プロ選手が教える『リーグ・オブ・レジェンド』初心者脱出の道！Harettiに訊く「CS」テクニック編

■最初に覚える定番『LoL』用語「CS」「Gold」「ミニオン」とは？

ヤッホー！Game*Spark読者にはおなじみの存在、スパくんだよ！語尾にスパがついているのが特徴なんだ！本日はプロプレイヤーに話を聞けるということで、こりゃすばらしい機会だよね！ちなみにスパくんは『LoL』歴は長いけど、シーズンが変わる毎に記憶がリセットされるんだ！自分が誰なのかもよく分かってないよ！

こちらこそよろしくお願いします。「Burning Core」で、ADCを担当しているHarettiです。ところで、一回も語尾にスパってついてないですけど。

語尾の定義によるよね。ところで早速だけど、チュートリアルや解説動画に出てくる「CS」って何スパ？衛星放送スパか？

いちから説明しますと、CSというのはCreep Score（クリープ スコア）の略で、ミニオンを倒した総数のことです。

ミニオンっていうのは、あの最初から最後までワラワラ出てくるザコ敵のことスパよね。あいつらを倒すとなにか良いことが起きるスパか？たとえばお金がもらえるとか？

えっ、はい……そうです。『LoL』はミニオンにトドメを刺すこと、通称“Last Hit（ラストヒット）”を得ることでお金が手に入る仕組みになっていて、アイテムを購入して強くなっていきます。なので、「CSが多い」ほど「お金をたくさん持っている」ということになります。

アッ、お金だった。答えを先に言ってしまうのがスパくんの悪いところスパ。

お金（Gold）がたくさんあれば、良い装備アイテムが買えますよね。ということは、相手よりCSを多く取れていれば、相手より強い装備が手に入る、ということ。そんなわけで、CSをたくさん取れていると、試合を有利に進められるんです。

この世の誰しも試合を不利に進めたいとは思わないスパからね。ところで、ミニオンとかいうザコ敵って実は何種類かいるスパよね？なんかおっきいのとか、遠くからペチペチ撃ってくるのとか。

ええ。殴ってくるのは「メレーミニオン」で、遠くから撃ってくるのは「レンジミニオン」。ちょっと大きくて、大砲を持っているのが「シージミニオン」と呼ばれてます。「大砲ミニオン」とも言われるものが一番重要です。

なるほど、スパくんは記憶に難があるので全く覚えられそうにないスパ。ま、どうせ雑魚だからあんまり気にしなくて良いんスパよね？

レンジミニオンを倒すと14Gold、メレーミニオンだと21Goldが貰えます。デカいシージミニオンは60Goldで、ゲームが進むとちょっとずつ金額が増えていったりもします。最大は90Goldです。なので、シージミニオンが大事なんです。とにかくこれだけは覚えたほうがいいです。

……善処するスパ。ところでスパくんはミニオンをペチペチ殴ってるうちに、なんとなくトドメを刺せなかったりするんスパけど……スパくんが強過ぎるのが悪いスパ？

「1CS」をしっかり取っていくのは、かなり大事です。僕が心がけていることなんですが、CSのひとつひとつを本当に大切にして、もし落としたら「あぁ…」と嘆くほどの気持ちが大事だと思っています。

気持ちはどんなときでも大切スパ。スパくんは気持ちを大切にする人でありたいスパ。

初心者の方には、分かっていても「1CS」というのを軽く見てしまう人が多いかもしれませんね。でも、そのひとつひとつが積み重なったら大金になります。お前のCSを取ったらいくらになるんだろうな。

ハハハ……また御冗談を……（コップを持つ手が震える）。

だいたい、20CS差がつくと1Kill分、300Gold近くの差が生まれることになるので、ひとつひとつの価値を知ることが丁寧に取ろうという気持ちになると思います。

■序盤の「CS」の取り合いで重要なのは？

CSの重要度についてはなんとなく分かってきたスパ！そんなに重要なCSなんだから、相手だってきっと取りたいはずスパ！ウーン、スパくん賢いゾ！アッ！でもそんなときいったいどうしたらいいかわからない！助けてプロ！

はい……。そんなときは、「相手が嫌がることをする」のが重要です。CSを取るタイミングって無防備になるんですよ。こっちのミニオンの体力が少ないときに相手はCSを取りにくるので、そのタイミングで仕掛けてみたり。

当然、相手もこっちのCSを邪魔しにくるスパよね？相手にCSを邪魔されないようにするにはどうすればいいスパ？

敵スキルを受けないよう、味方のミニオンに近付かないのが大事です。相手のミニオンの方が多いとやりにくくなってしまうので、同じぐらいの数にしておくのも良いですね。

なるほどですね～。ところで、たまにチームメイトから「レーン押し過ぎ！」「引くこと覚えろ」って怒られることがあるんスパけど……ミニオンって、ずっと倒しまくってちゃダメなんスパ？

