【e-Sportsの裏側】「全力でゲームを楽しむために、睡眠の質にもこだわってほしい」―ふとんの西川 キーマンインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【e-Sportsの裏側】「全力でゲームを楽しむために、睡眠の質にもこだわってほしい」―ふとんの西川 キーマンインタビュー

スリープマスターに訊く、e-Sportsチームをスポンサードした理由、そしてゲーマーに伝えたい睡眠の重要性……e-Sportsの裏側第26回はふとんの西川のキーマンにインタビューしました。

ゲーム文化 eスポーツ

e-Sportsに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからのe-Sportsシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【e-Sportsの裏側】。

第26回となる今回は、7月10日に東京都内の西川株式会社日本睡眠科学研究所で「西川株式会社 × よしもとゲーミング e-Sports座談会」を開催した西川株式会社のスリープマスター 須藤 健二朗氏(以下、敬称略)にインタビューを実施。プロサッカーの三浦知良選手、プロ野球の大谷翔平選手など世界に名だたる一流選手たちが愛用しており、その睡眠をサポートしているマットレス「AiR」シリーズを展開する西川がe-Sportsとどのように向き合っているのか。その裏側に迫ります。





――本日はよろしくお願いします。まずは須藤さんの業務について教えてください

須藤現在は営業戦略部に所属しており広告、プロモーション、広報活動全般に携わっているほか、社内キャンペーンの企画立案を担当、アスリートとの契約、サポートも行っています。

――ふとんのイメージも強い西川ですが、改めて会社についても教えていただけますか

須藤創業は1566年で、近江が発祥の地となります。1628年に相続した2代目の甚五郎が萌黄色の染色を施した蚊帳を考案し、弊社が蚊帳ブームの火付け役となりました。その後、明治20年頃からいち早く布団の販売を開始するなど存在感を発揮し、今年で453年目の企業になります。

――よしもとゲーミングをスポンサードしたのは、どのような経緯があったのでしょうか

須藤私どもは2009年から「アスリート×睡眠」というテーマでアスリートの方たちのコンディショニングサポートを始めました。そんな中、e-Sportsがここ数年でどんどん勢いを増しており、北米ではプロゲーマーたちもアスリートとして認定されていると知りました。アスリートであれば、私たちにサポートできることがあるのではないかと思ったのがスポンサードしようと思った理由のひとつです。


もうひとつは、単なるイメージで恐縮なのですが、ゲーマーのみなさんは睡眠が足りていなさそうなイメージもありまして……。そこに、私たちが睡眠の重要性を啓蒙することで「質の高い睡眠」でみなさんの日々の活力をアップさせてあげられたら、という狙いもあります。

さまざまな団体があるなかで吉本興業さんにお声がけしたのは、吉本興業さんがプロゲーミングチームの運営のみならず、リーグの運営もしていることが挙げられます。ご一緒させていただければ、選手のみなさんはもちろん、試合を観戦される方たちに向けても幅広い活動ができるのでは……とご相談させていただいたところ、ご興味を持っていただけました。

――ゲーム業界に対してこう働きかけたい、というような構想などはありますか

須藤ゲームには、集中力が必要ですよね。そして集中力の維持には、睡眠が重要となってきます。さらには集中力を維持するには、ゲーム中の座り方も大切です。弊社では寝具だけでなくクッションなども多数用意しているので、多角的な提案もみなさんのゲームライフにプラスになるのではないかなと思っています。私個人も1日中仕事でPCを使っておりますので、ずっと座っていることの大変さや腰への負担は分かっているつもりです。

――今回のよしもとゲーミングとの座談会でいいヒントはありましたか?

