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BenQが2018年4月に発売したPC用ライト機器「e-Reading Lampモニター掛け式ライト| WiT ScreenBar」。ゲーマーにとってはあまり馴染みのないPC用アクセサリと思われますが、本稿ではゲーム用途に注目した製品使用レポートをお届けします。
「e-Reading Lamp」はその名前の通り「デスクライト」の一種です。モニター上部に据え置く照明で、15段階の輝度と8段階の色温度設定、自動調光モードを搭載。電源はUSB(5V、1A)のため、ディスプレイのUSBポートか直接電源アダプターに差し込むことで使用できます。
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設置は非常に簡単で、専用スタンドとライトを組み合わせ、背後からUSBケーブルを端子に差し込むのみ。ボタンはタッチセンサー式で、触れるだけでスイッチのON/OFFと、色温度と輝度調整が可能です。ディスプレイ上部に取り付けるだけなので、スペースを取らないのが嬉しいところです。
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色温度は、「6500K(昼光)、5700K(寒色白)、5000K、4500K(昼白色)、4000K、3500K(暖白色)、3000K、2700K(ソフトな白色)」までの範囲をカバーしていて、様々なシーンで活用できそうです。自動調光モードでは、周囲の光環境に合わせて白く調整してくれます。
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筆者は、LG製の31.5インチ・4Kディスプレイ「32UK550-B」を使用しているため「e-Reading Lamp」は少し小さく感じたのですが、それでもデスク全体を照らし出すほどの光を放ちます。色湿度の調整は、手元にある紙の資料を確認しつつの作業にも効果的です。
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このようにPC作業を快適にしてくれるスクリーンバーですが、ゲームプレイにはどんな効果が発揮できるでしょうか? 今回は、『Apex Legends』と『DCS World』、そして『バイオハザード7』の3タイトルで検証してみました。
『Apex Legends』
まずは『Apex Legends』をPC版でプレイ。キーボード+マウスでのゲームプレイならキーボードを明るく見れらるため、タッチタイピングが苦手な方にとって恩恵となりそうです。
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目の疲れやすさに配慮するなら、色温度を3500k以下に、輝度を半分ほどに下げると、時折視線を逸らしたときの負担が小さくなります。リプレイまでのスパンが短いゲームですから、眼への負担を和らげて適宜リラックスしながら遊べるのは良いかもしれません。
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しかしながら、ほぼディスプレイから目を逸らすことが少ないタイトルであるために(ゲームパッド使用時だと、そもそも視点をパッドに向けることはほぼない)、ゲームプレイの質を大きく変えるほどではないかもしれません。ただ、微々たるものになるとは言え、それでもスクリーンバー導入による小さな利点があることは確かです。
『DCS World』
ジョイスティックの操作などで、画面下にも視線を動かすこともあるフライトシムプラットフォーム『DCS World』の『Flaming Cliffs 3』に収録されたF-15Cモジュールを用いてプレイし、視認性などを確かめてみました。
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スクリーンバーを点灯している状態ではキーボードが明るく照らされるため、レーダーなどアビオニクス操作も行いやすくなります。接近戦でのドッグファイトやミサイル回避の中距離戦ではあまり視点を低く下げることはないのですが、ライトのON/OFFの視認性の違いは大きく、キーボードに割り当てている細かな操作を活用できるのは強いメリットです。
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筆者が使用しているフライトスティック「T.Flight HOTAS 4」はボタン数はさほど多くないため、直接見る必要性はあまりありません。しかし、スロットルやスティック側に多くのスイッチが備え付けられている「HOTAS WARTHOG」やロジクールの「X56 HOTAS」のようなスティックなら、スクリーンバーの効果をよりビビッドに発揮できるでしょう。他にも、ハンドルコントローラーを使うレーシングゲームなどとも相性が良さそうです。
『バイオハザード7』
最後に、PS4版『バイオハザード7』でも試してみました。画面の大半を暗闇で埋める同作のようなゲームでは、どのような結果となるでしょうか。
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「e-Reading Lamp」を点灯した状態ではディスプレイ周囲を明るく照らすため、それなりに画面へ集中できます。部屋の照明が画面と干渉しないことは嬉しいですし、『バイオ7』のようなホラーゲームは電気を消した真っ暗な環境で遊びたいものですよね。
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暖色/寒色系へと色温度を切り替えられるため、ホラー演出を室内で体感できるのは面白いところ。暗い部屋の中で視認性を保つことができるため、ホラーゲームやアドベンチャーゲームなどでは、更に没入感のあるゲームプレイを楽しめそうです。
「WiT ScreenBar」は、書籍やテキストをディスプレイと交互に確認する必要があるPC作業や、DTMで使うMIDI機器/ミキサーなどを扱う際にとても高い効果を発揮するでしょう。
ゲームにおいてはタイトルやジャンルを選ぶ可能性が大きいかもしれませんが、「手元でメモを取る必要があるゲーム」「長時間に渡って緊張感が続くゲーム」にもフィットしそうです。そういう枠組みのなかで、ゲーム用途としても使用するなら「スクリーンバー」は期待以上の効果を現してくれるデバイスとなるではないでしょうか。
「e-Reading Lampモニター掛け式ライト| WiT ScreenBar」はAmazon.comなど各小売店にて11,900円で発売中。主な仕様は以下の通りです。
製品概要
「e-Reading Lampモニター掛け式ライト| WiT ScreenBar」
光源 Dual color LED
カラーレンダリングインデックス 2700K:Ra 82;6500K: Ra 87
照度 1000 lux in the center (height 45cm)
光束 2700K : 300lm ; 6500K : 320lm
色温度 2700~6500K
電源入力 5V , 1A USB port
消費電力 5W (max.)
材料 Aluminium alloy, PC / ABS
寸法 45cm x 9.0cm x 9.2cm
正味重量 0.53kg