
季節はめぐり春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在するのだ。ギャルゲーの主役といえばなんと言っても多種多様なヒロイン達……。この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。

ぼんやりと過ごしていたらあっという間に12月。2018年も、もう終わりってな雰囲気である。ゲーム業界もすっかり年末商戦真っ只中であっちから超大作、こっちから超大作のオンパレードになっており眠れぬ日々を過ごしているゲーマー読者も多いであろうと思う。っていうかオレもすっかり新作ゲームのるつぼにハマっており、特に先月はレビューを執筆するということもあってずっと『レッド・デッド・リデンプション2』をプレイしていた。

『RDR2』っていうゲームはマジでやることがいっぱいあって、その中でもオレは「釣り」が特にお気に入りだ。クリア後はもっぱらマップ上に生息する伝説の巨大魚を収集して回っている。巨大魚を釣るのはなかなか大変で、めっちゃ巻かないとリールから糸を出されてしまうし、だからといって巻きすぎると糸を切られてしまう。時にはじっくりと、時には一気に勝負をしかける嗅覚というかセンスが必要とされるのだ。釣りは恋愛に似ている。恋愛も釣りも、駆け引きが大切なのだ……って恋愛……? なんか大切なことを忘れているような……?

アッ、ギャル釣りのほうもやんなきゃ……!!
ということでまだ『Fallout 76』だの『テトリスエフェクト』だの『レッド・デッド・オンライン』だのやりたい最新ゲームがいっぱいある中『Screen』の世界に舞い戻ってきたオレなのであった。しかも前回の記事はめっちゃ先が気になる感じで書いてしまったので、これを待っている読者もけっこういるはずなのだ……いやはや申し訳ない。こんなペースでやってるといつ百人終わるかわかったもんじゃないのでギア上げていきます……。
今回攻略するのは画像の少女「立花智里」である。彼女のシナリオは前回攻略ヒロイン「柊麻由美」のシナリオとめちゃくちゃ密接に関係しているので、ともし前回の記事を読んでないという人やもう忘れているという人がいたら、悪いことは言わないからそれを読んでから今回の記事を読み始めたほうがいいだろう。あと、もしこれから『Screen』をプレイする人がいるなら、これからめっちゃネタバレするので注意してほしい。彼女のシナリオはかなりの衝撃度を誇る。

書く彦と親友の省吾は町中で見かけた驚くほどでかいリボンの女の子「立花智里」に声をかける。このくだりについては前回の記事にも書いてある(何度も言うが前回を読んだほうがいいぞ!)ので最低限の説明に留めるが、重要なのは彼女が「占いの本を立ち読みしていた」という点だろうか。このシナリオでは「占い」が非常に重要な使われ方をしており、中盤ではみんな大好き占いシーンもあります。


ナンパは失敗に終わったが、その後コンタクトレンズを探している彼女と再会することになる書く彦。共通の話題である「占い」でひとしきり盛り上がると、なんとなく仲良くなって「こりゃちょっといい感じなんじゃないか~?」みたいな感じになってくる。このシナリオでの書く彦はかなり惚れっぽい感じであり、二度目の遭遇なのにもかかわらずもう気にしているみたいだ。まあ男ってそんなもんかもね。

最初に述べたように、智里シナリオは麻由美シナリオとめっちゃ密接に関係しているので、麻由美シナリオでも出てきた財布を落とすくだりも当然出てくるのだが……。

麻由美シナリオでは麻由美が持ってきた主人公の財布を、智里シナリオでは智里が持ってくるなどの違いがあらわれる。ちなみに麻由美シナリオでも「智里が麻由美に届けてくれた」という話になっていたのでそれほど不自然なことではない。出来すぎた偶然に運命を感じた主人公と智里はデートの約束をすることになる。

智里たっての希望で「占い通り」にやってくる二人。しかし大盛況の占い通り、行列ばかりが目立って入れる店がなかなか見つからない。途方にくれる二人であったが、通りの一角で人気のない「水晶占い」の店を発見し入ってみることにする。いよいよお待ちかね、占いシーンだ。今回のハイライトですよ!!

水晶占いの店に入るとそこには誰もいない。「誰もいないから行列ができてなかったのか!」と納得する二人。そして何故か、書く彦が水晶占いをすることになる。おもむろに水晶に自分の気を注ぎはじめる書く彦なのであった。ハァ?「ちょっとまって、今、水晶に俺の気を注ぐから」ってなんだよ、この世にそんな会話が存在するのか?

