登壇者は、ユービアイソフト代表取締役のスティーヴ・ミラー氏、マーケティングディレクターの辻良尚氏、そしてPRマネージャーの福井蘭子氏。「UBIDAY」、およびこのラウンドテーブルを知る方にはすっかりおなじみの顔ぶれです。
ミラー氏が「年々「UBIDAY」の規模が大きくなり、それに合わせて本社の目も厳しくなっているから今年はおとなしめに……」と挨拶するすぐ隣で「うめー!明日クビになってもいいと思ってる!」とガンガンアルコールを入れていく福井氏に会場では笑いが。このざっくばらんさが、ラウンドテーブルの大きな特徴であり、魅力のひとつと言えるでしょう。
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最初のテーマは、「UBIDAY2019を振り返って」。「UBIDAY」を取り仕切る立場でもある福井氏によれば、今年のテーマは「Let's Pretend」であったとのこと。「Let's Pretend」は日本語で言うと「何かになったつもりになろう」、「ごっこ遊びをしよう」というような意味です。
福井氏はこのテーマに関して「コスプレイヤーのみなさんはもちろん、コスプレはしたことがないという人も、キャラクターにちょっとなりきって楽しんでほしかった。そこから作品やキャラクターにより思い入れを持っていただいて、より(ユービーアイソフトの作品に)ディープにのめり込んでもらえたら」とコメント。ミラー氏が「今年のUBIDAYはどうでしたか?」と問いかけると、大きな拍手が寄せられました。
年一回、主に都内で開催されてきた「UBIDAY」ですが、2019年は初の2カ所開催。10月13日には、大阪・堂島リバーフォーラムでも開催されます。さらに、大阪会場にも関わるテーマとして「物販の充実」が挙げられました。これについては福井氏が「去年から私が「UBIDAY」の担当になったのですが、来ていただいたみなさんに「長時間並ばせたくない」という思いがありました。
ところが、いざ当日になるとあまりにうまく回しすぎて、逆に時間があまってしまった(≒イベント終了を待たず在庫を切らしてしまった)。今年は去年の倍のお客様に来ていただけても大丈夫なように、物販は倍近くの規模に拡大しました」と語りました。
運営側からの振り返りが終わると、次の議題は去年の「UBIDAY」から今日までの1年間のレビュー。同社初となる単独タイトルのオフラインイベント「D2DAY」を開催した『ディビジョン2』、初の単独タイトルのスピンオフ『ファークライ ニュードーン』、初のガジェット連動タイトル『スターリンク バトル・フォー・ アトラス』の名が挙がり、さまざまな方面で新たな挑戦や試みを実現できたことが振り返られました。
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特にオフラインイベントの実績が目覚ましく、今年からは試遊、物販、ステージイベントなどで構成された日本スタイルの「UBIDAY」がオーストラリア、イギリス、韓国でもスタートします。これはミラー氏のボスにあたる本社のエグゼクティブディレクター、アラン・コール氏が実際に「UBIDAY」を訪れて「これはすばらしい、各国でやろう」と評価したのがきっかけとなったそうで、ロシア、フランス、台湾、タイなどでも実施を検討しているそうです。
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福井氏はこうした一連の流れ、盛り上がりについて「今はインターネットで簡単に出会える世の中です。でも、そんな時代だからこそ、顔を付き合わせて直接お会いすることが大切だと考えていて、みなさんとそういう関係性を築ければいいなと思っています。でも、オフラインイベントはとにかくお金がかかる!オンラインで広告を打った方がコストは圧倒的に安く済みますし、より多くの方に見ていただけますが、オフラインにはそれだけではない何かがある!いつも、そういう風にスティーブを説得し続けています」と思いを語り、「決して増長はしませんが、私たちも少しだけ(本社に対して)鼻が高いです。それも、すべてみなさんのおかげです」とユーザーへの謝意を述べました。
今後のユービーアイソフトプレビュー
続いては、今後発売される(もしくは今後も要注目の)タイトルについて発表されました。お三方の発言を追いながらお届けします。
ゴーストリコン ブレイクポイント
辻プロモーションのツアーでイギリスに行き、コール・D・ウォーカーを演じてくださった俳優のジョン・バーンサルさんにお会いしてきました。福井私が「東京ゲームショウ」の(出展)担当になったので、「代わりにツアーに行ってくれませんか」と辻さんにお願いしたら「綺麗なところだったら行ってもいいよ?」とうそぶくので、お偉いさんが大勢いらっしゃる打ち合わせの場で「イギリスには辻さんが行きます♪」と宣言して逃げ道を塞ぎました(笑)。そうしたらジョン・バーンサルと写真まで撮ってきて!旅行気分じゃないですか!
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辻そのついでにプロモーションもしてきましたよ。
福井逆ー!
レインボーシックス シージ
福井今、弊社で一番ホットなゲームです。発売から4年を超えてなおユーザーは増え続け、日本で150万人、世界では5000万人がプレイしています。
辻まだ増え続けているのはすごい!
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福井オンラインイベントとして大会を積極的に行っていますが、そちらの視聴者もどんどん増えていて、他の国から「何か特別なことをしているの?」と聞かれるくらいですよ。その感謝の印の一つとして、プロリーグ世界大会が日本に初上陸します!野良連合さんとCYCLOPS athlete gamingさんにはぜひ勝ち上がってこの舞台にきてほしいです、お待ちしています!
