◆タマゴわざは預けるだけで伝わる
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そもそもポケモンが好きだという人でも「タマゴわざ」は知らない、という人も多いのではないでしょうか。これは同じタマゴグループ同士のポケモンの間で特定の技が子供に引き継がれるという仕様で、「世界的ゲームでこんなに面倒なものがあっていいのか」と思えるほど大変な要素でした。
特定のポケモンに覚えさせたいタマゴわざがあった場合、同じタマゴグループから逆引きしてそれを覚えるポケモンを探し、何度もタマゴを作らせて目的のポケモンに遺伝させる、というプロセスが必要でした。もちろん、タマゴわざを覚えさせたあと性格の厳選や前述の育成も待っているわけで……。やれやれという感じですね。
しかし本作からは同じ種類のポケモン2匹をあずかりやに預けると、片方のタマゴわざが相手に伝わるそうなのです。「同じ種類のポケモン」の定義によりますが(同タマゴグループか同種限定なのか)、多少は楽になりそうです。
◆ニックネームを気にしなくていい
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本作から、人からもらったポケモンのニックネームが設定されていない場合、1度だけ自分で変えることができるようになりました。これも地味に嬉しいところ。
今まで他人からもらったポケモンの名前はいじれなかったので、「あえてデフォルトにする」ケースもあれば、「きちんとニックネームをつけてあげる」人もいたりで、さらにそれぞれで好みがあるので交換前に「ニックネームどうする?」なんて相談する必要があったりで、もう本当にめんどくさかったわけですね。しかしこれなら、とりあえずデフォルトにしておけば安心です。
◆気になるのは“個体ごとの能力”がどうなるのか
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これらにより育成が格段に楽になるのは間違いありませんが、気になるのは“個体ごとの能力”がどうなるか、です。ポケモンは個体ごとに能力値に差異があり、ユーザーはその数値を「個体値」と呼んでいます。
たとえば『ポケモン サン・ムーン』では「きんのおうかん」などを使って個体ごとの能力をマックスにすることができましたし、『ポケモン Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』では同じポケモンを連続で捕まえることにより個体値が上昇する、というシステムが用意されていました。
とはいえ、近年の作品の施策でも個体値は割と面倒な要素なので、このあたりもさらに簡略化されていると嬉しいところです(たとえばレベル100でなくともおうかんを使うことができ、さらにおうかんの入手も容易になるなど)。
ポケモンの対戦は楽しいのですが、とにかくハードルが高いのがネック。『ポケモン ソード・シールド』ではその高いハードルが撤去されつつあるので、ガチ勢からすると涙が出るほど嬉しいのです。