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シリーズ史上初のオンラインゲームとなった『Fallout 76』ですが、今年2月にロードマップが発表されました。今回皆さまにお届けするのは2019年3月13日より配信開始された春の大型アップデート群「Wild Appalachia(ワイルドアパラチア)」のプレイレポートです。かつて筆者が本作のレビューを行ったときにはいくらか苦言を呈しましたが、アップデートされてから再度遊んでみて評価も少々変わりました。そしてローンチ後から半年が経って迎える初めての春は、ボリューミーでめっちゃ遊べるようになっていた! という感慨とそのプレイ内容を皆さまにお届けいたします。なお、本稿はレビューではなく、コンテンツのプレビューといった内容になっております。
未確認生物を追え!追加クエスト「Lying Lowe」
「Wild Appalachia」アップデートではクエストも追加されています。それが最初にご紹介する「Lying Lowe」です。これは複数のクエストで成り立っており、最初のクエストを終わらせると次の内容へと続いていく連続クエストです。
本作には駅が点在しており、そこにいるロボットのトレーダーに様々なプレイヤーが訪れます。追加クエストは駅に貼られたポスターの閲覧をトリガーにして始まります。このクエストでは「シープスカッチが弟を食べた!」という、未確認生物と事件が提示されており、この謎を解いていくことになります。
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ポスターにあるとおり「バン・ロー剥製店」へ入るとホロテープがあり、その音声には女性(つまり姉)の証言が残されています。剥製店には仕掛けや隠し扉などがあり、弟の部屋で情報を得るために謎めいたメモを読み解いたりと、ほんのりミステリー風味。
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指示書やホロテープで登場するウルフという人物や、ブラック・シープというコードネームを持つ者、未確認生物がいるとしてどうやって繁殖しているのかなどなど……なにかと気になる展開が続くクエストですが、最終局面でこのクエスト自体に役割があるということが明らかになります。あえてネタバレを避けますが、このクエストはオンラインゲームに存在するアレに繋がることとなります。
カメラで止まるな!「Bucket List」
スクリーンショット撮影を通じた遊びの幅を広げる追加アイテム「プロスナップデラックス・カメラ」は、特定の候補地にランダム配置される「アンセル」という男の遺体から入手できます。回収すると共に「Bucket List」というクエストがスタート。彼がとある目的で行っていた撮影旅行で、まだ撮り終わっていない場所を代わりに撮影しにいく……というクエストが進行していきます。これまで意識して向かったことのない場所を訪れる動機になったり、カメラは装備して武器のように構えて撮るので(撮った写真はフォトモードのギャラリーに追加されます)目新しい楽しさが味わえます。
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今回は、アンセルが湧くと噂されているアパラチア北部「タイラー群移動遊園地」と「ケリー大佐記念碑」と「フィルピー墓地」の3箇所(スポーン地点の総数はそれ以上)をログインする度に見て回り、なかったらログアウトしてもう一度入り直す、という別のサーバーチャンネルに入れる手法(希に同じになりますが)を使いました。
これを一人で繰り返すこと数時間……精神にRADが溜まってしまい異常をきたす寸前、ハッと思い浮かんだフレンドに相談して「お互いにサーバーマラソンをしてアンセルが出たら片方に報告する」という作戦に出ました。そしてわずか30分でフレンドが発見!
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気付くとフレンドはフッといなくなっていたのですが、脳に溜まったRADが見せた晩春のドリーミングな幻だったのかもしれませんね。ファストトラベルで飛んで回っている最中、少しずつ少しずつ料金のキャップが減っていくのにつれて「ジジ……ジジジ……」という音が聞こえていたように思いますが、スコーチの気持ちが少しわかったように感じられてたまるか! 人でありたい!