たぶん、求められているのは「プルレーン」のことですね。ミニオンを攻め過ぎず、「自陣側に引き気味で戦う」ようなことです。逆に、押していくスタイルは「プッシュレーン」とも言います。

ワオ、なにやらイングリッシュが沢山登場してきたスパ！それってどっちが強いんスパ？強いほうをやりたいスパ！

一長一短ではあります。「プッシュレーン」のメリットは、味方ミニオンを相手のタワー下に押し込めること。相手のCS妨害ですね。タワー下でミニオンがどんどん消えてしまうので、離れてしまうと経験値とGoldを失ってしまうんです。

アグレッシブな動きですね。そうすることによって相手はCSを取りづらくなり、結果的にレーンでのレベル先行もしやすくなるという。これこそまさに効果的な手法と言えますね。

そ、そうなんですが、デメリットもあります。Gank（奇襲）を受けやすい状況になるので、ジャングルの視界がないと危険なんですよね。他にも理由はありますが、イーブンが一番無難です。

ちなみに、「プルレーン」のメリットとデメリットは「プッシュレーン」の逆バージョンと言えます。味方のGankを誘いやすく、ミニオンがタワー下に押し込まれやすい、といった感じですね。

「ミニオンを押し込む」で思い出したんスパけど、タワーにバキバキにやられるミニオンってどうしたらいいスパ？タワーが勝手に攻撃してCSが取れないとき、スパくんは毎回大声で「ワオ！」って叫んでるスパ。

タワー下のCSは難しいですよね。ひとつ解説しますと、メレーミニオンはタワーの攻撃2発を食らったあとに、オートアタック1発でLast Hitが取れるんですが、レンジミニオンは、タワー1発とオートアタック2発が必要になります。

「タワー2発とオートアタック1発」、「タワー1発とオートアタック2発」……。

サポートがオートアタックを1発入れてあげることで、ADCは非常にCSを取りやすくなります。ちなみに、ランク上位帯でも「オートアタック1発を入れない」タイプの人はいるので、そういうときは自分で先に1発入れておきます……。

プッシュした結果、敵がリコールしたりいなくなったときはどうするスパ？ミニオンと一緒に相手のタワー下まで進んでいいスパ？

敵がいないタワーにミニオンを押し付ける、通称「Shove」と呼ばれるものをします。こうすると、相手にしてみたら取れるはずだったCSがどんどん消えていくことになりますよね。

もらえるはずだったお金がもらえないスパね！世知辛い話スパ！皆さんもそんなことがあったときには国家権力の然るべき窓口に相談してみるのもいいのかなと思います。

いや、そんなに大げさな話ではないんですが……。レーンから離れているときにタワーがミニオンを倒してしまうと、お金と同時に経験値も失いますね。「Shove」は絶対に意識するべきテクニックです。もし対面のキルを取ってから余裕があれば、更に差を付けてみましょう。

レーンでキル……平和主義者のスパくんにしてみたら非常に難しいことスパ……。他に意識していることはあるスパ？今聞いたことをさっさとフレンドに自慢して「あ～あ、これだからキミ達は……」って顔したいスパ！

あとは、「味方のミニオンがどの敵ミニオンを攻撃しているか」を観察してみるのも良いですよ。どれくらいのテンポでミニオンが死にそうになるか分かりますし、攻撃するタイミングが掴みやすくなります。

■誰でも出来る！ゲーム前の「肩慣らし」＆「オススメ練習法」

……まだまだ覚えることが多そうスパね。記憶域を使い果たしたので、さっきから激しめの頭痛が止まらないスパ。そんなスパくんでも出来る効率的な練習方法ってあるスパ？

寒くて手が動かない日や大会前は、「エイム合わせ」的なウォーミングアップをしたりしてます。トレーニングモードで、ちゃんと自分が狙ったものをクリックできているかどうか確認する、といったような。

なるほどスパ。「10分間で○○CSを取ろう！」っていうのをどっかで読んだことがあるスパけど、手っ取り早く上手くなる方法ってあるスパか？

10分間オートアタックだけで取るとか、スキルを挟みながら取るとか、自分の中でいろいろとルールを変えられるので、たくさんの方法を試してみると良いかなと。まずは「10分で50～60CS」が目安です。そこからは70～80を目標に、それ以上取れたら尚良いですね。

だいたい1分あたり3CSスパね！初心者がCS練習をするためのおすすめのADCチャンピオンを教えて欲しいスパ！

計算全然間違ってますよ。おすすめはジンクスとアッシュですね。ジンクスは攻撃スピードが速いですし、バズーカでまとめてCSを取ることもできます。アッシュで「遠い安全な場所からCSを取る」のも悪くないです。

