最初に山下さんと阿座上さんの呼びかけで片野氏が登場すると、その手にはトロフィーが! 「東京ゲームショウ」で出展された未発売作品の中から選ばれる「日本ゲーム大賞2019 フューチャー部門」に見事選出されたとのことで、来場者から大きな拍手が寄せられました。
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そしてゲストとして福原綾香さんと山村響さんが登場。今回のテーマに沿って、収録やレコーディングに際しての楽曲に関する感想を求められると、福原さんは「(アナスタシアの)キャラクターソングの収録は本当に大変で、自分が持てる以上のものを出しました!」と語り、山村さんは「「檄!帝国華撃団」が本当に大好きでしたので、まさか自分が(登場キャラの1人として)歌える日がくるとは思ってもみませんでした。レコーディングのときは感極った思いでした」と話しました。
最初のコーナーは、片野氏によるゲームの概要のおさらい。山村さんがゲストで来ていることにちなみ、あざみのキャラクターソングを使用したPVが公開されましたが、それ以外は発表済みの情報ということもあり、爆速での進行で進みます。それもそのはず、時間に限りがある中で、このあとに大物ゲストの登場がひかえていたからです。
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そうして、山下さんの呼びかけで作曲家の田中公平氏が登場!「全国の「サクラ大戦」ファンのみなさん、田中公平役の田中公平です!」と挨拶し、来場者からの万雷の拍手でむかえられました。
田中氏は「サクラ大戦」の作曲への思いに関して「「サクラ大戦」といえば歌。(1作目制作当時)、世間の曲がリズムに寄っていくなかで、「サクラ」の曲はメロディを見直して大切にしようと広井王子さんと話しました。"普遍のメロディ"を書くというのが作曲するうえでのコンセプト」と語りました。
本作の初回限定版にはシリーズ歴代作から選りすぐりのボーカル曲を収録した全6枚組・62曲を収録した「歴代歌謡集」が付属するということで、田中氏はその1枚1枚について話をしてくれました。
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ボックスがかなり大きなサイズになっているとのことです。
◆「歴代歌謡集」CD-1『サクラ大戦』
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田中曲がキャラクターの顔になるので、「これを聴けばキャラクターを理解してもらえる」というコンセプトで書いた。内面を描くというよりは、キャラクターを紹介する曲。「愛ゆえに」は第1回目の「歌謡ショウ」の演目にもなった曲。この曲があったおかげで「歌謡ショウ」が実現できました。マリアさん(高乃麗さん)とさくらさん(横山智佐さん)の歌唱力が高くて、レコーディングはスムーズでしたね。
◆「歴代歌謡集」CD-2『サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~』
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田中各キャラクターソングの内容が深くなりました。(歌うキャラが)どのようなことを考えていて、行動し、何を歌いたいのか。「奇跡の鐘」は大好きだけど、この中だとやっぱり「夢のつづき」だよね。楽曲人気投票をしたら必ずベスト3に入るような曲です。
『新サクラ大戦』の曲はこの「夢のつづき」をもう一度という気持ちで書いています。だから広井さんも「夢は蘇る」、「われら新たなる帝国華撃団」という歌詞を書いてくれました。
『新サクラ大戦』は、いわば"「夢のつづき」のつづき"なんです。「もう「サクラ大戦」のプロジェクトも全部終わりなのかなというときに、歌謡ショウに通い続けてくれた方や、今日ここに来てくれたようなファンの方がシリーズを支え続けてくれた。その人たちの「夢のつづき」を、『新サクラ』でもう一回やりたい。
◆「歴代歌謡集」CD-3『サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』
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田中『3』といえばやっぱり「御旗のもとに」だよね。広井さんから初めて話をもらったときは「「檄!帝国華撃団」の"パリ版"でいいんじゃない?」と言ったんだけど「新らしい曲をお願いします! 「檄!帝国華撃団」以上に盛り上がって、売れる曲で!」と言われて、満塁ホームランのサインを出してくれるなよと(笑)。この曲は、セガさんがすばらしい映像を付けてくれましたね。
片野巷では"3億円事件"(※編注:当時としては稀有だった、2Dアニメーションと3DCGの高いレベルの融合、ラストのフレンチカンカンなどに見られるセル枚数の異常なまでの多さなどから「億単位のコストをかけて制作されているのではないか?」と噂されてできた呼称)などと言われていますね……(笑)。
山村私、巴里歌劇団の公演の公開ゲネプロを観にいってすごく感動しました!
田中「サクラ」の現場は作品への愛情で包まれているからね。だから私は、こうして新作に携われることが本当に嬉しい!
