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発売まで残り一ヶ月を切り、全世界のハクスラシューターファン達の胸を焦がしている『ボーダーランズ3(Borderlands 3)』。本稿では、ペットと共に戦うロボット「FL4K(フラック)」と協力プレイの様子をご紹介した前回に引き続き、体験会と同時に参加できたGearbox Software開発者へのインタビューをお届けします。『ボダラン3』でアートディレクターを担当したスコット・ケスター氏、シニアプロデューサーを務めるアンソニー・ニコルソン氏のお二人に、「FL4K」誕生秘話や『ボダラン3』ならではの魅力、「リア銃」について伺いました。
――『ボーダーランズ2』発売から7年が経ち、ポストアポカリプスな世界観のFPSは数多くリリースされてきました。その中に『ボーダーランズ3』が埋もれず、ユニークな存在であるために意識してきたことを教えてください。
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スコット・ケスター氏(以下、スコット氏): いくつか理由はありますが、『ボダラン3』で言えばソロプレイと協力プレイが決め手です。オンラインプレイだけでなく、画面分割(スプリットスクリーン)を利用した2人プレイに対応しているので、オフライン環境で助け合いながら遊べることも理由ですね。
アンソニー・ニコルソン氏(以下、アンソニー氏): 私からは、一言で言えば「バラエティー」です。『ボダラン3』は、装備にしても銃にしてもスキルツリーにしても、それぞれのキャラに対する選択肢の幅はとても広がっています。まだまだたくさんあるのですが、まずはこのあたりです。
――「Co-opシューター」というジャンルも、『ボダラン2』『プリシークエル』以降でさらに流行しました。『ボダラン3』ではどのような独自性のある協力プレイ体験を目指しているのでしょうか。
スコット氏: ありがたいことに『ボダラン』には定着したシリーズファンがいらっしゃいますし、私たちがファンの皆様が求める『ボダラン』らしさをきっちり守れているところも、魅力のひとつだと思います。
アンソニー氏:似ているゲームはありますが、「似て非なるもの」というものあると思います。『ボダラン』シリーズではストーリー性を重視していて、豊かなメインミッションだけでなく協力プレイも特徴ですし、その合間にちょっとした小細工もちりばめています。戦利品や戦い方などのバラエティーも大事にしています。先ほどの「オンラインでなくても協力できる」というのもそうですし、ソロプレイで楽しめるところもユニークなポイントです。
――『ボダラン3』はこれまでの作品と同様にトゥーン調のグラフィックスタイルで描かれていますが、トレイラー映像やデモプレイを観るだけでもグラフィックスが細部まで向上されたように感じられました。「今作では特にここが進化したんだぞ、ぜひ見てくれ」というポイントがあれば教えてください。
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スコット氏: もちろん、ビジュアル的には過去シリーズを超えた最高峰と思っています。私は初代『ボダラン』と『ボダラン2』でコンセプトアーティストを担当、『ボダラン3』ではアートディレクターとなったのですが、今回はエンジンの刷新のおかげで技術的にできることがとても拡がりました。これまで頭に描いていたものを実際に表現できるようになり、ひとつのオブジェクトに対するディテール、画面に一度に表示するオブジェクトの数など、それぞれの完成度を高められています。
実現できるものが拡がると、ふつうは「グラフィックスの細かなところを突き詰めていく」という流れになりがちなのですが、私たちはそれ以外にも目を向けています。キャラクターをどう描くか、個性を際立たせていくか、というところも強化したつもりです。
――今作に登場する“ゼイン”は「カウボーイビバップ」のスパイク、『メタルギア』シリーズのスネークからインスピレーションを得たとのことでしたが、“FL4K"のキャラクターデザインにはどのような考えが込められているのでしょうか。
スコット氏: 私は個人的にFL4Kのことを「Hobo-Robo(ホボ・ロボ。放浪するロボット)」と呼んでいまして、いろいろな作品に出てくる「人間になりたいサイボーグ」のようなキャラクターから着想を得ています。FL4K自体は人間になろうとはしていませんが、機械でありながらもどこかに愛情を持っている……というような設定ですね。ニール・ブロムカンプの映画「チャッピー」にも、インスピレーションの一角があります。ちなみに、デザインにはなかなか試行錯誤を重ねていまして、ロボットではない時期もありました。
