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挙げられている3つのジャンルそれぞれはイメージできますが、それらをかけ合わせた作品とは一体どのようなものなのか?実際にプレイしてみての特徴を紹介していきます。
『Fallout』シリーズのような、レトロフューチャーを意識した映像美
まずゲームを初めて目を引くのは特徴的なメニュー。銀縁のウインドウに緑と黒で配色された随分質素な作りになっています。画面を見ただけでビビッと来る人も多いのではないでしょうか。これはいわゆる「レトロフューチャー」と呼ばれるカルチャーを意識したものです。
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これだけでなんだかワクワクしてきますよね。
ゲーム作品では『Fallout』シリーズなどが特に有名でしょう。『Fallout』に登場する変な形のテレビの残がいや、ウインドウ内の文字が緑色で配色されたPC端末などを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
『Mars or Die! ~火星!さもなくば死を!~』ではこういった、昔の人がイメージした未来像である「レトロフューチャー」な世界観の火星を舞台に、先住民と生き残りをかけて戦うという筋書きになっています。
プレイヤーの宇宙服や、設置する施設も基本は銀色をふんだんにつかい、発光する部分は緑色になっています。雰囲気作りを大切にしていることがわかります。プレイヤーに与えられる司令は、大昔のラジオみたいな装置から行われます。この辺の徹底ぶりも見事です。
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ちなみに本部からの連絡はやたらと仰々しい言葉遣いに加えて少々物騒。送信元の相手の名前が「最も輝かしい指導者」だったり、二人称が「同志」だったり、ミスを犯したものは家族もろとも裁判にかけられてしまったりなど、セリフの端々からディストピア社会であることが想起されます。
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ディストピア作品好きの人なら、ニヤリとできるところですね。
これも昔の人が思い描いた未来社会の一つ。こういった細かいディテールまで、プレイヤーが入り込めるように丁寧に作られていることがわかります。
これらの雰囲気は実はゲーム紹介ページでは特に語られていません。ゲームシステムにも直結しない部分です。しかしまちがいなく本作の持つ大きな特徴の一つであり、造り手の気合が感じられるポイントとなっています。
資源を集め、施設を造って基地を強化するシミュレーション
ここからはゲームの特徴を実際にプレイしながら紹介します。ゲーム自体はいくつかのモードに分かれており、それぞれ異なる特徴がありますが基本の遊び方は同じです。
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最初のゲームモードである「占領キャンペーン」はチュートリアルも兼ね備えたミッションクリア形式のモード。まずはこれで遊んでいきます。
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最初はこのヘルメットのキャラクターを操作して資源の収集を行うようです。「まず資源の収集から始める」というところは、リアルタイムストラテジーの金字塔『Age of Empires』シリーズをプレイしている感覚を思い出します。
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メニューの建設パネルから建設する施設を選んで・・・
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その隣が電力供給用の太陽パネルです。
採掘機は、自動的に周囲にある資源をどんどん回収してくれます。建設できたらそのまま放置でOK。効率を上げるために他の採掘場所にも同様の物を建てていきます。また、キャラクターは酸素が無くなると倒れてゲームオーバーとなります。そのため酸素供給施設も建設しなくてはなりません。
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長くプレイしていると、この施設が視界に入らないだけで呼吸が苦しくなってきます。
せっせと各地を散策して建物を建てていると、不意にミッションクリアの報告が。最初は資源回収だけなので、苦もなく完了できました。続いては、いよいよ攻撃用施設を建設するミッションに。武器庫を建設して下準備をし、砲台(タレット)を建てていきます。
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序盤のミッションは施設の建設が終わったら次は防衛のミッション、というふうに段階を踏んでいくようになっています。いきなり放り出されてわけもわからないまま敵に襲われるという理不尽な目には合わないようになっています。非常に丁寧なチュートリアルだと感じました。
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丁寧なチュートリアルで下される辛辣な評価。
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クレーターのすぐ上にある細い建物がタレット。自動で敵を攻撃します。
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無事にミッションを達成できました。
タレットは「自動タレット」という名前の通り自動で敵を攻撃しますので、こちらも建てさえすれば放置するだけで大丈夫。どのように配置するかが腕の見せどころですね。
以降も順調に攻略を進め、いよいよプレイヤーキャラクターが2名に。ここからが本格的なゲームの始まりです。
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それぞれ若干異なる性能なので、使い分けも戦略のうち。
キャラクター2名それぞれに役割をもたせて行動させることが重要なようです。片方には資源の探索をさせ、もう片方は拠点を建設するなど。本作は時間との勝負なので作業の分担がネックになるようです。
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2人まとめて蹂躙されてしまいましたとさ。
敵は基本的に、所定の時間が来るとプレイヤーに向かって攻め込んできます。また、その他にも上の画像のように荒野をぶらついているている火星人もいます。不用意に探索していると、筆者のように路上で襲われてゲームオーバーとなってしまいますので注意が必要です。
キャラクターは若干の攻撃や防御の手段がありますが、基本的には無力。さらに彼らのどちらか1人でも死亡してしまうとゲームオーバーとなります。このあたりは『ピクミン』を遊んでいるときと同じ緊張感を覚えました。
火星人との総力戦!生存をかけた戦いの結末はいかに!?
