Game*Sparkのスタッフが気になるタイトルをピックアップしてご紹介する“気になる*Spark”。今回お届けするのは、1月22日よりSteam向けに早期アクセス配信中のピンボールゲーム『DEMON'S TILT』です。
本作はFLARB LLC、WIZNWARが手がけるデジタルピンボールタイトル。「ピンボール」と聞いて連想するものは読者の皆様それぞれにあるでしょうが、一口に「ピンボール」と言ってもゲームによって多くの細かな違いがあります。
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例を挙げると、実機的な挙動やその再現を狙ったシミュレーター、デジタルならではのギミックを活かしたタイトル、フリッパーを用いたアクションゲームとして構成されたタイトルなど。『DEMON'S TILT』は、そんな「ピンボール」ゲームの中でも、かなりアクションゲーム寄りに構成されたタイトルとなります。
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ストアページで「シューティング」や「ハクスラ(トレジャーハンティング中心のARPGではなく、並いる敵をなぎ倒すという意味でのハック・アンド・スラッシュ)」と謳われている通り、画面狭しと現れる敵や弾幕が本作の特徴です。
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敵や弾幕は単純な障害物兼得点として機能していて、とにかく画面を賑やかしつつ、“ボールを構造物に当てる”というピンボールの基本的な楽しさを心ゆくまで味わせてくれます。
ともすれば退屈や飽きの生じやすい単一台のピンボールゲームですが、本作は三層構成の台であることに加え、各層に数多くのギミックを備えていることもあり、心地よく、楽しくプレイし続けられます。ナッジ(台揺らし)を使いすぎたときの警告も分かりやすいですし、特定方向に玉を加速できる高性能。ミスをしたときの理由が理解しやすく、再チャレンジのハードルが低いのもありがたいところです。
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そして本作を更に特徴づけるのは、ドット絵と派手派手なエフェクトが融合している「現代とレトロ」が混じり合ったかのような画面構成。90年代風の非常にノリノリなサウンドトラックも、昔ながらのデジタルピンボールゲームの魅力をプレイヤーに伝えてくれます。ちなみに、本作はかつてナグザットから発売されていた『エイリアンクラッシュ』『デビルクラッシュ』『邪鬼破壊』などに大きな影響を受けているのだとか。実際のプレイ感も、それらのタイトルを強く思い起こさせる作りとなっていました。
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本作は早期アクセスタイトルとして配信中ですが、今後はボスや様々なアンロック要素、そして「最終テーブル」などの実装予定があるとのこと。前述のナグザット作品では、スコアカンストなどでエンディングへと到達する仕様であったため、コアなファンはそういった要素を『DEMON'S TILT』にも期待したいところかもしれません。いずれにしても、早期アクセス中ながらも十分な完成度を感じられる本作。Steamで発売されているデジタルピンボールとしては、間違いなくオススメできるタイトルです。
『DEMON'S TILT』はSteamにてWindows向けに1,520円で早期アクセス配信中です。