大人気だった“紅き英雄”ゼロを思う存分使える
本作は『ロックマンX』シリーズから数百年後が舞台。青き英雄「エックス」とともに「シグマ」と戦った人気キャラクター「ゼロ」が自ら信じる者のために戦う物語です。


ゼロは『ロックマンX』シリーズ第1作から登場していましたが、当初はプレイイングキャラクターではありませんでした。しかし、人気の高まりによって第3作目よりプレイ可能に。エックスバスターを使った射撃のエックスと対比した、ゼットセイバーによる斬撃が新しく、プレイの幅を広げた歴史的作品でもありました。収録されている作品においても、ゼットセイバーで敵を両断する爽快感とスピーディーなアクションは健在です。


さらに本作では、チャージして放つと一定距離で戻ってくるシールドブーメランや直接倒した敵の特性武器を一時使用できるゼロナックルなど、専用武器が使えるようになりました。『ロックマンゼロ2』からは、一定条件を満たしてボスステージクリアランクすると、新たな必殺技であるEXスキルも使えるようになるなど、アクションの幅がどんどん広がっています。




新キャラクターであるゼロは、サイバーエルフを入手・育成して装備することで、能力強化、ライフ回復などのさまざまな効果が得られます。さらに、倒したボスの属性を持った装備パーツを入手して強化もできるので、カスタマイズしていく楽しさが味わえました。


本作で一番熱いのが、敵がかつての盟友エックスであること。一体どうして、ともに戦った仲間であるエックスが敵として立ちはだかるのか……重厚なストーリーから目が離せません。
ステージをクリアするための試行錯誤の面白さ
ステージやボス戦でのトライ&エラーを繰り返す、クリアを目指して試行錯誤をすることも本作の醍醐味です。ボス戦ではいかに早く攻撃パターンを見極め、回避やカウンターのタイミングを見計らって倒すかが重要になってきます。筆者は遠距離攻撃をしてくる相手が苦手でしたので、じっくり弾道の動きを見て、逃げられるスペースを探すことから学習していきました。ステージも一筋縄ではいかないことが多いですが、必ずクリアできる最適解が存在します。

例えば、下が溶岩なのでジャンプして足場に何度も飛び移るステージがあります。ここでは、ただジャンプを繰り返すだけだと何度目かで飛距離不足になり、次の足場にたどり着けません。そこで、ダッシュ+ジャンプすると飛距離を落とさずに飛べることに気づくのですが、最初からダッシュ+ジャンプを行うと足場を飛び越えてしまいます。「じゃあ、どの辺でダッシュ+ジャンプをすれば良いのか?」と、数多くの失敗から検証してクリアした時の快感は病みつきになります。

難しい部分がある一方、本作には初心者の方でも安心してプレイできるシステムが用意されています。道中に設置されたセーブポイントを通過すれば、その場所からすぐ再開できる「アシストセーブ」をオンにすれば、ゲームオーバーでステージ最初からやり直す必要はありません。さらに、敵から受けるダメージの減少や、ステージの難所で落下しても即死しない「カジュアルシナリオモード」もあります。
ロックマンバトルロイヤルな『ロックマン ゼクス』は激アツ




『ロックマン ゼクス』シリーズは、アニメーションやボイス付きなど、演出がカジュアルになりアニメのような見せ方をしています。限りなく人間に近いレプリロイドであるエックスやゼロが主人公だった過去シリーズと異なり、本作ではロックマンの力を得た人間が主人公になりました。


面白いのが、複数あるライブメタルによって、さまざまなタイプのロックマンが登場することです。相手を倒せば、そのモデルを入手することができるので、別のロックマンに変身できます。これまでのシリーズでは、倒したボスの能力の一部分のみしか入手できませんでしたが、モデルチェンジすることで容姿だけでなく、ほぼ全ての技を使用できるようになりました。アクションゲームとしてどれだけ複雑に作り上げたのかと、驚かされます。ロックマン大戦争のようなロックマン同士のぶつかり合いが楽しめますよ。