
企業の一社員として未知の惑星に降り立って工場を建設し、生産ラインを自動化をしたり謎の生物と戦ったりするオープンワールドゲーム『Satisfactory』のプレイレポートをお届けします。
本作はスウェーデンのインディーデベロッパーCoffee Stain Studiosによって、3月19日にEpic Gamesストアで早期アクセス版が配信されました。Coffee Stain Studiosと言えば、筆者的には名作タワーディフィンスFPS『Sanctum』シリーズなのですが、2014年にSteamで配信された次世代ヤギシミュレーションゲーム『Goat Simulator』のインパクトが強すぎたため、今や「ヤギゲーを作った会社」と言った方が通じやすかったりします。
本作はもともとSteamで配信予定だったのですが、Epic Gamesストアでの独占配信に変更。Epic GamesストアのほうがSteamに比べてデベロッパーの得られる収益が大きいなどの事情があったのかもしれませんが、Steam配信を楽しみにしていたゲーマーたちからの反発を招くことにもなりました。
今回はプレイレポートなのでその辺りの大人の事情は置いておき、純粋にゲームとしてはどうなのか(こういうことを知るためのユーザーレビュー機能がEpic Gamesストアにないのは不便かなとは思います)、さっそくプレイしていきましょう。
未知の惑星に降り立つゲムスパ

本作は初起動時は英語ですが、オプションで言語を変更することで日本語化できます。「新しいゲーム」をスタートすると、まずはどのような環境の惑星でプレイするかを選べます。平坦な土地が多くバイオマスが豊富な「草原」、荒涼とした砂漠地帯の「Rocky Desert」、肥沃な山地の「北の森」の3種類がありますね。初心者向けなのは「草原」なので、これを選びましょう。ちなみに、このゲームは最大4人でプレイすることができます。

ゲームは、惑星に向かう宇宙船の降下ポッド内から始まります。目の前のモニターでは、このゲームの大まかな目的を説明してくれます。基本的には「建設、資源探索、工程の自動化」の3つ。資源を集め、加工施設を造り、一連の工程を自動化していくというのが目的です。

やがてポッドは降下を始め、未知の惑星に降り立ちます。窓から見える緑豊かな景色に冒険心をくすぐられます。ちなみに主人公はFICSITという企業の社員で、ワンオペで惑星開拓に向かわされています(ひどい)。とりあえず主人公を「ゲムスパ」と呼ぶことにしましょう。

そして着陸。降下ポッドの外に出るゲムスパの前には、探索しがいのある惑星の景色が広がります。ワクワク感が半端ないですね。これからこの惑星をどう開拓していくのか、ゲムスパ(ワンオペ)の腕の見せどころです。
まずは資源集め

到着してまずやることですが、乗ってきた降下ポッドの解体です。これにより、拠点(HUB)を建設するための資材を得ることができます。しかしこの惑星からの脱出手段がありませんね。企業はちゃんと迎えに来てくれるのでしょうか。不安になってきました。

次にアイテムの装備です。電気ショックを与える護身用の武器「ゼノ・ザッパー」があるので、インベントリ画面でこれをゲムスパに装備させます。この惑星には攻撃を仕掛けてくる生物もいるので、場合によっては戦わなければなりません。

施設やアイテムを作るには鉄が必要です。Cキーを押すことによって、周囲の鉄鉱石をスキャンすることができます。300メートルほど先に鉄鉱石があるようなので、そこへ向かいましょう。

道中にある植物やら葉っぱやらも拾うことができます。何に使えるかはまだわかりませんが、このあたりはサバイバルゲームっぽいですね。

鉄鉱石の塊が目視できたところで、異星生物の登場。近づいたら、いきなり突進してきました。ぶつかってダメージを受けてしまうゲムスパ。謎の生物は一直線に走り去り、どこかへと行ってしまいました。「宇宙イノシシ」と勝手に命名しておきます。

ひとまず異星生物は無視し、鉄鉱石の採掘です。Eボタンを長押しすることにより、ゲムスパはノミのようなものを使って人力での採掘を始めました。企業からもうちょっといい道具を支給されなかったのでしょうか。こういう面倒な作業もあとで自動化してしまいたいものです。
拠点を造ろう!

Qキーで建設メニューを呼び出し、鉄鉱石採掘場のそばに、拠点となるHUBを設置します。ここで資源の加工やアイテムの作製などができます。本作におけるもっとも重要な施設です。

HUBに設置されたターミナルでは、必要な資材を投入することにより、HUBのアップグレードが可能です。HUBのレベルが上がることによって作製できるアイテムや施設がアンロックされていきますので、積極的にアップグレードを行った方がいいでしょう。

ちなみに開始時は作れるものがかなり限られています。次のレベルへアップグレードするには「鉄のロッド」が10本必要です。今は鉄鉱石しか持っていないので、まずはこれの加工からです。

HUBターミナルのすぐそばにある装備品作業台で、ここで鉄鉱石の加工を行います。ワイヤーやケーブル、ネジなど、建設用パーツを作るのもすべてここで行えます。

アップグレードに必要な鉄のロッドですが、材料として「鉄のインゴット」が必要です。鉄鉱石から直接作ることはできませんので、まずは鉄のインゴットを作りましょう。加工はメニューにあるハンマーアイコンを押しっぱなしにすることで、材料がある限りどんどん作ってくれます。

