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多彩なキャラクターと楽曲に高難易度の弾幕シューティング、そして同人ゲームながら非常に二次創作が盛んなことでも知られる『東方project』シリーズ。そんな「東方」二次創作の中でも、長きに渡ってシリーズ作品が展開されるほど人気を誇ってきた麻雀ゲーム『東方幻想麻雀』の最新作が、ニンテンドースイッチに登場しました。
本作では基本的な麻雀の遊び方に加え、20以上の対戦ルールを収録。「縛り」や「青天井」など特殊なルールにも対応しており、アレンジの加わったBGMと共に様々な対戦形式を楽しめます。
そして最大の魅力は、数々の作品から集結した100人超の収録キャラクター。それぞれに特殊能力が設定されており、「能力あり」ルールでは魔力を消費して卓上のバトルをより一層盛り上げます。
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麻雀ゲームには付き物と言えるイカサマ要素ですが、その数100オーバーともなると効果も実に多彩で、最早一般的な麻雀の常識は通用しないと言っても過言ではありません。今回は幻想郷ならではの斜め上を行く打牌術を紹介します。
「役は能力で作れる」
麻雀における基本中の基本、「手役を揃えてアガる」というステップですが、幻想郷ではむしろイカサマの基本と言ったところ。牌のすり替えや積み込みの能力を持ったキャラクターが数多く登場しており、特に八坂神奈子は神なる力を以てして次局に「一気通貫」のタネを仕込むことが出来ますので、非常に広がりのある初期配牌を呼び込めます。
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「欲しい牌が他人の捨て牌で無くなっていく」というもどかしい状況も、聖白蓮の能力を持ってすれば手牌と他人の河(捨て牌)をスルリと1枚交換出来てストレスフリー。裏を返せば、幻想郷ではじっくり手役を悩んでいる暇はないと言えるかも知れません。
他にも「上家以外の牌をチー出来る」「次の局に風牌を仕込む」など、魔力さえ溜まれば能力でやりたい放題。ガンガン攻める麻雀を好む方はこれらの攻撃的な能力のキャラを駆使して好き勝手に手役を進めてしまいましょう。
「点数は能力で盛れる」
ドカンと大きな役をアガることも醍醐味のひとつですが、高得点の手役ほど揃えるのが難しいのは当然のこと。役満狙いを能力でアシストするのもありですが、いっそのこと役を作らずに点数をプラスしてしまうのが幻想郷式の麻雀です。
紅魔館の門番・紅美鈴の能力を発動すれば、その局の点数移動がなんと倍に。勿論自分が失う点棒も倍になってしまいますが、土壇場から一発逆転を狙いたいという生粋のギャンブラーにはおすすめのスリリングな能力です。
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ローリスクで点数を乗っけたいという貴方には風見幽香の「カンドラを操る程度の能力」もとい「カンすればカンドラがモロ乗り」という衝撃の能力がおすすめ。ドラ4に手役をプラスすれば満貫は確定で、必ずカンドラが自分に乗るのでリーチさえ気をつければ相手のドラが増える心配もないというメリット独り占めな能力です。
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『東方幻想麻雀』では点数の底上げ行為はもはや日常的に行われており、特に「手牌を赤ドラに変える」などドラを増やす能力が横行している模様。能力卓ではドラが通常より多数投入されることも多いので、自分がドラを握っているからと言って安心は出来ません。
「多少の失点は無かったことに」
一番の狙いが大きな手でアガることなら、一番避けたいのは相手に大きな手でアガられること。能力と運要素が飛び交う幻想郷では避けられないリスクかと思いきや、この辺りも特殊能力の力でマネジメントが可能です。
藤原妹紅の能力は、発動した局で他家のアガりが8,000点未満だった場合に点棒の移動を行わないというもの。中程度の役を実質無効に出来るので、リードしている時の逃げ切り時に発動すれば相手に高得点の「縛り」を強要することが可能です。
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ついつい大きな手に振り込んでしまうという方にはアリス・マーガトロイドの能力もおすすめ。人形遣いの展開するシールドは、発動した局に12,000点以上の失点を受けた場合に点数を半減してくれます。大ダメージほどカット効果が大きいので、先述のドラ乗せ能力などで相手が明らかに大きな手を準備している場合に有効です。
「そもそも相手をアガらせない」
麻雀において「相手に振り込まない」という守備的な戦術には読みや知識が必要となり、初心者がハードルを感じる要素のひとつ。そんな場合に役立つのが相手の牌を乱す妨害系の効果で、「ポンできない」「ツモ切り」させるといった能力は相手のプランを大きく乱すことが可能です。
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更に慎重に打ちたいという方は危機察知の能力を持ったキャラクターを選びましょう。「リーチした相手の待ち牌が分かる」という初心者にも非常にありがたい能力の持ち主のスターサファイア、あるいは「聴牌した相手に“!”マークを表示する」犬走椛の能力なら迂闊な振り込みを避けたい場合にうってつけです。
「最早イカサマをさせない」
それにしても、こんなにも強いイカサマ能力をどのキャラクターも持っているなら自分も思い通り打たせてもらえないのでは。いえいえ、ならばイカサマをさせなければ良いのではないです。
上白沢慧音の能力を使用すれば、対戦相手の能力ゲージを奪い取り、更に自分の手牌を数枚赤ドラに変更してしまいます。マエリベリー・ハーンの能力なら卓や能力の特殊効果をすべてキャンセルし、こちらも手牌を数枚赤ドラに変化させることが可能。
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ついつい能力頼みになりがちな本作に置いて特殊能力を封じられるという効果の意味は大きく、特に対人戦では特に発動のタイミングがカギになります。どちらも手牌に赤ドラが増えるので、妨害しつつ自身の火力アップにもなっているところが美味しいですね。
「もう点数を直接いただく」
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点数を得るためにはアガらなければいけない。そんな決まりは幻想郷にはありません。宮古芳香の能力は、なんと「他家から点数を奪う」というまさかのプレイヤーへのダイレクトアタック方式。もう麻雀関係ない、かと思いきや鳴いて場に晒している牌が多いほど奪える点数も多い仕組みに。
手元に1枚だけ残して鳴いたいわゆる「裸単騎」なら3,000点ほど回復できるので、実質小さな役をアガった程度の効果あり。常識を疑っていきましょう。
まとめ:東方と麻雀の魅力をギュッと詰め込んだ『東方幻想麻雀』
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『東方幻想麻雀』に登場する能力の一部を紹介してまいりました。ここで挙げた以外にも大大きく戦況を左右する能力があったかと思えば、中には「ツモを山に返してやり直す」「積み棒を一本増やす」といったシンプルで使い勝手の良いキャラクターも。特殊ルールとの組み合わせでは大化けする展開もあるかも知れません。
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全てのルールで3人打ち・4人打ちや能力の有無に関わらずオンライン対戦とローカル対戦、CPUとのシングルプレイにも対応しているので、これ一本あれば古今東西の麻雀を網羅できると言っても過言では無いでしょう。自動機能なども充実しており、シンプルに麻雀ゲームとしても大ボリューム。
豪華イラストレーター陣が手掛けるキャラクターたちはどこかコミカルで、決して『東方』シリーズを網羅していない筆者でも十分楽しめる可愛さ。麻雀初心者から上級者、シリーズのファンから本作で初めて知ったという方まで、自由自在な幻想郷麻雀で新たな境地に触れてみてはいかがでしょうか。