ありがとうスパ！二人ともかわいい女の子というのがうれしいところスパ！そしたらついでに、プロならではの秘伝の技を教えてくれるとうれしいスパ！自慢できるし……。

オートアタックを止める「Sキー」を使うようにしています。狙ってないときにオートアタックが発動することもあるので、Sキーを押して攻撃を止めつつ、トドメが刺せるタイミングで攻撃するようにするとミスが減ると思います。

ちなみに、Haretti選手は「タワー下のCS」はどう相手してるスパ？スパくんはタワー下でCSが取れないと、毎回大声で「ワオ！」って叫んでるスパ。

その話さっきも聞きましたよ。これまでのテクも大事ですが、どうしても倒せないミニオンは早めに見切りをつけて、「次のCSに集中する」のも重要です。取れるCSをきっちり落とさずに取っていく、という意識ですね。気を抜くと次から次へとぽろぽろと落としてしまうので。

そういえば、CSを取っていると、訳分かんないタイミングで攻撃されたりして死にかけることがよくあるスパ……「CS」と「敵チャンピオンとの殴り合い」ってどっちが大事なんスパ？

「CS」か「ダメージトレード」、ですね。基本的にはCS優先でいきましょう。余裕があればダメージトレードを行いたいですが、初心者のうちは「敵チャンピオンと敵ミニオンに殴られる」ということが多いです。ここは気をつけながら有利を取りましょう。

たしかに、雑魚とは言え積もり積もると怖いスパ……。ミニオンをタワーの手前で止めたい時に、自分でミニオンのダメージを受けてボディブロックをするのはだめスパ？

敵が近くなければ、という前提ならギリギリOKです。仮にサポートがボディブロックしてくれるとしても、敵がいないタイミングを狙いましょう。キルされたら元も子もないです。

スパくん、そういうの気にしないからかいつの間にか敵とのHP差がエグいことになるんスパよね。

そうなってしまったら、CSをとにかく優先しましょう。もしCSを取れなくても、経験値だけでも吸うように。相手に更にプッシュされると、味方タワー下からも追い出されてしまいます。まずは「死なないような立ち回り」です！

そういえば死にかけてることに気付いた途端、敵が川のほうからやってきて奇襲されることもあったスパ……。

「リバー」の視界がとれていないとき、ですね。味方ジャングラーが近くにいたら、思い切ってレーンをプッシュしてみてはどうでしょう。

そしたら敵ジャングラーに狙われなくて済むスパ！？スパくんはいつも「ミニマップを見て！」「そろそろジャングラー来るぞ」「もしもし？」「お母さんかお父さんに代わってくれる？」「ペパロニ&トリプルチーズスペシャルのLサイズを2枚ください」って言われるスパけど。

全体的にどういう状況なんですか……？味方ジャングラーが近ければ、ある程度のプッシュは平気です。プッシュできれば、味方と一緒に「リバー」にワードを置きにいくこともできますよ。もしそのときADCをやっていたなら、できればサポートかジャングラーと一緒に行きましょう。安全第一です。

■最後に……

ここまで漫然と聞きまくってみたスパけど、振り返ってみるとめちゃくちゃ参考になったスパ……。

特に初心者のうちは、色々試したほうがいいですね。ミスして学んだ方が覚えられますし、ダメージトレードもやってみないと感覚的には分かりにくいですよね。『LoL』には優しい上級者もいっぱいいるので、ミスに怯えずにやりたいことをやってほしいです。

スパシーバ！ところで、Haretti選手も最初は『LoL』初心者だったんスパよね？初めたばかりの頃からバキバキに上手かったんスパか？

昔の話ですけど、僕が『LoL』を始めたのはシーズン1で、北米サーバーでプレイしてました。『LoL』に触れるまでは、フレンドの中でゲームが一番下手で、いろいろ教えられたり怒られたりと辛い日々が続いていました……。

ドッヒャ～！プロにもそんな過去があるなんて、驚き桃の木二十一世紀スパ！

でも、僕には『LoL』の才能があったみたいで。フレンドの中では最初からトッププレイヤーになれました。そこで「僕にはこのゲームなんだ」と思って、熱心にプレイして、プロになってここまで来ました。

『LoL』より遥か昔からRTS/MOBAを遊んでた天才集団かと思ってたスパ……。やっぱり努力してきたんスパね……。

ええ。そのときの「このゲームしかないんだ」という気持ちが今に繋がっています。昔は、まさかプロになるなんて思ってもいなかったですけどね。

最後にひとつだけ教えて欲しいスパ。Haretti選手にとって、『LoL』の面白いところってどこだと思うスパ？

そうですね……このゲームって、勝利条件は単純なのに、毎回同じゲームはなくて、新発見が出てきますよね。毎回成長できるからこそ、長く続いているんだろうなと思ってます。もちろん、チームの仲間とゲームに勝ったときの気持ち良さも言わずもがなです！

ありがとうスパ！