――なるほど。体験プレイで実際に触ってみましたが、個人的にはどことなく「スター・ウォーズ」らしさのあるキャラクターのように感じました。
スコット氏: まさにそのとおりですね(笑)。私は世代的にも「スター・ウォーズ」の影響を受けていましたので。
――それでは、FL4Kのプレイスタイルについて詳しく教えてください。「ペット」を持っていますし、いかにもハック&スラッシュらしい能力が揃っているにも感じられました。具体的にはどのようなプレイが楽しめるのでしょうか。
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アンソニー氏: 彼が連れ歩くペットにはそれぞれ固有のスタイルがあって、近接攻撃が強いペットや遠くから攻撃を放つことのできるペットもいます。もちろんFL4K自身の能力を使って戦うこともできるキャラクターです。それぞれの個性を活かしながら上手く立ち回ることができるのです。ペットを使って敵を狙って攻撃したり、プレイヤーの選んだスタイルに応じて戦ってくれたり、放った鳥がペットを掴んで舞い上げてから攻撃する……といった複合的なテクニックも備わっています。
――私は「ハクスラ」というジャンルが本当に好きで、FL4Kの「ペット」は『ボダラン2』のメクロマンサー(ゲイジ)だけでなく、『Diablo III』のウィッチ・ドクターらしい手触りも感じられました。「ペットを召喚して戦う」という意味で、プレイ感覚が似ているように思います。
スコット氏: そうですね、FL4Kの場合はメクロマンサーと違ってペットを配置したままにできますし、彼らの体力がゼロになってクールダウンタイムが終わるまではずっと戦場にいてくれます。そういった意味でも、FL4Kは「ビーストマスター」という設定にしています。また、FL4Kのアクションスキル自体は選んだペットに左右されません。ペットの状態やスキルによってFL4K自身の状態が変わるということもなく、ペットを遠くに送り込んだり近くに呼び寄せたりもできます。基本的には随行してくれるので、ある意味「エキストラ」のような感じですね。
――ペット自体はアクションスキルの一部ではなく、アクションスキルによってペットをいろいろと扱えるということですね。
アンソニー氏: ペットはいつでも選ぶことができるし、常にプレイヤーをサポートしてくれます。
スコット氏: メクロマンサーと違って、ペットはそれぞれスキルツリーを通して進化していきます。3種類のペットはそれぞれ個性があって、その特徴を伸ばしていけますよ。
――ゲームとは直接関係のない話なのですが、昨年11月、Gearbox SoftwareのCEOであるランディー・ピッチフォード氏が「今日の予定は3件、3つの会議が午後3時まである」とツイートしていました。『ボダラン3』は発表以前から予告ツイートが見られましたし、「イーロン・マスクの火炎放射器」でもファンが盛り上がっていましたね。こういった発表前の賑わいを見て、開発陣としてはどのような印象を感じましたか。
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アンソニー氏: ファンの方々が湧いてくれるのはとても嬉しいことです。『ボダラン』シリーズを愛してくれている気持ちが伝わってきますからね。「3つの会議が……」の直後に『ボダラン3』を発表していたのですが、ファン達はパズルを紐解くようにキーワードを探してくれました。トレイラー映像などにもヒントをあちこちにちりばめていますので、細かいところまでキャッチしてくれているんだな、と思っています。
――日本では、公式サイト上で「リア銃総選挙」というイベントが開催されていました。ファンが『ボダラン3』に登場する銃の中からお気に入りを選んで投票する……という企画なのですが、「AtlasHeavy_3」「AtlasHeavy_2」「AtlasHeavy_1」が人気武器のベスト3となっていました(※インタビュー時において)。これらの武器がゲーム本編でいったいどのような威力を発揮してくれるのか、教えてください。
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アンソニー氏:「AtlasHeavy」は今までにない新しい武器で、銃弾を飛ばしたりロケットを飛ばしたり、ターゲットを追尾していったりして、敵を一網打尽にしてくれます。ぜひ使って楽しんでください!
スコット氏: ロケットミサイルがブシュ~ッて飛んでビシュシュシュ!シュババババ!って感じです!最高ですよ!
――実際にゲーム内で使える日を楽しみにしています!本日はありがとうございました。