◆「歴代歌謡集」CD-4『サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~』
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田中「君よ花よ」は、広井さんから「最後に大神に歌わせたい!」と要望があった。そこで「声優さんだし、セリフにしたらどうだろう」と提案してできました。聴いていただいたら分かりますけれど、泣ける曲ですよ、これは。
◆「歴代歌謡集」CD-5『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』
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田中「地上の戦士」を書く際、紐育歌劇団の曲はどうしようかと広井さんと話をしていたら、「今回はジャズっぽく」と言われたのでちょっとやりやすかった(笑)。とはいえ、難しいテクニックを入れている曲なので歌うのは難しいと思う。
紐育歌劇団は特に歌唱力が高い人たちで、よく応えてくれました。ここから約10年の間、ファンにシリーズを忘れないでいてもらえたのはこの人たち(による歌謡ショウ)のおかげなので、僕は足を向けて寝られない。
「サクラ大戦」はとにかく歌が多い。そして、全部作曲は僕で、歌詞は広井さん。ワンパターンになってしまうことが一番怖かったから、いつも「とにかく全然違うものを作ろう」というコンセプトでやってきた。だから『新サクラ』でも、これまでとは大きく異なる曲を作っていますよ。福原さんが歌ってくれたアナ(アナスタシア)の曲とかね。
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福原これまで声優のお仕事をしてきて、こんなに"大人な曲"を歌ったのは初めてでした。(そうした雰囲気を出すために)明かりを消してレコーディングしました。
田中実は『サクラ大戦V』の「輝く星座」でも園崎未恵さんが同じように歌ってくれたので、福原さんで2人目です。
◆「歴代歌謡集」CD-6『新サクラ大戦』
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田中一番"キャラクターソングしている"のは山村さんの「忍者あざみ」じゃないかな。
山村あざみのかわいらしさが前面に出た曲です。キーが高いので、あざみの声を保ったまま歌うのが大変でした!
田中帝国以外の3つの華撃団が歌う曲も力が入ってます。水樹奈々さん(伯林華撃団のエリス役)が歌う「鉄の星」は、水樹さんから「こんな歌、歌ったことない! こんなことをさせられるとは思わなかった」と言われました(笑)。60~70人のオーケストラで録っています。
……と、田中氏から湯水のように貴重かつ興味深いエピソード・解説が飛び出すなかで、天宮さくらのキャラクターソング「乙女なんですよ」のミュージックビデオが初公開されました。片野氏が公開に際し「とてもいい曲をいただいているので、少しでも活かしたかった」と語ると、田中氏は「あと4人のミュージックビデオもくるんですよね?」とニッコリしてみせます。
YouTube:https://youtu.be/h5fobHe4NAo
さくらのかわいらしさがギュッと詰まったMVに阿座上さんが「体が勝手にさくらルートにいってしまう」と語ると山村さんと福原さんが「全員分見てから決めてください!」と笑いを誘う一幕も見られました。後日、残る歌劇団メンバーのMVも見られるかもしれません。
そして話題は14曲目の「スタァ誕生」に。歌うのは神崎すみれ役の富沢美智恵さん、竜胆カオル役の石川由依さん、大葉こまち役の白石涼子さんです。田中氏は「富沢さんがレコーディングにいらっしゃったときは「また「サクラ」の曲を歌えるなんて」と感極まっていた」と語りました。
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そして「曲は「劇場へ行こう!」などと同じ、大帝国劇場のことを歌った歌です」と語ると、さらに「実は花組バージョンも録っています」とポロリ! 山下さんたちが「それは台本にない!」とビックリすると、田中氏はさらにサービス精神を発揮し、「花組バージョンの「スタァ誕生」はTVアニメで使用される」、「TVアニメのエンディングテーマはさらなる新曲」と続けて未発表情報を放ち、会場を沸かせました。(そして「アニメサイドに怒られる…」と片野氏をしょんぼりさせました)
最後は重大発表として、舞台「新サクラ大戦 the Stage」が2020年公演予定であると発表! 今回は「歌謡ショウ」とは異なり、ゲームとは別のキャストによる舞台公演となります。すると当然出てくるのが、「舞台は誰が演じるのか?」というもの。その疑問を向けられた田中氏は「じゃあ、お呼びしますか」と話し、「新サクラ大戦 the Stage」で天宮さくらに扮した関根優那さんが登場! そのあまりの"さくらっぽさ"に出演者たちが思わず立ち上がる姿を見て、田中氏は「ね、本物(のさくらそのまま)でしょ?」と、したり顔です。
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田中氏は「オーディションでは150名以上とお会いし、1人1人の歌を聞いて、関根さんはその中から選んだ。「歌がヘタな人はこないで」とあらかじめ言っておいたからみんな歌がうまかったけど、関根さんはその中でさらに歌がうまく、ピアノも弾ける。宝石より光っていた」とべた褒めです。
関根さんは「歴史ある作品に関われてうれしいです。その分プレッシャーも大きいですが、本物のさくらが出てきたとみなさんに思っていただけるよう、「新サクラ大戦」の情報をしっかり集めてこれから始まる稽古をがんばります!」と意気込みを語りました。
田中氏は最後に「こうして、この場に立てるだけで感無量。みなさんの"サクラ愛"をひしひしと感じます。「新サクラ大戦」は、とにかくセガさんが本気です。今発表した舞台も含め、こんなに幅広い展開ができているのはセガさんが「あれもこれも、全部やろう」と言ってくれたからです。だから、次はみんなの"サクラ愛"を見せてくれー!」と強く呼びかけ、それに応えるような大喝采の中、ステージは幕を閉じました。
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最後に、ステージイベントへの出演を終えた田中氏と関根さんへのメディア合同インタビューをお届けします。