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辻チケットはすでに完売してしまいましたが、全試合を日本語で配信します。
福井また、発売から4年たったことで「今からでは始めづらいな…」と思われてしまう方もおられるかもしれませんので、大会も初心者向けのビギナーズカテゴリを新設する予定です。
辻『レインボーシックス シージ』に関しては、すでに2022年までのe-Sports大会を計画しています。そのくらい先のことまで考えておかないと、大きな会場は抑えられませんので。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
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写真右:PS4版の大会参加者数はここ3年で1700%の成長率を見せているそうです
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◆ウォッチドッグス レギオン
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福井『なんとか Part2』とか『なんとか 2077』とか『なんとか REMAKE』とか……! だけど、『ウォッチドッグス レギオン』も絶対負けてない!
辻オンラインではすでに予約を受け付けていましたが、明日以降、店頭予約も順次開始予定です。
ゴッズ アンド モンスターズ
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YouTube:https://youtu.be/1cV3Ax6wFto
辻新規IPです!2020年2月27日発売予定です。スライドに書きそびれてしまいましたが、スイッチ版も同日発売です!
福井この作品、私はまだキーアートを見ていないんですが……。
辻そりゃ、まだできてな……いや! もうすぐ見られるんじゃないかと!
福井急に取り繕ってきた…ホントに2020年2月に出るんですか……。
ミラー出しましょう!
レインボーシックス クアランティーン
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辻今日、この場での新情報はありません! でも大丈夫、絶対おもしろいからこれ!
福井3人でチームを組んで繰り返し何度も遊べる、オンラインコープのゲームと聞いています。
ジャストダンス2020
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福井『ジャストダンス2019』はどこにいったー!? 発売日が未定のままなんですが!
ミラー『2019』も出す予定でしたが……これこそ大人の事情がありまして。音楽ライツのビジネスは非常に……。
辻それは(話題的に)やばい!
福井オフレコのままにしておいて! 理由は推して知るべし……!
ミラー『2020』は発売する方向でがんばっています!
Free to Play Games
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辻今日、試遊出展した『ローラーチャンピオンズ』は、2020年前半に配信予定です。また、『ブロウルハラ』は日本でも配信を開始しました。
福井弊社では「AAAのハードコアゲーム」から「カジュアルなゲーム」まで、しっかり網羅していきたいと思っています。
ミラーちょっと今はお金がなくて……などというときは、ぜひFree to Playタイトルで遊んでください。
福井でも、できればどっちも(=AAAタイトルもFree to Pyayタイトルも)遊んでほしい!
辻対戦・協力要素など、イマドキの要素を盛り込んだ上で、ユービーアイソフトならではのテイストを加えています。
アサシン クリード オデッセイ ディスカバリーツアー(第2弾:古代ギリシア)
ここでは『アサシン クリード』ゲームディレクターのエティエン・アロニエ氏と、「ディスカバリーツアー」ゲームデザイナーのアリシア・フォーティア氏からのビデオレターが再生され、お二人の口から以下のような特徴が語られました。- 『アサシン クリード オデッセイ』のプレイヤーは無料でダウンロード可能
- ゲームを所持していなくても、「ツアー」単体で購入できる(PC版のみ)
- 神話や都市、日常生活などをモチーフに30のツアーを用意
- 『オデッセイ』のマルコスやアスパシアがツアーガイドとして登場
- ツアーの最後にはクイズが待っている
- ひとつのツアーを終えると、新たなキャラや騎乗動物をアンロックできる
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辻これだけの世界を作れたので、より多くの人に見てほしい……という思いで作られました。『ゴッズ アンド モンスターズ』の予習にもなりますよ。
福井私は「聖闘士星矢」の背景にも詳しくなれました!
ミラー(遮るように)はい、次!
……と、お三方ならでのはにぎやかなやり取りが終わると、最後に今後の予定や見通しが提示されました。
- 「東京コミコン2019」に出展決定:イベントは11月22日~24日、幕張メッセにて開催されます。
- サブスクリプションサービス「Uplay+」:日本導入を計画中。まずはPC用の導入を予定しているそうです。
- Stadia:日本運用開始にあわせて、ユービーアイソフトタイトルの日本語版を投入予定。「Stadia」が日本に展開決定、という意味ではなく"日本での運用が始まれば"というニュアンスでした。
- 次世代ハードへの取り組み:具体的なことは何も言えないながらも「新しい物好きですのできちんと乗っかっていきます!」とのこと。
- 物販のさらなる充実:日本発の商品を増やし、それらを購入しやすいよう、独自のオンラインショップを導入したいとのこと。作ってほしいアイテムがあれば、ぜひ公式Twitterにリプライして教えてほしいとのことです。
新情報や裏事情、メーカー側の思いを知るのが楽しいながらも、それと同じくらいにお三方のテンポのよいかけあいそのものが楽しいラウンドテーブルもこうして終了。ミラー氏は「UBIDAY」の2020年開催については明言を避け「来年はハワイでやりたいなぁ~」と会場の笑いを誘いました。
西日本在住の方は、10月13日に大阪・堂島リバーフォーラムで「UBIDAY2019」が開催されます。東日本在住の方は、2020年もきっちり開催されることを楽しみに、ユービーアイソフトの作品に舌鼓を打つ日々に戻りましょう。
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