって、ピッグマンの街に入れなくなったら面倒ですが。
しばらく真面目にアイテム拾いをします。しかしあちこち駆け回っても、石(Flint)がほとんど見つかりません。資材採掘に必要な斧(Axe)やツルハシ(Pickaxe)を作るための素材なので入手したいところ。運が悪いだけなのか、ゲーム本体とは勝手が違うのか。
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日が暮れたころに、ピッグマンの街に到着しました。先程の盗難を忘れてくれているといいのですが。灯りがあるということは、ここで夜を過ごせば焚き火や松明の節約になるということです。
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街に入っても、衛兵たちは襲ってきません。先程の盗難は水に流してくれたようです。それにしても街は安心感があります。敵に襲われたり、明かりがなかったときに、街に逃げこめば助かります。
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店があったので入ってみました。購入には「Oinc」という単位の通貨が必要な模様。どうやって手に入れればいいのか、当然のようにゲーム内では説明がありません。それを考えるのも楽しみといえば楽しみですが。
ちなみに店主に攻撃を仕掛けることもできますが、衛兵が飛んでくるのでやめておきましょう。いわゆる「悪人プレイ」もできそうですね。
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夜になっても明かりのある安心感。松明を節約できるのは本当にいいですね。このゲームでは敵に追われているとき、ピッグマンやビーファロー(Beefalo)など中立動物のそばを通って敵のターゲットを変えるというテクニックがあります。衛兵がいますので、身の安全は保障されたようなもの。しばらくここを拠点に、夜が明けたらまわりを探索しましょう。
朝になりました。家からピッグマンたちが出てきます。主人公がそばにいくと、紳士的に挨拶をします。見ず知らずの人相手にこの暖かさ。こんな気のいいピッグマン相手に悪人プレイなんて無理です。
遺跡を探索
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探索に出発。お金の入手方法も早く見つけないと、街での生活に適応できなくなります。それにしても石が見つからず、この時点でも斧をクラフトできない……DLC無しならそこら中に転がっているのですが。
木の伐採で得られる丸太(Log)がないと、このゲームの作業台ともいうべきサイエンスマシーン(Science Machine)が作れません。某3Dサバイバルゲームのように、パンチで木をへし折るといったパワフルな真似はウィルソンには不可能。斧が必要です。
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遺跡の入り口を発見しました。お金の入手方法ですが、遺跡でトレジャーハントしてアイテムを入手し、それを売ればいいのかなと勝手に解釈。街にトレーダーがいなかったか調べておけばよかったですね。ともかく遺跡に入ってみましょう。
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遺跡の中は暗いので松明を使用。入ってすぐのところに、ピッグマンの石像が2体あります。ピッグマンの古代文明がここにあったのでしょうか。
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遺跡の奥へと進んでいきます。敵は蛇かサソリぐらいしか出てきません。別の部屋に入ればターゲットを外せるので、逃げるのは簡単。壊れた壺はたくさんあるのですが、宝箱的なものは見つかりません。
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探索を続けていると、松明の残量が少ないことにふと気付きました。慌てて入り口へ戻ろうとしますが、間に合いません。松明が尽き、闇の中で敵の攻撃を食らってゲームオーバー。よくある死に方です。最初の何回かは死ぬのが前提なので、また次の周を頑張りましょう。
賑やかさが増した新鮮なプレイ感
人気のない場所で独り寂しく探索を続けていたこれまでとは違い、本DLCでは街が登場したことでプレイに賑やかさが増しました。可愛いピッグマンや心強い衛兵(場合によっては敵にもなります)がいることで、気が楽になった感じはあります。
ちなみに2周目で、料理を作ろうと街の中で焚き火をしたら、衛兵が駆け寄ってきて消されてしまいました(動画参照)。犯罪とまではならなかったようです。お金の入手方法についても2周目でわかりました。「これから自分で調べたかったのに!」という方のために、方法は伏せておきます。
まだまだいろいろな仕掛けがありそうな本DLC。通貨の概念が入った新しいスタイルの『Don't Starve』をプレイしたい方にはうってつけです。筆者もこのピッグマンの世界を、しばらく手探りで冒険してみようと思います。
製品情報
「Don't Starve: Hamlet」
開発・販売:Klei Entertainment
対象OS:Windows、Mac、Linux
通常価格:720円
サポート言語:英語のみ
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/712640/Dont_Starve_Hamlet/