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コジマプロダクション開発の完全新作アクション『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』。日本を代表するヒットメイカー、小島秀夫の最新作がいよいよ発売となりました。ノーマン・リーダスを筆頭に、マッツ・ミケルセン、リンゼイ・ワグナー、レア・セドゥなど、ゲームの域を超えた豪華なキャストを起用し、映画顔負けの壮大な物語を描いています。
プレイヤーは滅亡に瀕した人類のため、そして未来のために、人々の希望をつなぐ危険な任務に旅立ちます。本連載では、『DEATH STRANDING』のキャスト陣を、映画、ドラマなどの代表作を含めて、全7回で紹介してきました。今回は番外編として、カメオ出演のエドガー・ライトに迫りましょう。
エドガー・ライトってどんな人?
エドガー・ライト監督、コジプロに来社👍🦀🌈🐟🐋 pic.twitter.com/gx6gHAFPZ3
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2018年8月27日
1974年4月18日、イングランドはドーセット州プールに生を享けます。幼い頃から映画を愛するライト監督は、8ミリカメラを用いた短編映画を10代で制作し、20歳になると最初の作品「A Fistful of Fingers(原題)」(1995)を完成させました。ライト監督は現在までの長いキャリアの中で、多くの独創的なアイディアを基に、さまざまなコメディ作品を創造しています。
しかし、彼のキャリアの始まりは、テレビの世界での仕事でした。イギリス放送協会(BBC)で、幾つかのコメディ番組を手がけ、その才能の片鱗をテレビの世界で萌芽させたのです。その後、デヴィッド・ウォリアムスが脚本を書いたテレビシリーズ「Asylum(原題)」(1996)で、ライト監督は俳優のサイモン・ペッグと出会います。ふたりはその後も多くの映画、テレビでタッグを組むなど、盟友として知られる存在に。
ライト監督とサイモン・ペッグ、そして親友のニック・フロストを招いたシットコム「SPACED ~俺たちルームシェアリング~」(1999-2001)はイギリス国内で高い評価を獲得。英国アカデミー賞やアメリカのエミー賞にノミネートされるなど、イギリス国内外で脚光を浴びました。
ライト監督はテレビ業界で成功を収めたあと、再び映画に挑戦します。ペッグとフロストを主演に迎えたゾンビ・コメディ「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)を制作し、世界中でカルト的な人気を博しました。本作は、ジョージ・A・ロメロの名作「ゾンビ」(1978)をパロディ化したもの。この作品を気に入ったロメロ監督は、自身の次作「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005)でライト監督とペッグを起用し、ゾンビ役としてカメオ出演させた話は有名ですね。
その後、サイモン・ペッグとニック・フロストの親友チームで、「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」(2007)、「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(2013)を制作。いずれも低予算ながら、世界中の映画ファンを満足させる、痛快な作品に仕上がっています。これら3作の映画から成る“スリー・フレーバー・コルネット3部作”は、ライト監督の代表作として知られています。
近年では、「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」(2010)のようなアクション・コメディを制作したり、マーベル映画「アントマン」(2015)では原案および脚本を担当したり(当初は監督する予定でしたが、スタジオ側との「製作ビジョンの相違」により降板)、「ベイビー・ドライバー」(2017)のようなクールな快作を制作したりと、その才能を遺憾なく発揮しています。そしてライト監督は今作『DEATH STRANDING』の中で、プレッパーズ(シェルターに住む市井の人々)としてカメオ出演を果たしています。
一度は観るべき! エドガー・ライトの代表作
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今作『DEATH STRANDING』で、カメオ出演を果たしたエドガー・ライト監督。彼の代表作にはどのようなものがあるのでしょうか。少し覗いてみましょう。
■「ショーン・オブ・ザ・デッド」
巨匠ジョージ・A・ロメロの名作「ゾンビ」をパロディとして作り変えたコメディ作品。“スリー・フレーバー・コルネット3部作”の第1作目にあたります。ロンドンの家電量販店で働くダメ男のショーン(サイモン・ペッグ)が、恋人のリズ(ケイト・アシュフィールド)にフラれた翌日、街は突如としてゾンビだらけに。享楽的で無気力なショーンは、愛するリズを救うため、親友のエド(ニック・フロスト)と共に行動を起こします。ライト監督は本作の主演に、親友のサイモン・ペッグとニック・フロストを起用。低予算ながらもイギリス国内で大ヒットを記録しました。■「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」
主人公は、カナダに住む売れないバンドのベーシスト、スコット・ピルグリム(マイケル・セラ)。そんな彼が、一目惚れしたラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)を射止めるべく、彼女の元カレ軍団と戦う爽快なアクション・コメディです。原作は、ブライアン・オマリーによるカナダの人気コミック「スコット・ピルグリム」シリーズ。興行的には振るわなかったものの、映画は一部の熱狂的なファンから高い支持を得ています。キャストには「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)のクリス・エヴァンス、ブリー・ラーソン、「マイレージ、マイライフ」(2009)のアナ・ケンドリックなど、多くの人気俳優が共演しています。■「ベイビー・ドライバー」
ライト監督が「アントマン」の製作から降板し、その直後に発表された最新作。ウォルター・ヒル監督の「ザ・ドライバー」(1978)をリスペクトし、音楽とカースタントを融合させた斬新な意欲作です。主役は、華麗なドライブスキルを持つ逃がし屋のベイビー(アンセル・エルゴート)。ダイナーに勤めるウェイトレスのデボラ(リリー・ジェームズ)をヒロインに、一筋縄ではいかない恋模様をクールな音楽と危険なカースタントで描いています。作中ではザ・ビーチ・ボーイズ、ベック、クイーンなど、多岐にわたるアーティストのさまざまな名曲が使用されています。『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』はPS4向けに現在発売中。ライト監督のカメオ出演はゲーム本編でお楽しみください!