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今夜はブギー・アパラチア「Wasted on Nukashine」
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そんなこんなで(?)疲れた心を癒やそう、溜まったRADをアウェイしたいと思っていたところ、社交パーティの呼びかけをしているポスターが駅に貼られているではないですか。それを読んで現地に辿り着くと、家の中はぼろぼろに荒廃しています。
そこではなにか密造されていたお酒が関わっているようで、家の中には「ヌカ・シャイン」なるものが置かれています。この類いの水分を摂取するとRADが消えるはず、それは『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズで習ったシューターの常識です。
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フロアには華やかな光どころか白骨死体が転がっていますが、クエストの指示に「飲め」とあるので、それでは失礼とばかりに飲み干してみるととんでもないスーパーパワーが! 異様に素手での攻撃力、要は“ガチ”というやつの攻撃力が上がっていてAPの回復速度も異常です。なぜか路上で戦わされています。
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路上でガチはマジヤバい。と思ったのもつかの間、暗転して気付くと見知らぬ土地で倒れていました。手にはヌカ・シャインのラベルがあり、そこには暗号めいた文言と共に「酒をおごってあげる」と書いてあります。「ジジ……ジジジ……」という音が聞こえるように感じられるので、もう少々クイッとやらねばRADはアウェイしてくれないなと思った私は、全速力の千鳥足で暗号の答えを突き止めました。暗号が示していたのは、どうやらタトゥーパーラーだったもよう。その裏手には「Nukashine」というアルファベットが書かれたプレートがありました。
ここでとある人物と出会い、ヌカ・シャインの作り方、醸造、発酵の仕方を学ぶことができます。言い方を変えると、このクエストでヌカ・シャインと醸造と発酵のクラフトがアンロックされるということです。
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醸造は野菜などの材料をもとに発酵中のアルコール類を作れるというシステム。本作に存在する「腐る」という要素と繋がっていて、発酵しているモノの「CND値」がなくなれば、お酒として完成する!といった仕組みになっています。そして発酵中のモノを発酵槽に入れると発酵速度(CND値の減少速度)が上がり、素早く完成品を味わうことができます。ヌカ・シャインもこの醸造・発酵のシステムを利用して作りますが、ヌカ・シャインは発酵が進むと「ビンテージ」状態になって効果が上がるという側面もあります。
バックパック追加だけじゃないパイオニアスカウト「Ever Upwards」
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すっかり酔いも覚めてきたところで、本項執筆においてもっともやりがいがあったものをご紹介いたします。「パイオニアスカウトの理念を実証する」という、長期戦になるであろう、かつ連続クエストでもないという特殊な立ち位置の複合クエストです。
本作では重量が大きな制限となっていたため、それを拡張できる「バックパック」は待望の新要素だったといえるでしょう。前述したパイオニアスカウトの理念を実証するクエストで取得できるようになりますが、これは受注したあとに「オタマジャクシ試験」を受けることになり、チャレンジを達成する必要があります。
そのチャレンジこそが本件を特殊たらしめており、概要は「メニュー画面を開き、チャレンジの項目に存在する“オタマジャクシバッジ”チャレンジ10種類のうち3種類を達成する」といったものです。それぞれのカテゴリーに当てはまる行動(たとえば「射手」のチャレンジであればクロスボウの矢を50個作製、クロスボウを3回修理など)を取ることによって、達成条件が満たされます。
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また、チャレンジ以外にも小規模な「デイリークエスト」を2つクリア、さらに「仲間を復活させる」という条件もあり、複合クエストと呼べるものとなっています。復活……スコーチビースト・クイーン戦に紛れ込んでとか……どうしよう……知らない人と接するのこわい……そう悩んでいたところ、ふたたびフレンドがさっそうと現れ、高台から飛び降りて復活させる機会を下さりました。これは余談ですが、このフレンドはインサイドちゃんのファンで彼女からTwitterでリプライをもらって喜んでいました。これからも人生にゲームをプラスするメディア「インサイド」をよろしくお願いしまスパといったところで、筆者が試した攻略を記します。