須藤大変参考になりました。たとえば、弊社のマットレス「AiR」シリーズは、「スポーツ×睡眠」というコンセプトを掲げることで、それまでの寝具業界になかった発想ができた商品なんですね。それは、"持ち運ぶことを想定する"ということです。これは、アスリートの方たちの声に耳を傾けることでできた発想でした。

今回も同じように、まずは競技に従事する選手のみなさんの声を聴くべきだと思い、吉本さんに座談会をセッティングしていただきました。「AiR」がそうであったように、商品を気に入り愛用してもらうことで、ゲーマー界のなかで口コミが広がり、さらに多くの方に使っていただく。そうしてユーザーさんに中で上がった声を活かしてよりよい商品をご提供できればと思います。

――確かに今日、睡眠が不足気味な人は多いと感じます。なぜなのでしょうか

須藤「疲れたから眠る」、「寝る時間だから眠る」というイメージをお持ちの方はまだまだ多いからではないでしょうか。それを「明日がんばるには、このくらいの時間の睡眠が必要」、「いい睡眠が明日につながる」と考えていただけるように啓蒙していきたいですね。私たちの生活には食事が欠かせないように、本来は睡眠も削らないに越したことはありません。


――「やる気スイッチ」のオンはできても、オフにするのはなかなかうまくいかないという人も多そうです

須藤忙しい日々で、なかなか寝る時間が取れないという方もいらっしゃると思います。そんな時に大切なのは、いかに「眠りの質」を高めるかです。できるなら、ベッドに入る2時間くらい前から寝る準備をしておくのが望ましいです。

――「今すぐできる入眠法」のようなものはありますか?

須藤快適な睡眠をとるには、寝具だけではなく光、音、香りといった要素も大切です。ハーブティーを飲んだり、適度なストレッチでリラックスするのがいいですね。また、寝る前に激しい曲を聴いたりしてしまうと、脳が活性化してしまうことがありますので注意が必要です。人は眠りにつこうとすると体温が上がりはじめ、それが下がるときに睡眠に入りますので、お風呂やシャワーも効果的なんですよ。

――最後に、ゲームを楽しんでいる人たちにメッセージをお願いします

須藤最近ではe-Sportsの専門学校ができたり、四年制大学においてゲーム学科が設置されてきたり、これまでの“単なる遊び”としてではなく、スポーツとしてあるいは研究の対象としてこれまでと違う向き合い方をする人たちも増えてきたのではないでしょうか。そんな今だからこそ、日々のゲームプレイは少しでもリラックスして楽しんでいただきたいですし、そのためには生活そのものを楽しむことが重要なのではないかと考えています。

「今日も疲れたな」と思いながらプレイするより、その日はしっかり休息を取り、次の日にたっぷりとプレイする方が、より良い体験ができる―そんな風に考えて、ぜひ睡眠を重要視し、貴重なゲームプレイの時間を有意義なものにしていただきたいと思います。


アスリートの要望に応えてきた西川が、ゲーム分野でもユーザーのゲームライフを向上させるプロダクトを次々と開発していくかもしれません。
《森 元行》

森 元行

海外のゲームショウにてeスポーツの大会に出会い衝撃を受け、自身の連載「eスポーツの裏側」を企画・担当。プロプレイヤーはもちろん、制作会社や大会運営責任者、施設運営担当者など「eスポーツ」に携わるキーマンに多くのインタビューを実施。 2022年3月 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 博士課程前期課程(修士/MBA)修了。

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  • スパくんのお友達 2019-08-14 8:41:59
    寝具はトゥルースリーパーが最強だと思っている
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-08-14 3:58:09
    ゲーミング寝具はともかく
    ゲーミングクッションは少しほしい
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-08-13 14:01:20
    そういえば任天堂がなんか快適な睡眠デバイスとか作ってたような
    2 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-08-13 12:43:05
    布団の次はゲーミングこたつだな
    4 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-08-13 10:58:38
    ゲムスパが時々やるこういう斜め上のインタビュー企画好き
    32 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2019-08-13 10:32:56
    よしもと布団営業
    4 Good
    返信
    他の返信を表示 返信を非表示
  • 2019-08-13 10:23:16
    ゲーミング寝具か...
    8 Good
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