萌え擬人化コンテンツを手がける台湾企業SimonCreativeは、経営育成ストラテジー『食用系少女 Food Girls』のSteam版の発売が無期延期となったことを発表しました。
同作は、「タピオカミルクティー」や「小籠包」、「マンゴーかき氷」など台湾のグルメを美少女擬人化したキャラクターたちが登場する経営育成ストラテジーゲーム。プレイヤーは地方のナイトマーケットを立て直すため、擬人化グルメたちと共に奮闘していきます。
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日本の有名声優を記名で採用している同作は、ゲームを含むメディアミックス作品として展開中。海外ではコロプラの『魔法使いと黒猫のウィズ』にも登場しています。また、SimonCreativeは台湾・高雄市の地下鉄とコラボレーションしたマスコット「高捷少女」を手がけたことでも知られています。
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Game*Spark編集部がSimonCreativeへと問い合わせたところ、今回のSteam版発売の無期延期は、Valveによる審査時に「未成年ポルノのコンテンツが含まれる」と判断されたためとのこと。リジェクトは三度にわたり、ストーリーや画像のどの部分が問題に当るのか指摘されなかったと伝えられています。
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なお、同作はSteamストアページ上では「性的な示唆コンテンツ」を含んだ作品と説明されていますが、再申請時には内容を修正していたということです。台湾ゲームメディアGNNでは、オリジナル画像の表現に大きな変更が施された修正済み画像を確認できます。
SimonCreativeは「確実にリリースできる自信がなくなり無期延期と発表した」と述べており、“未成年ポルノ”という点を強調するのみで具体的な説明をしないValveの対応に「不十分なところがある」とコメントしました。
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Valveは昨年6月に、違法性・悪意のある内容でなければ制限や区別を行わない旨を発表していました。それでもなお一部のゲームを対象に続いていた「未成年ポルノのコンテンツ」指摘の件について、Valveのスタッフはワシントン州の法律によりあらゆる種類の児童搾取の描写が禁じられていることが理由にあると述べていますが、現状の成人向けフィルタで法的にクリアな状態になっているという反論も寄せられていました。
昨今では、Epic Gamesストアなどの登場によって、PC向けプラットフォーム・ストア競争が激化しています。しかしながら、このようなSteamでの一方的な「未成年搾取コンテンツ」指摘問題は、日本・中国を中心とした一部インディーデベロッパーとの信頼関係、ひいてはValveのインディーデベロッパー全般に対する評判にも影響しかねないもので、更なる「Steam離れ」に繋がる可能性も考えられます。
『食用系少女 Food Girls』は秋葉原のAKIBA-HOBBYでパッケージ版が委託販売中。Steam以外での配信予定については、現時点では検討中とのことです。
※ UPDATE(2019/1/10 20:35):修正点の画像の情報を掲載しました。