なぜか水晶占いの方法について熟知している書く彦。かくいうオレも両手から垂直に発射される生体エネルギーをいまキーボードに照射して文章を書いています(まったくいらない一文)。

やけに具体的かつ、よく読むとまったく意味のわからない文章のつるべ撃ちで頭がグラグラしてくる。っていうか生命エネルギーってなんなんだよ、さっき生体エネルギーって言ってたのとは別のエネルギーなのか……?などと突っ込みだしたらキリがない。
このあたりの下りは全文掲載したいぐらいの凶悪な破壊力を誇っているのだが、そんなことをやっているといつまでたっても記事が終わらなくなるので、気になった方はご自分の目で確かめてみてください。まあ結果としては、智里ちゃんには片思いの幼馴染がいるとのことなので、自分が脈なしだとわかりがっかりする書く彦なのであった。

しかし、他に好きな男がいるにもかかわらずかなりガンガンモーションをかけてくる智里。幼馴染とはあまりうまくいっていないようだ。すぐ乗り換えるあたり狡猾さを感じさせるが、まあこっちとしてはラッキーだしよかったよね。

その後、ついにはこんなことまで言い出す智里と書く彦はドライブデートの約束をこぎつけることになる。ちゃんと数えたわけじゃないので正確なことは言えないが、智里は他のヒロインにくらべてイベント絵が体感的に多い。それだけ力の入ったヒロインということなのだろうか。



ドライブデートでいい感じになった二人、ホタルを見ながらのロマンチックな告白もすんなりと成功し、めでたしめでたし。ドライブデートでも「渋滞中の車内でいきなりシャボン玉をやりだす智里」などのトンデモ展開が数多くあるのだが、泣く泣く割愛した。「Screen」始まって以来の撮れ高があるヒロインである。順風満帆のように思えたが……。


デート後、書く彦宅でなぜか泣き出す智里。いったい何を言ってるのだろうか。察しのいい読者は何かに気づいたかもしれないが、まだ黙って読んでくれよな!

そして、家に帰った彼女と書く彦が出会うことはそれから無かったのだ。告白も成功し、なにもかもうまく言っていたのに、一体なぜ?と混乱する書く彦。

回想でわかるのだがデートの後、こんなことになっていたらしい二人。アダルトゲーム原作であることを否が応でも思い出させる一枚絵だ。しかしこれ、後の展開を知っているとかなりのトンデモなので覚えておいてください。そんなこんなで、謎を残したまま智里ノーマルルートは終了する。

智里トゥルールートに入るためには麻由美ともっと親しくなる必要がある。というか智里トゥルールートは最後の選択肢を除いて麻由美シナリオとまったく同じ道筋をたどることになる。おかしいですね?

その後、デートに向かう道中で車に轢かれそうになる智里。すんでのところでそれを助ける書く彦であったが……。

はい。ということでもういい加減みんな気づいていただろうが、智里は麻由美だったのだ!「別人とされていたヒロインが同一人物」というギミックはなかなか珍しいので(なんとなく察してはいたが)かなりの衝撃だ。ちなみに「別人とされていた人物が実は同一人物だった」というトリックを使ったゲームをもう一本だけ知っているのだが、そちらはミステリーゲームです。タイトルを言うとその作品のネタバレになっちゃうので言えないんですが……。
この展開の衝撃はこのゲームを語る上で外せないものらしく、一部ではこのゲームといえばこの展開ということになっているらしい。結構ギャルゲーはやってきたつもりでいたけど、知らないこともあるもんだなァ。

あまりのことに気が動転しちょっとどうかと思うぐらい激おこする書く彦。っていうか幼馴染がヅラ被ってるだけなのに気づかないお前もある程度悪いぞ!っていうか、ノーマルルートではベッドまで共にしてた描写あって気づかなかったっぽいし、ヤバイぞお前!

激おこした書く彦は麻由美のことを無視しはじめる。いやまあ怒るだけの理由はあるとは思うんだが、それにしたって極端だし、自分が幼馴染の顔を認識できていなかったという問題にこそ向き合うべきなのではって思うけどな……。

そんなある日、麻由美から手紙が届く。手紙によると麻由美は留学が決定していて、それで焦って変装し気を引くなどの行動に出たとのことだった。ぜんぜん因果関係が噛み合ってないような気がするのだが、本人の説明なのでまあ納得するしかない。っていうかまだ二本しかゲームやってないのに留学するヒロイン三人目なんだが、みんなそんなに外国が好きなのか。我が国に未来はないのだろうか。


そして二年が経過する。今日は麻由美が帰ってくる日だ。主人公はすっかり麻由美のことを許していた。そりゃあお前は二年間いろいろなことを考えたんだろうが、こちらは数分前までお前が激怒してる文章を読んでいたところなので感情が引き裂かれるような思いだ。

そして再会する二人。二年間アメリカにいたというのに服装のセンスが全く変わっていないが、親指を立てるジェスチャーがどことなくアメリカの息吹を感じさせてくれる。
ということで、衝撃の智里シナリオは終わりだ。今回のヒロインは特殊だったので第八景と別扱いでもいいか、などいろいろ迷わされたが、取扱説明書では別ヒロイン扱いだしエンディングも別なので、カウント上、別ヒロインとさせてもらうことにした。とはいえ、次回はとうとう長かった『Screen』も最終回だ。噛めば噛むほど味が出るゲームで名残惜しくもあるが、オレは止まらないぜ! 乞うご期待!
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