今回プレイするのは、Chucklefishが贈るPC(Steam)向け『Wargroove』。本作は『ファミコンウォーズ』を思い起こさせる、ターンベース型のシミュレーションRPGです。
ストーリーモードからローカル・オンライン対戦モード、詰将棋のようなパズルモード、ストーリー・マップ・イベント等を自由に作成できるクリエイトモードまであるんです。
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小学生の頃から『RPGツクール』にハマっていた僕としては、クリエイトモードがめちゃくちゃ気になっています!ただ、当時『RPGツクール』で中二病全開の痛々しいRPGを作っていたので、中古ゲーム屋でパッケージを見かけるたび、胸がキューッとなります……。
ドットキャラが可愛い!シンプルターン制バトル
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吸血鬼シグリットの手によりチェリーストーンの王が暗殺される。王の娘マーシアは若き身でありながら王女に即位するが、戦争により故郷から追われてしまう。
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敵の軍勢に追われながらも、ゆく先々で他国や部族と関わり同志を集め、戦いの為の力を蓄えていく……。
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ゲームを始めると、90年代アニメを彷彿とさせるオープニングが流れる。いいね。こういうの30代のおじさんにはめっちゃ刺さる……
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ドットキャラによるイベントシーン。マーシア王女もワンちゃんも非常に可愛らしい。
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バトルはシンプルなターン制で、剣士や矛兵などのユニットを動かし敵と戦っていく。
チュートリアルも親切で、ゲームシステムもわかりやすいのだが、1つ不満がある。
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ドットであんなに可愛かったマーシア王女が、ビジュアルでは微妙に濃ゆい顔をしているのだ……!
他のキャラはビジュアルは結構可愛いのに、マーシア王女だけおばちゃんみたいな顔をしてて残念……と思っていたのだが……
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ゲームを進めてマーシア王女に愛着が湧いてきたのか、全然可愛く見えてきた!
いや、やっぱおばちゃんっぽいな……
村を占拠して金をかき集めろ!
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初期配置のユニット以外は、バトル中に雇い入れる事になる。
ユニットの種類は様々あり、基本の剣士や弓兵、遠距離攻撃が出来る投石隊、ウミガメや戦闘犬などの動物ユニットなんかも登場する。ユニットごとに相性があるので、マップの地形や戦況に応じて使い分けていく事になるのだ。
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などと言いつつも、ワンちゃんユニットが可愛すぎて、有り金全てを使ってワンちゃんを雇いまくる。
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本当に何の関係ないけど、僕は昔犬の訓練の仕事をしていた。
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閑話休題。村などの構造物を占拠して自軍の物にすると、ターン毎に100Gの収入が得られる。そのお金を使ってユニットを雇えるのだ。
敵も同じように占拠した構造物から収入を得てユニットを増強してくるので、敵の占拠している構造物を奪って収入源を断つのが攻略の鍵だ。
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いつか一揆を起こされそうだ(そんなシステムは無い)
最大4人まで対応!充実の対戦モード!
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本作は対戦モードも充実しており、ローカル対戦や、世界中のプレイヤーと戦えるオンライン対戦がある。
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ローカル対戦は同じ端末で4人までプレイ出来る。
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オンライン対戦は招待コードを入力して友達とプレイしたり、野良で見知らぬ誰かとプレイ出来る。こちらも最大4人まで対応しているのだが……4人対戦はなかなかマッチングしなかった。2人対戦はすぐにマッチング出来たので、こちらで遊んでいこう。
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マップの左右に分かれて対戦開始だ。
相手はCPUではなく人間なので、ターン毎に思考時間もかかる。
これは長期戦になるだろう……よし!
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お菓子とジュースも用意したし、長期戦の準備は万端!対戦開始だ!
シングルプレイと同じく、まずは構造物を占拠してお金を稼ぎ、自軍のユニットを増強していくのが定石なのだろう。だがそんな定石を無視して敵陣に突っ込む!一見無謀な策に思えるが、定石を無視する事により相手を混乱させる作戦だ。
見よ!これが「兵は拙速を尊ぶ」だ!
……
………
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馬鹿みたいに突っ込んだ自軍の司令官が討ち取られ、あっさり負ける。
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相手が強かったのと僕が弱すぎたのもあり、5ターンという超短期決戦で、お菓子は一口も食べなかった……。やはり堅実に戦っていくのがベストだろう。
オリジナルストーリーを作れ!クリエイトモード
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クリエイトモードでは、『シミュレーションRPGツクール』のようにストーリーやマップ、イベントなどを自由に作成出来る。
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ユニットや構造物はもちろん、地形なども変更可能で、かなり作り込む事が出来そうだ。
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動きのあるイベントシーンも作成可能だ。ゲムスパを題材にしたストーリーだって作れるぞ!
前述したとおり、僕は昔から「ツクール系」のゲームが大好きで、高校生の頃は友達と一緒に『シミュレーションRPGツクール』で小学生が喜びそうな下ネタ満載の超絶くだらないゲームを作っていた。
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メモリーカード5枚分の超力作下ネタSRPG……!
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他人が作ったゲームもダウンロード可能だ。すでにかなりの数のゲームが作成されている。誰かの作ったマップをプレイしているだけでもずっと遊んでいられそうだ。
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ストーリーモード、対戦モード、クリエイトモードに加え、5回のバトルを勝ち抜くアーケードモードや、1ターンで敵を倒す詰将棋のようなパズルモードがあり、遊びごたえは抜群でした。レトロタイプのシミュレーションRPGながら、チュートリアルや倍速モードなどが充実しており、遊びやすさは最新のゲームと遜色がありません。シンプルなシステムで、難易度調整も細かく出来るので、SRPG初心者でも楽しめると思います。
ただ、名前のついたキャラはあまりおらず、レベルアップや装備というユニットを育てる概念もないので「お気に入りのキャラで無双したい!」という方はご注意です。
『Wargroove』は、ニンテンドースイッチ/PC(Steam)を対象に配信中。価格は2,050円(税込)です。
吉田輝和のプロフィール:19年にわたって自画像の絵日記を書き続けているおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、2018年にはアニメ作品に2回登場した。何故こんなに漫画登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。