何度か不注意が原因でゲームオーバーになりながらも徐々に攻略を進め、いよいよ大勝負の舞台に。複雑な説明は一切無しの「敵の攻撃から生き延びてください」というシンプルなミッションに挑戦します。
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ここまで得た知識と経験を集約させ、いざ挑戦!
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こちらも全力で迎え撃ちます。総力戦だ!!
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火星はやはり死の星だったのですね。
どうやら個々の火星人たちはそれほど強くないものの、数が集まるととてつもない破壊力を発揮するようです。赤い群れがわらわら攻め込んでくる光景を見て、ピクミン軍団に襲われるチャッピーの気持ちがわかったような気がしました。
敵の特徴を考えると、先ほどのような袋小路で1方向から迎え撃つのは、悪手だったのでしょう。そこで次は作戦を変更することに。
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先の戦闘以上の大量のタレットを設置しました。画面左上にも若干映り込んでいるのが見えます。視界には入っていませんが、右方向にもタレットを大量に配備しています。このように3方向から迎え撃つ体制で、敵を3か所に分散させる作戦でいきます。今度は上手くいきそう。リベンジ開始です!
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筆者の目の前も真っ暗になってしまいます。
またも敗北。火星人の強さは半端ではないようです。とても勝てる気がしません。
しかし敵を分散させる作戦は間違っていなかったようです。この戦法でトライアンドエラーを繰り返し、十数回目に辛くもクリアすることに成功しました。
途中からとにかく必死でプレイしていたので、クリア直前の状況がわかるスクショは残念ながら撮れませんでした。ミッションクリアの報告書だけはなんとか撮影できました。
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筆者にとっては厳しい戦いでしたが、戦略シミュレーションとしては適正な難易度なのかもしれません。しっかり戦略を練れば攻略可能であり、やりごたえや達成感も十分感じられるものになっています。
各ミッションには難易度高めのボーナスミッションが設けられており、上級者はそこを目指してプレイすることになります。ちなみに今回のボーナスミッションはフィールドに散らばるパワーアップアイテムを10個拾い集めること。
筆者は敵に破壊される施設を建て直すだけで精一杯だったのに、加えて敵の目をかいくぐって周囲を探索するなんてもはや絶望しか感じられません。ちなみに難易度ハードモードも用意されているようです。我こそはと思う方はぜひ挑戦してみてください。
タワーディフェンス×ローグライクと呼ぶにふさわしい、作り込まれた作品
プレイしながら気づいた本作の大きな特徴は2点。
1点目は本作の目的が防衛であるということ。敵を全滅させたり、敵の拠点を滅ぼすことが目的ではありません。つまり基本は冒頭にもあったように「タワーディフェンス」であり、そこにキャラクターを操作しての資源回収などの要素が加わっているといった形になっています。
そしてもう1点は、敵の攻撃目標がプレイヤーキャラクターであるということ。これは従来のタワーディフェンスとは若干異なります。通常は決められた拠点を守るゲームですが、本作の防衛拠点はプレイヤーキャラクターそのものです。
つまり、敵の侵攻前には拠点に戻って身を守る、もしくは移動先に新しく防衛施設を建てるなど、状況に応じた判断が大変重要になってきます。
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これを基準に判断を下すことが可能に。
また、筆者は複数入り口のある拠点で敵の攻撃を分散させる作戦を取りましたが、敵がプレイヤー目掛けて襲ってくる習性を利用して、プレイヤー2人を別々の場所に配置してばらけさせるという作戦も可能です。戦略の幅もなかなか広いと言えるでしょう。
このようなキャラクター個人の動かし方が重要になっている点を「ローグライク」と表現しているのでしょう。「タワーディフェンス、ローグライクそして戦略シミュレーションジャンルのハーモニー」というちょっと不可解な表現が、プレイしてみると確かに納得いくものに感じられました。
正直、想像していた以上に時間を忘れてのめり込んでしまいました。戦略性の高いゲームシステムの良いとこ取りのような作品で、かなり高いクオリティに仕上がっている印象です。
ここでは紹介しきれませんでしたが、他にも2つのモードがあります。「解放キャンペーン」は施設がほぼ破壊しつくされた状況から体制の立て直しを図るモード。「無制限モード」は無制限に敵が襲ってくる中でどれだけ長い時間生き残れるかを競うものです。オンラインでのランク付けもされています。
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目指すはトップランカー!
最後に確認したときは生存時間30分弱の人が1位。筆者も15分弱の生存時間で上位20名にランクインできました。ぜひ世界一を目指してみてはいかがでしょうか。
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