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韓国ではすでにオープンβが行われているMMORPG『LostArk(仮称)』(以下、『LostArk』)。その爽快感たっぷりな戦闘システムやダイナミックなカメラワーク、それぞれ特徴を兼ね備えつつ、プレイスタイルが大幅に異なるキャラクタークラスなど、数多くの魅力に溢れている本作は、韓国にて同時接続数約35万人を記録するほどの人気MMORPGとなっています。
この調印式にて、Smilegateとゲームオンにより、『LostArk』における日本独占ライセンス契約が結ばれました。今回はその調印式の模様をお届けします。
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右:株式会社Smilegate RPG 代表取締役 ジ・ウォンギル氏
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右:株式会社Smilegate 本部長 クム・カンソン氏
『LostArk』は作品の発表自体は2014年にされており、約6年の月日を経て開発が進められていました。3年ほど前に行われたクロースドβ、昨年開始されたオープンβを経て今回の調印式が、日本展開への第一歩となっています。
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式開始後、ジ・ウォンギル氏とクム・カンソン氏より、本作の魅力についてコメントをいただきました。
ウォンギル氏:「多様なクラスによるスキル、ビルドを用いた戦闘やアクションが非常に魅力のある出来になっています。特にシネマティックなシーンがシームレスにつながっていくことで、ユーザーの体験を違和感なく自然なものにしてくれています。」
カンソン氏:「この『LostArk』は日本のユーザーに愛されるであろうコンテンツがたくさん詰まっています。というのも日本のゲームが大好きな開発者たちが集まって作ったゲームですので、日本ユーザーの皆様に実際にプレイしていただいた際、きっと良い反応が得られるかと思っています。」
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式の途中ではメディアによる質疑応答も行われ、本作で気になるポイントについて伺うことができました。
■質疑応答
――日本でのリリース時期の予定はいつ頃になりますか?
本日契約を交わしたばかりですし、ゲームコンテンツの量が膨大なものになっておりますのでローカライズや調整等を考えますと、現段階では明確にリリース時期をお教えするのは難しいです。しかしゲームオン、Smilegateとしてもお互い早めに出したいという気持ちはありますので、日本のユーザーの皆様のもとに早くこの『LostArk』を届けていきたいですね。
――日本では生活コンテンツ、韓国ではPVPコンテンツがユーザーの趣味嗜好に合っているかと思うのですが、そういった両国の違いをどのように対応していくのでしょうか?
韓国のユーザーはPVP、日本のユーザーは生活コンテンツを重視する傾向にあるとは思いますが、それだけではなく、シネマティックダンジョンやボスレイド、大陸探検や航海など非常にたくさんのコンテンツが実装されていますので、どちらのユーザーが、ということなく多くのユーザーをカバーできるものとなっております。また、今後そういった各々の国のユーザー特性・文化も考えつつ、コンテンツの追加・調整をしていきたいと思っています。
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――テストプレイにおいて、種のようなものがフィールド上に落ちていたのですがこれはどういったものなのでしょうか?
この種のようなものは本作のコレクションアイテムとして存在しています。本作では数多くの大陸が存在しますが、それらのフィールドで隠しアイテムとしてみつけることができるものになっています。この種を集めれば集めるほど、船や遠征隊の成長をはじめとしたさまざまなごほうびが獲得できます。また種の数はアカウント共有になっていますので、旅の最中に探してみてほしいです。
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――『LostArk』はクォータービューでのハック&スラッシュというデザインを採用していますが、なぜこうしたデザインになったのでしょうか?
最近の3DMMORPGではカメラの操作が大変になって、ユーザーはアクションに集中しているがゆえに戦略的に状況を判断するのが難しくなることが多いです。
クォータービューにすることでアクションをしながら、どの敵を相手にすべきなのか、今どのスキルを使えば乗り切れるのかといったような状況判断に際して余裕を持たせることができるんじゃないかということ気にかけてみた結果、このようなデザインとなりました。
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――衣装デザインや武器デザインがどれも魅力的な本作ですが、現状どれほどの装備が用意されているのでしょうか?
プレイヤーキャラクターの装備品に関しては現在数百種類の装備が準備されており、性能重視、見た目重視の装備と2つのスタイルに分かれています。ユーザーは旅の途中、数多くの方法によって装備品や衣装を獲得できますので、自分のプレイヤーキャラクターを着飾る楽しみ、また装備品を集める楽しみも存在しています。また日本ユーザーの好みに合わせた展開もできれば嬉しいと思っているので、ゲームオンと話し合いをしながら進めていきたいですね。
――シネマティックダンジョンについて質問です。普段は俯瞰視点固定ですが、このシネマティックダンジョンにおいては操作シーンとイベントシーンがシームレスにつながりつつ、ダイナミックなカメラワークによって非常に迫力のある体験ができました。このダンジョンを作るとき、どのようなこだわりをもって制作したのでしょうか?
クォータービューはユーザーが戦闘する際、比較的余裕を持って攻略できると思いますが、どうしても地面ばかりを見てプレイしがちになります。このシネマティックダンジョンのように、ユーザーがより高い臨場感でゲームを体験できるよう気にかけながら制作しています。もちろんゲームプレイに支障が出ないように、キャラクターやモンスター、フィールドや建造物のモデリングなどを損なうことなく、ユーザーがより深く没入できる体験ができるようなカメラワークを心がけています。
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――韓国では本日(7月4日)から新クラスが実装されていますが、日本展開時のバージョンはどの時点のものになるのでしょうか?
日本においてどういったバージョンで展開していくのかは、先程質問でいただきました新クラスや装備品などを含め、各社互いに深く話し合いをしたうえで進めていきたいと思っています。
リリース時期は未定ながら、現時点でもMMORPGとしての魅力が十分備わっている『LostArk』。今回の独占ライセンス契約は、日本での展開への大きな第一歩となったことでしょう。筆者もテストプレイをさせていただき、久しぶりにMMOをやり込みたいという気持ちにさせてくれた本作ですので、今後の続報も期待して行きたいですね。
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取材協力:ゲームオン