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個人的に苦労を感じつつも達成できたものとしては、「射手」チャレンジが挙げられます。前述したクロスボウが絡むものです。これにはちょっとした落とし穴があり、「クロスボウを修理する」というのが多少厄介だったりします。クロスボウを制作するときには「Gunsmith」PERKのランク2が必要ですが、もう既にランク5まで取得している場合、耐久力が150%の状態のものを作れてしまいます。これを修理するにはクロスボウの耐久力を99%まで下げなければならないわけですが、クロスボウの発射速度は遅く、とてもではありませんがそこまでの作業はしていられません。
そこで役立つのが「落ちているクロスボウを拾って直す」メソッドです。「曲路の宮殿」にファストトラベルして、入り口から左手の奥に進んだところにクロスボウが置かれているので、それをゲットして修理するという方法です。修理だけなら任意で100%以上にならないよう修理できるので、それを直したら適当に敵を撃って、再び直すことで「3回のクロスボウ修理」を楽に達成できます。
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他には、スピードランを要求されるが比較的条件はゆるい「アスリート」や、動物の沸く場所さえ見当が付けばなんとかなる「ハンター」もオススメです。シリンジャーでヤオ・グアイを倒すという条件は、やりようによっては難儀するかもしれませんが、筆者はこの3種類のチャレンジでバックパック取得にこぎ着けました。なお、知識試験に関しては洒落などではなく本当の知識を要求してくるという「『Fallout』的には意外とナナメと思わされるアプローチ」をしてくるので、検索エンジンなど世の中にある便利ツールに頼ってもよいかもしれません。
追加ダンジョン・バローズ、追加クエスト「Waste Management」
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最後に挑んだのが「高難易度ダンジョン・バローズ」となります。一度ソロで臨んでみたのですが、自分のレベルや装備ではどうにもならないことが判明し、再度フレンドに呼びかけたところ、ちょうどインサイドちゃんのファンイラストを描いていたというタイミングだったようでしたが快諾して下さり、いざ攻略しまスパ!
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地下に潜ると早々「B.O.S.」の遺体があり、残されたホロテープを聞くと「大量の軍用ロボットがあるので偵察へやってきた」という様子。聞き終わると同時にクエスト「Waste Management」が始まります。
ダンジョン内では伝説の敵がそこそこ湧き、また「バルブを回してドアを開ける」などの進行トリガーを引くたびに敵のウェーブのようなもの(ラッシュ)がやってきます。火力のみならず防御力も要求される、なかなか厳しいクエストとなります。前半戦はフェラル・グールが主な敵として湧き、後半にさしかかってからはロボットに切り替わるといった内容です。
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最深部に待ち構えるロボットたちを倒してクエスト終了となり、報酬がもらえますが、道中でルートできるアイテムも魅力的なダンジョンといえるでしょう。使い道のないようなレジェンダリーもレジェンダリー調達人追加アップデートによってチケットに交換して、それを使ってランダムなレジェンダリーを得られるようになったので恩恵があります。
今回の「Wild Appalachia」では、「既にレベルが3桁に到達してレジェンダリーをひたすら掘っていたプレイヤー」向けというよりは、少し放置していた人を再度迎え入れたり、のんびり遊んでいた人の楽しみをさらに注ぎ足すような内容になっているはずです。「まだまだ楽しめるじゃん!」、「やめてたけどもう1回プレイする価値あったよこれ!」といえるように思いました。クエスト自体が新要素のチュートリアルになっているものが多かったり、レイドコンテンツと呼べそうなものも追加されていたりと、思っていた以上に遊べました。
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本稿執筆時で春の大型アップデートはひとまず完了しておりますが、今夏には「Nuclear Winter(ニュークリアウィンター)」アップデートが到来します。それらが出揃ったらふたたびプレイレポートを行う予定ですので、様子を見ている方はまたぜひとも記事をチェックしていただけたら幸いです。現在進行形でプレイされている方は何かしら感じた部分をコメントしてくださると嬉しく思います。それではエンジョイ・ユア・ステイ・イン(オア・バックアゲイン)アパラチアウェイストランド!
『Fallout 76』
機種:PlayStation 4/Xbox One/PC
日本語版リリース日:2018年11月14日
価格:8,618円
開発元:Bethesda Game Studios 販売元:Bethesda Softworks
公式サイト:https://fallout.bethesda.net/games/fallout-76
※筆者プレイ環境:PC (Bethesda.net)
※筆者プレイ時間:39時間(7600時間プレイチャレンジ進捗にて確認・ワイルドアパラチアのみのプレイ時間)