気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Proud Dinosaurs開発、PC向けに2月8日リリースされた2.5Dパズルアクション『Macrotis: A Mother's Journey(マクロティス:母親の旅)』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ミミナガバンディクートが主人公の2.5Dパズルアクション。母親である主人公が、洪水で離れ離れになってしまった子供たちを助け出すため、地下世界を冒険します。幻想的な雰囲気の中、様々な能力を手に入れ、謎を解き、進んでいきます。日本語にも対応済み。
『Macrotis: A Mother's Journey』は1,010円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
KeremProud DinosaursのマーケティングディレクターのKeremです。私たちはトルコ・イスタンブールを拠点とする小さなインディースタジオです。メンバーは全員、加入の時期は異なるものの、設立以前からの友人たちで、そのおかげもあり、どんなに大変なときでもオフィスに来るのは楽しいものです。私は大学の学位を取らなくてはいけなかったため遅れて参加したのですが、メンバーの数人は当初別々の会社で働いていました。それでも、友人たちと一緒にゲームを作るということにとても憧れていたのです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Kerem私たちのデビュー作となる本作の開発は、2016年に始まり、それから2年半かけ、2019年2月8日にようやくリリースすることができました。私たちこの作品を誇りに思いますし、Steamレビューでもとてもいい評価をいただいているので、とても嬉しいです。本作がどのようにして最終版となったのかという話は、とても長いものになってしまいます。今ある本作は、2.5Dのパズルアクションで、敵も出てきませんし、戦いもありません。当初のアイデアは、これとはかなり異なりました。「Happy Tree Friends」にインスパイアされた、バイオレンスでゴアでありながら、可愛らしい見た目のものにしようとも思っていたのです。私たちのゲームは今も可愛い見た目ですが、バイオレンスは全くありません。
このプロジェクトの開始時点で、本作の大まかなアイデアはありました。私たちには、メインキャラクターが洪水に追われ、地下を進んで行くという変わったアイデアがありました。最初のブレインストーミングセッションで、サバイバルゲームにするか、アドベンチャーゲームにするか、それとも戦闘に比重を置いたゲームにするか話し合いました。最終的に、2Dアドベンチャーゲームで行こうということになったのです。
キャラクターの選定においては、地下でも快適で、物をかじり、厳しい環境でも生き抜ける生き物にしようと思いました。そして、げっ歯類にしようと決めたのです。しかし有名なネズミやウサギはたくさんいますので、主人公はミミナガバンディクート(オーストラリアの絶滅危惧種)に決めました。3匹の母親であり、可愛く、強いメスの主人公です。
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3週間で最初の2つのチャプターにおける全てのパズルを紙の上でデザインし、Unityへの実装を開始しました。しかし計画は思ったようにいきませんでした。開発中、当初予定していたシステムが開発スケジュールでは実現できないことに気づいたのです。悲しいことに、この2つのチャプターにおいて採用予定だったパズルの一部をボツにする必要がありました。何ヶ月もかけて作ったパズルが無駄になってしまいました……というわけではありませんが。
プロジェクトが進むにつれ、私たちも一緒に前へ進み、成長していきました。新たにデザインした部分は初期にデザインした箇所より複雑でコンパクトになっています。今では、より挑戦的で楽しい第2チャプターができました。当初のデザインの半分ほどのサイズに見えますが、もっと大きく感じますよ。第3、第4チャプターもその後追加しましたが、これまでのものとは大きく異なり、追加されたシステムによりパズルはより複雑になっています。
――本作の特徴を教えてください。
Kerem本作にはいくつかユニークなシステムが搭載されています。最初、主人公は他のアクションゲームで見られるような、ジャンプ、押す/引く、といった普通の能力しか持っていませんが、先に進むにつれ特徴的な能力を習得していきます。例えば、重さのない魔法の姿に変身でき、もろい足場を壊さずに渡れます。しかしプレートは起動できません。この姿では薄い壁を通り抜けることもでき、他の方法では行くことのできない場所に行くことができます。より先に進むと、危険なものから身を守る壁を作り出すことができるようになります。これは登るのにも使え、高いところに行くときに役立ちます。それぞれの新しい能力を習得するにつれ、パズルはより複雑になるので、プレイヤーは様々な能力を組み合わせなくてはいけません。
私たちは、自分たちのアートチームをとても誇りに思います。音楽の作り上げる魔法のような雰囲気もあり、本作は美しく、ユニークな作品に仕上がっています。魔法のような雰囲気で展開する、心をつかむようなストーリーは、プレイヤーにどっぷりと浸れるゲーム体験を提供するでしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Keremいいえ、他に類を見ないような作品を作ろうと思い、これに成功したと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Kerem日本のゲーマーの皆さんは挑戦が好きだと聞いていますので、本作はぴったりなのではないでしょうか。本作のアートスタイルも、日本市場にマッチすると思います。アートスタイルは可愛くカラフルですが、パズルは徐々に難しくなっていきますよ。
――ありがとうございました。
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