HUBターミナルに戻り、アップグレード画面を表示。アイテム欄から鉄のロッドをドラッグアンドドロップし、アップグレードボタンを押します。これでHUBのレベルが上がり、作製可能な施設やアイテムがアンロックされました。
周囲を探索

日が暮れてきました。HUBの床下からグルグルと唸り声が聞こえてくるので見に行ったところ、先ほどの宇宙イノシシが鉄骨に嵌って動けなくなっていました。ゼノ・ザッパーで殴ったら倒すことができ、「異星生物甲殻」をゲット。何かの素材になりそうです。

床下にはイヌトカゲという可愛い生き物もいました。攻撃してこないので、友好的な生物のようです。撫でることができるので撫でてみたら、すごい速度でどこかへ走り去ってしまいました。いずれ飼いならすことができるかもしれませんね。

周辺を歩いてみると、「ベリル・ナッツ」という木の実を発見。このゲームでは飢えや渇きの要素はありません。食べると体力が半コマ回復しました。このまま使うには回復力が弱いですね。

探索を続けていると、やがて夜になりました。そして足の長い巨大生物を発見。動きも遅いし攻撃をしてこないので、敵対生物ではなさそうです。「宇宙ゾウ」とでも名付けておきましょう。

宇宙ゾウを眺めていたら、背後から宇宙イノシシが体当たりを仕掛けてきました。ゼノ・ザッパーで対抗するものの、ゲムスパの体力が少なかったため殴り合いで敗北。本プレイ初の死亡です。

死亡後、拠点からリスポーン。アイテムはすべて失ってしまいました。唯一の武器であるゼノ・ザッパーもありません。画面上部に死亡した位置の情報が出ていますが、もしかしたらアイテム回収できる?

急いで死亡地点まで戻ると、アイテムボックスが落ちていました。開けると先ほど失ったアイテムを入手。よかった。拠点にアイテムボックスがあったので、必要のないものはそこで保管しておいたほうがよさそうですね。
自動化の始まり

鉄鉱石の採掘を自動化したいので、「携帯用採鉱機」の作製に取り掛かります。材料として必要なのは鉄板x4、ワイヤーx8、ケーブルx4です。ワイヤーを作るのには「銅のインゴット」が必要で、インゴット作製には「銅の鉱石」が必要になります。

先ほどHUBをアップグレードしたことにより、Cキー長押しでスキャナーの探索物を鉄鉱石から銅の鉱石に切り替えることができるようになりました。これで銅の鉱石を採掘しに行きましょう。

材料をそろえ、携帯用採鉱機が完成。HUB近くの鉄鉱石採掘場に設置すると、自動的に採掘を始めました。採掘した鉄鉱石は採鉱機に保留されるので、定期的に取りに行く必要があります。

インゴットを作るための製錬炉もそばに設置。しかし電力がないので動きません。HUBにある発電機「バイオマス・バーナー」とケーブルでつなぐ必要があります。バイオマス・バーナーは葉っぱから作れる燃料「バイオマス」によって稼働するので、それも造らなければなりません。

バイオマス・バーナーに燃料を入れ、製錬炉とケーブルでつなぎます。これで製錬炉が起動しました。次は製錬炉で作られたインゴットを鉄板に加工する工程を自動化していきます。それには「ベルトコンベア」が必要なのですが、レベル3の技術なので、HUBをさらにアップグレードする必要があります。

HUBのアップグレード後、インゴットを別の素材へ自動加工してくれる「製作機」を設置。製錬炉との間をベルトコンベアでつなげることで、製錬炉で作られたインゴットが製作機へと自動的に流れていくようになりました。初の自動工程成功です。結構長い道のりでした。
現在は携帯用採鉱機で採掘を行っているため、手作業で製錬炉に鉄鉱石を放り込まなければなりません。この過程も自動化することができますが、携帯用採鉱機にはベルトコンベアを接続できないので、HUBのレベル4にある採鉱機が必要になってきます。完全自動化への道はまだ遠そうですが、ゲムスパはこの調子で企業のために頑張っていきたいと思います。
やり込むほどに愛着が沸いてくる自動化工場
本作は『Factorio』の3D版とも言うべき内容で、一人称視点で立体的に工程ラインが動くのを見ることができるのはなかなか楽しいです。面倒だった素材作製が自動化されると、「仕事が楽になった!」と嬉しくなり、ラインに愛着も湧いてきます。ただチュートリアルが若干説明不足な感じで、最初のHUBを作った後はほぼ手探り状態でいろいろ試しながら作業を進めていました。

それと上位の物を作製しようとすると、それに必要な材料があり、その材料に必要な材料がまたあって、さらにその材料の材料が……と、ゲームが進むにつれてどんどんレシピが複雑化していくため、結構頭がこんがらがってきます。記憶力の限界から救われるためにも、ラインの自動化は必須と言えるでしょう。
「楽をするために苦労する」という、冷静に考えてみればよくわからないことを延々と続ける本作。その先にはどんな未来が待ち受けているのか。完全自動化を達成した暁には、企業から「じゃあ、ゲムスパ。明日からおまえいらないから」と切り捨てられてしまわないことを切に願います。
製品情報
『Satisfactory』
開発・販売:Coffee Stain Studios
対象OS:Windows
通常価格:3,380円
サポート言語:日本語、英語など15カ国語
Epic Gamesストアページ:https://www.epicgames.com/store/ja/product/satisfactory/home
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください